西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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雑。風見鶏を魔術的に考察すると結構たのしいのであります。方角とエレメントの照応、さらに魔術武器の素材とアイデアは豊富。鶏以外のデザインも多く、教会によってはドラゴンになったり聖人になったり。もちろん風見猫は定番。風の吹くまま、気まぐれなり、と。
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#死ねを別の言い方で言ってみよう 以前も紹介したやつですが 貴婦人「お好きな花を教えてくださる?」(お墓に供えてあげたいから)
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雑。食虫植物。タロットに登場するそれで一番わかりやすいのが「太陽」の子供の髪の毛。これはモウセンゴケ、英名 sun dew であります。「太陽のしずく」という美しい名前ゆえの採用でしょう。やーい、あたまハエトリグサなどとからかってはいけません。絵は当館所蔵のパメラDより。
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雑。妖精さんは奇数がきらいという説がありまして、奇数の妖精さんが集まると人間を参加させて偶数にするのだとか。もちろん人間が帰ろうとすると例の「帰るの?」「帰りたいの?」「帰れると思ってるの?」が炸裂するのであります。絵はファイルマン童話集から。
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雑。ワインはフランスの悪習なり、と警告を発する戯詩。目にも舌にも心地よく、しかしこれにはまれば昼に書を読めず夜も眠れず、空と池の区別もつかず、と言いたい放題であります。英国人ならビールを飲めというところでしょうか。たいがいの悪は目に見えないスピリットの仕業とされるのであります。
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猫魔術。猫の四柱寝台のセットアップ。小さなテーブルをひっくり返してクッションを置くだけで完成するわけですが、こちらの思い通りに就寝していただけないのがお猫さまの常でもあります。猫が気に入るようなら、ある種のアミュレット化を期待してもよいとのこと。面白や、と。
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雑。水面霊視系の術はときに奇妙な照応を持つのであります。過去を観たいときは土器にワイン、現在なら青銅器に油、未来を知りたいときはガラス器に水という組み合わせで観照するとのこと。ただし心が不純な人間にはなにも見えないという巧妙な条件がつく場合が多かったようですーー
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雑。たまに男性魔法使いが化けている猫がおるわけです。尻尾を踏むと術が解けるとされていますが、もちろん簡単には踏ませてくれませんし、踏んだ人には相応の呪いがかかってあとの展開がややこしい。物語の冒頭部によく登場します。絵は J.D. Ford 。
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雑。魔法を探して童話世界を彷徨いますと、よく遭遇するのがいい感じの日本童話。「舌きりスズメ」のお話も海外に紹介されるとどこか変容しておるのです。物語は通常進行しますが、老夫婦を歓待する「スズメ踊り」が妙に粋であります。『二階の本棚童話集』(1920)から、絵はキャサリン・ダッジ。
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猫。オランダ民話にて妙な猫たちを発見。港町フラールディングに突如として三本マストの船で乗りつけて、杯を先頭にかかげて街を練り歩くのです。神の御名を聞くと慌てて逃げていきますが、場所的に見て英国の猫たちがやらかしているような。脈絡なく襲来して退散する投げっぱなしの物語なり、と。
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雑。英国製の陶器ポーマンダー。中には防虫剤を入れております。年二回、日を決めて補充していくのが賢いのであります。虫よけと魔除けは似たようなもの。もうすぐ季節もデビルズアウト・ハピネスイン。
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さて二月になるとハリネズミが眠い目をこすりつつ穴から出てきて、空をしばらく眺めるとふたたび穴に戻って二度寝するという伝承。そのときの様子で三月の天候がわかるというのですが、具体的な記述に乏しいのです。とりあえずひなたぼっこ。図は当館のモニタークリーナー(本来の用途にあらず)
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二月二日はキャンドルマス。伝承によればこの日までツリーやヤドリギといったクリスマス関連の植物系装飾を放置しておくとゴブリン化するとのこと。メイドたちよ注意せよ、とへリックが詩に詠んでおります。片付けたなら聖なるロウソクの炎で浄化するのであります。メイド脅しのブギーマンなり、と。
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暦。節分とは季節の分かれ目、冬が春に変わる頃、とヘボン和英英和辞書にもあります。「冬は外、春は内」と唱えるのもよいかもしれません。炒り豆の由来に関しては諸説ある模様。パラパラという音が春雨や春雷を象徴しているのかもしれません。
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雑。ゴブリンという言葉が具体的な種族を表すようになるのは比較的近年で、以前は「お化け」程度の意味で使われておったようです。このゴブリンポニーは夜に外出する子供を片端から乗せては海や川に飛び込み溺死させるというブギーマン系。満月の晩に薬草を摘もうとすると出現するとのこと。
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魔術的世界観ではスピリットが濃縮・沈殿して怪物化していくのです。飛べるやつは比較的善良で、地の面を歩くものは中庸、地中で巨大化するのは邪悪なり、と。洞窟に棲むオーガはやばいのであります。図はラングの灰色童話集から。サイズ感がなんとも素敵。
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雑。いわゆる「ひとめぼれ」はエンチャントメントの類でトラブルのもととする物語が多いのであります。とある賢王が嫁探しの旅に出て、よりによって性悪の騎虎姫にひとめぼれ。王妃として連れ帰るも妖精関係のもめごとを引き起こして何代もたたる呪いをかけられーーラングの灰色童話集から。
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雑。落雷 thunderbolt は現象にあらず物体なりとする発想。落雷の現場で見つかった石斧や鏃、化石などを雷の本体として珍重し、護符化するのであります。図のような打製石器、アンモナイトやベレムナイトといった化石がサンダーボルト本体と見なされ、さまざまな魔法に用いられたとのことーー
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雑。先に紹介した騎虎姫の物語。王女が囚われたタワーにはもちろん魔法がかかっているのですが、これを突破しようとする王子サイドの妖精が面白いのです。「魔法には必ず弱点があります。うちの使い魔に調べさせます」と鳩を放って結界をチェック。魔力ドームの頂点付近に穴を見つけてそこから侵入ーー
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雑。英国の野山で見つかる石器時代の鏃。これをエルフショットとしてお守りにする話は有名ですが、具体的な細工が紹介されるのは珍しいかも。エヴァンズの『英国石器図譜』(1896)にある図では、鏃が銀の土台にマウントされてペンダントに。文字は持ち主の頭文字とのこと。
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季節。英語の daffodil は全体黄色のラッパスイセンを指しますが、白&黄色のスイセンも包括する模様。春の使者にはまた冥界の案内人の役目もあるようで、スイセンにお辞儀されるとお迎えが近いという伝承もございます。デイジー、ダフォディル、ダンディライオンと春先はDの競演なり、と。
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雑。元来エルフは働き者の小妖精で、雇用主を選びません。魔法の矢の場合、鏃はエルフが作り、仕上げは悪魔が行うとされていて、クルックシャンクが絵にするとこの通り。出来上がりを待つ魔女たちの無言の圧も恐ろしや。悪魔とて締め切りの恐怖からは逃れられないのであります。猫はマイペース。
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思うにクルックシャンク自身がネコを飼っていたんじゃないでしょうか。締め切りが迫ってくると邪魔しにくる、作業台によじのぼってくるあたり、リアリティーがありすぎるように思うのであります。
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雑。勢いで海外に紹介された「道成寺」を調べまして。「キヨヒメ、あるいは愛の力」「道成寺の鐘」といったタイトルのもと、ストーリーはほぼ間違いないのですが、語り口によって印象はえらく違うから面白いのであります。Dragon Maid and the Bell 。カラー図版はグレース『青柳』からゴブル作。
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ミツバチに関する伝承 ・巣に聖餅を入れると、ミツバチたちがそれを中心にロウで礼拝所を建立し、讃美歌を歌いはじめる  ミツバチたちの元気がいまいちのときに行うおまじないの類です。ミサの際にいただく聖体を(ほんとはいけないんですけど)とっておいて、ミツバチに与えるという習わし。