西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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暦。1814年の6月3日はナポレオン后妃ジョゼフィーヌの葬儀の日。その波乱万丈の生涯は節目節目に予言や占いがつきまとうのです。15歳のときの手相の予言、長じてのルノルマンへの傾倒など、興味深いのであります。絵はダンハウザーの「后妃と占い師とナポレオン」。またか、と憮然な表情のナポレオン。
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こちらは日本に伝わったヨセフィ子さまの貴重なお姿、ということで再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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暦。6月4日は #虫の日 とのこと。 ウィリアム・ロスコーが1807年に発表した子供向けの詩「蝶の舞踏会あるいはバッタの宴」は好評を博し、イラスト付きの普及版が飛ぶように売れたそうです。擬人化ものながらも英国児童の昆虫リテラシーの向上に大いに寄与したのであります。続編に「蝶の葬式」。
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雑。ときどき面白い会話が流れてきたりするのです。 「作品は大好きだけどそれを書いた作家は嫌いという人に会いまして」 「あー、あるわなあ」 「産みの親が嫌いってどういう心理なんですか?」 「きみ、嫁さんのご両親、好きか?」 「・・・なるほど」
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暦。6月5日は2022年の聖霊降臨日。英国ではこの日に子供たちの洗礼が行われることが多く、別名を白衣の日曜日 Whitsunday。白い洗礼服はその後にドールに着せられ、守護人形化する例がよく見られます。写真の品は当館に渡ってきた19世紀末ベルギー製。繊細なレース飾りがおしゃれです。
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暦。本日6月6日は2022年の芒種。「芒」とはコメ、ムギなどイネ科の植物の穂先にある棘状の突起のこと。オカルト関係者には「五芒星の芒」というほうが早いでしょう。芒を持つ種子をまくのに適した日なんだそうです。
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長崎県生月に伝わる潜伏キリシタンの聖画、いわゆる納戸神ではないでしょうか。モチーフは「太陽を身にまとい月を足元に置く女」「その女は身ごもっていた」(黙示録12章)。えらく抽象的な表現をされているものか、と。 twitter.com/ii_museum/stat…
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ドアに関する伝承 ・自宅のドアをノックしてはならない ・ドアノブになにかをぶらさげてはならない ・ドア越しに握手をすると不吉 ・ドアの陰に隠れてチキンを食べると美人になる ・同じドアから入退室しないとアンラッキー 蔦に覆われたドアは秘密の花園に通じるのであります。
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ナーサリーライムに登場するおばあさん猫さん。市場に卵とバターを売りにいくのですが、休憩中にカラスが籠に入り込み、卵を割ったりバターをかき混ぜたり。  おばあさん猫さんは籠の蓋を閉じてカラスを閉じ込め、そのままかまどに入れてカラスパイのできあがり。どこか余韻の残るライムです。
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季節。夏至の頃、猫の国へのゲートが開くというのです。そして身寄りのないおばあさんのもとにかつての愛猫がやってきて、よろしければと招待します。そして誰もいなくなるという静かな物語。  刺さる人には刺さるようです。
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雑。お転婆女子の類型。鍵が架けられた門扉をよじのぼり、スカートをひっかけて転落したり宙づりになったりするのであります。教訓話のパターンですが、この状態のところに若い紳士が通りがかり、助けてもらったのに混乱と羞恥のはてに "How dare you !" と平手打ちするまでがワンセットーー
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ーーさらに他家のお茶会で件の紳士と再会し、知らん顔して苦笑されるのもお約束というか、ユニヴァーサルなイントロというか。クリノリン引っ掛け女子もほぼ同様の展開となっています。この種の元気のよい女子に自転車が加わると19世紀の都会風景が一変していくのであります。
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雑。Dunce's stool 。かつて英米の学校では劣等生に三角帽をかぶせて特別の椅子に座らせる懲罰があり、女子には醜いお面をかぶせていたとのこと。1950年代に廃れたそうですが、さぞ怨念がこもった備品であろうと推測するのであります。学校の怪談向けに。
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雑。だれかにプレゼントするための刺繍は一旦開始したら完成するまで心を乱してはいけなんだそうです。どんなにお天気がよくても窓辺に小鳥が誘いにきても、ただ相手のことを思って針を進めるべし、と。護符化の要訣なのでしょう。古風なお話であります。
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雑。"There is no good mother-in-law but she that wears a green gown" という言い回しがありまして。「善良なる義理の母親は緑のガウンを着る者のみ」。緑のガウンとは「芝生」のことなんだそうで、結構な婉曲表現であります。
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ゆえにーー 貴婦人「きっとあなたには緑のガウンが似合いましてよ」 といったセリフもかなり怖いのであります。白では露骨すぎるわけです。面白や、と。
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雑。シスルトン・ダイアによれば西欧世界には古来より赤毛の娘に対する暗黙の侮蔑があり、またイスカリオテのユダは往々にして赤毛の人物として描かれるといいます。その由来はわからないそうです。このあたりの機微はネイティブでないと把握が難しいのかもしれません。メモがわりとして。
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暦。6月13日はパドゥアの聖アントニウスの祝祭日。こちらの聖人は多数の逸話持ち。神の教えに耳を貸さないパドゥアの民に立腹し、ならばと魚を集めて説教した件が一番有名でしょうか。このとき魚たちは種類別、サイズ別に整列し、水面から頭部を出して聖人の教えを傾聴したとのこと。
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雑。人を指さしたりじろじろ眺めたりすることが無作法にあたるように、星や月も指差したり凝視したりしてはいけないとされています。指し示すときは掌全体で優雅に、眺める際は扇の隙間からちらりとだけ。山の端より現れる月には恭しくお辞儀するのがスコットランドの良家の子女の心得とのこと。
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身近。アジサイの仲間なんでしょうが正確な名称がわかりません。庭先に咲いておりました。小さな花の集合ぶりがかわいいと思うのであります。
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さて梅雨入り。雨を乞うにせよ晴れを乞うにせよ、天に使者を送って要請するのが筋という呪術的発想があります。そのための生贄代わりに使われるのが専用のお人形。ルーマニアには雨乞い用のお人形(図)があり、葬儀ののちに埋葬して天界に送り出すそうです。ベーザの『ルーマニア異教民俗』から。
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季節。夏至の頃、村はずれにある妖精丘 fairy mound に出かけてトワイライトのなかを地面に耳をつけていると、フェアリー・コンサートが聞こえてくるという伝承があります。まず笛、続いてフィドル、コーラスにパーカッションという編成だそうです。絵はいつものダンピー祝祭本から。
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夏至の頃の読書。えんえんと明るいなか、しかし屋外ではさすがに光量が足りず、なんらかの灯火の下で文字を追うことになりましょう。このとき、目には見えなくても妖精さんと一緒に本を読んでいる状態になる状況が多いのだとか。変なものを読んでいると髪の毛を引っ張られたり、つねられたり。
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雑。ティンカーベル等の小妖精に人気が出たためか、妖精といえばあのサイズと思われがちですが、伝承には大小いろいろな大きさの妖精さんが登場します。名前持ちはだいたい大きめの傾向。図はアリス・ブラウン『片足妖精』(1911)から「少年と妖精ドローラ」。
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雑。眠りが浅くなる夏至の頃は警告夢も多発するようです。いたずらに昆虫採集を繰り返して無用の殺生を重ねた少年が夢のなかで虫たちに襲われています。きさまを悪い子の標本にしてやる、とピンを刺されるわけです。ライター・ブリル『ボビー・バンプキン』(1901)から。