西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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さて初夏の宵。妖精さんが人の子を誘い込むリングダンスの季節でもあります。踊り疲れて帰ろうとすると例の「帰るの?」「帰りたいの?」「帰れると思ってるの?」と怖い雰囲気。踊りながら足元にある四葉のクローバーを踏むと環が破れて脱出の機会が到来します。絵はクイープ読本 (1911) から。
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雑。「起きたくない、布団のなかでぐずぐずしていたい」と起床を拒否するベティー・ジェイン。すると時計も衣服も反乱を起こし、太陽は運行をやめて少女を停止世界で孤立させるという物語。威嚇系教訓とでもいいましょうか。下手なブギーマンより怖いです。エルソン拡張読本(1925)から。
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#世界ミツバチの日 とのこと。 ミツバチに関する伝承 ・ミツバチの数を数えてはならない ・分蜂の際に鐘を鳴らすと群れを呼びこめる ・冠婚葬祭の際に通知を怠ると不都合が生じる 19世紀英国の家庭菜園には蜂籠が常設されていて、蜂蜜採取はもとより受粉その他に活用されていたそうです。
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養蜂はガーデニングの一部門として良家の子女の趣味となり、また蜂社会の神秘性が多くの魔術的伝承を育てていったのであります。ラストメッセージをミツバチに託す人情話もあります。窓辺に現れるミツバチはまさに「虫のしらせ」ということで。
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雑。読書の際は光源を左後方に配置せよ、とアメリカの小学生向け健康読本 (1934) から。目に光が入らないようにし、また小さい活字を凝視しないように。姿勢正しく、本との適切な距離を保つべし、と。ここを基本に各人が守破離していくのでしょうが、ベイシックは頭の片隅に置いておいてもよいような。
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雑。石鹸木箱 soapbox を再利用した読書スペースの図。日本ですとミカン箱で勉強するのが貧しいお家の子供の常態ですが、米国的には石鹸箱となるようです。布を張ったり重ねたり。魔法の祭壇もこんな感じで細工することが多いのであります。1887年の女子活動読本から。
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雑。手足が生えた魔法の水瓶が心優しい少女を助けるお話「パティーと水瓶」のフルバージョンを発見。簡略版に較べると水瓶がしゃべるしゃべる、「お嬢様、心配はご無用ですぞ。万事私におまかせあれ」となかなかの執事トークが素敵です。声もよく響く低音のようですーー
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ーーパティーが王妃に迎えられてからも宮中にうずまく陰謀を阻止し、追手を水攻めで撃退。さらに王との仲を修復したのち、自分の役は終わったとして水を噴出して湖に変化します。以前も書きましたが、水瓶が万能すぎるのが問題なのであります。ともあれ器物系がヒロインを助ける珍品なり、と。
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続・養蜂。伝説によればドイツのアンダーナッハでは城壁上で養蜂を行っていたとのこと。ある日、敵の奇襲に気づいたパン屋の見習い小僧が蜂籠を敵兵の頭上に投下。蜂に刺された敵兵の悲鳴が警報となって撃退に成功したというお話。ちなみに敵はリンツとされています。一応、史実らしいです。
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雑。怠惰な生活を求めてブタに変身してしまった少年ピーター。しかしお肉にされそうになるとさすがに反撃するのであります。懲罰としての動物変身というモチーフはピノキオにもありますし、キルケーの頃からのお約束か。肉切り包丁を手にするピッグヘッドはなかなかの悪夢であります。絵はクロウキル。
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#キスの日 とのことで再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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暦。5月24日は #メリーさんの羊の日。 1830年のこの日、ボストンにてサラ・ジョセファ・ヘイルの同名の詩が発表され、以来世界中で愛されて現在に至ります。実際の出来事を題材にした作品なのですが、やれ使い魔だ人工精霊だとオカルト解釈する人もいて退屈はしません。絵もいろいろ描かれましたーー
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#メリーさんの羊の日 もちろんメアリーと子羊という組み合わせは聖書的解釈を呼び込みます。もともと日曜学校用のブロードサイドに記された詩ですし、中世の「ユニコーンと乙女」を連想してもよいのであります。ヴィネットに囲まれた絵はご存知ウィルビーク・ルメール。
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#メリーさんの羊の日 学校にいろいろ連れてきてはいけないのは万国共通。この「いろいろ」に霊的存在を含めるとき、ファンタジーなりホラーなりが生まれるのでしょう。面白や、と。
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猫に関する伝承。 猫を引っ越し先になじませるには―― ・抱きかかえて三度その場で回る ・前足にバターを塗る 「猫は家につく」と言われるのは英国も一緒であります。新居に落ち着いてもらう方法がいろいろ伝わっています。
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ナーサリーマジック。 「はないちもんめ」に似た遊びを西洋に求めますがなかなかこれというものが見つかりません。マリオネットの演目にそれらしきものがあって、 「貧乏な人形でございます」 「金持ちで高慢な母親ざます」 「娘さんをお嫁にいただきたく」 「ちゃんと食わせていけるのかや」ーー
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さて英国では井戸にまつわる行事が増える時期。いわゆる wishing well 願掛け井戸を花で飾ったりします。もちろん願掛けには対価が必要なわけで、有力な井戸には相応のものが。子供たちに視線を送る井戸の精霊には注意が必要なのであります。絵はグレアム・ロバートソン。
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暦。5月28日は「図書室に出現する霊的美少女の日」。1583年のこの日、英国の大学者ジョン・ディー博士の図書室に不思議な美少女の霊が現れ、他愛ないおしゃべりをしながら飛び回りました。英国魔術史上もっとも魅力的な瞬間と称されています。
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地図の雑。女神ブリタニアあり、聖ジョージあり。ブリテン島の擬人化は昔から楽しい領域なのでありましょう。このあたりをスタンダードとして、老婆像、酔いどれ像とふざけていくのもお約束であります。集団意識としての国家像は意外なほど魔術的なのであります。
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暦。5月29日はロイヤルオーク・デイ。英国国王チャールズ二世の誕生日であり、また王が敗走時にオークの樹に隠れて敵をやりすごした故事を偲ぶ日。かつて英国国民はオークアップル(虫瘤)を飾って29日を祝していたそうですが、19世紀にはそれも廃れたとのこと。樹木崇拝的に興味深いのであります。
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暦。5月30日はジャンヌ・ダルクの命日にして聖人としての祝祭日。しかしジャンヌ生存説も根強く、それを裏付ける当時の記述もあるとのこと。実際はジャンヌを名乗って募金活動に精を出したペテン師の類が横行していたのでしょう。図はアメコミ風ジャンヌ。1948年の映画公開時に登場したタイアップ。
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雑。ジャンヌ生存説にはよくオカルト的バックアップが登場します。錬金術の秘薬で蘇ったるします。この種の集金ポテンシャルを認められて担がれる人物としては「ルイ17世」なども有名。マリー・アントワネットの息子がバスティーユを脱獄して捲土重来を期すわけです。サポートにサンジェルマン伯爵
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六月近し。June は愛と結婚の女神ユーノーさまの月として花嫁に味方するのであります。その分、妻子持ちの身でありながらあちこちでふらふらする男どもには地獄を見せるのであります。聖鳥はクジャク。クピドから渡されているのはヴィーナスのガードル。使用法は各方面多岐にわたります。
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暦。毎年恒例、六月の「カニ乗りおやじ」の登場であります。甲羅の上にちょこんと正座するひげもじゃの中年男の謎の微笑みに戦慄せよ。いちいち召喚せずとも勝手にやってくる貴重な存在なのです。最近ファンも増えていると聞いております。よしよし、と。
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暦。6月2日は #薔薇の日 とのこと。 19世紀半ばに刊行されたウォーン社のフラワーバースデイブックでは、6月の花はすべて薔薇、バラ、ローズ、ばら。6月生まれの女子はすべて薔薇なのであります。きれいでかわいくてトゲがあって扱いが難しくてほっとくとしおれたりのさばったりするのです。