西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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テントウムシに関する伝承 春先にテントウムシを見つける乙女は、それを指先に乗せよ。テントウムシが腕を這いまわる様子を「結婚式の手袋の採寸をしている」と称し、飛び去る方角を確認せよ。その方角に将来の夫が住んでいる。 北欧系の伝承のようですが、飛翔と方角の件は英国にもあります。
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雑。19世紀英国で流行した「チャバネ色のあれ」除けのおまじない。 小さな紙に「ローチ様、貴方の所業にはもううんざりです。どうか隣家にてご活躍ください」といった趣旨の文言をきちん記し、小さな封筒に入れてローチさんの通り道に置く。そのうち封筒が消え、ローチさんも引っ越すとのこと。
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当時の研究によると、「チャバネ色のあれ」はもともとインド出身で、大航海時代に世界展開したそうです。対抗策として、船に南米産の小型サル類(マーモセット)を乗せて捕食を担当させたとのこと。あれらも単なるペットではなかったようです。面白きかな、と。
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雑。cockroach はスペイン語のクカ・ラチャ(森の虱?)を既存の英単語で音写したものだそうで、ようするにスペイン起源の災厄という認識なんでしょう。black beetle という表現もよくBBに省略されること多し。図は1872年の『コミック・インセクツ』からミルクをめぐる猫とBBの睨みあいの図。
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虫。カマキリ を表す英語 mantis は語源的には「占い師」の意。  カマキリに遭うとこれと正対して「わが行く道を示せ」と唱える。しばらくするとカマキリがカマで左右どちらかを示す。その方角にある建物や住む人、山河などで占ったといいます。古代ギリシャのお話です。 写真は江戸時代の「自在」。
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暦。バレンタインデイ近し。もとは小鳥が伴侶を選ぶ日とされ、そこから恋心が小鳥となっていとしい人の窓辺に現れる日、とロマンチックな解釈が出現。よりわかりやすく小鳥の絵葉書を送りつけるのもありでしょう。花言葉、小鳥言葉と恋の暗号が飛び交う季節の到来であります。
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さてバレンタイン当日。19世紀半ばですでにこの日を「文房具業界の陰謀」と嘆く声が多かったのであります。ロンドンの郵便配達が無数のカードでパンクしたそうで、それなりの経済効果も見込めたのでしょう。図はひとひねりしたVカード。美辞麗句を並べておいて背景に「願い骨」「だったらいいな」。
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伝統的なVデイイベントではクジ引きが主流だったそうです。適齢期の男女が10人20人と集まり、それぞれ紙切れに意中の異性の名前を書いて箱に入れる。しかしその箱には他にも村の老婆の名前とかスミスさんの雌牛といった「ネタ」「はずれ」が入っていて、それを皆で引いて盛り上がったとのこと。
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暦。かつて英国では二月の今頃から闘鶏が盛んに行われておったのですが、19世紀半ばに残酷な見世物であるとの理由で公共の場での実施が禁止になりました。四旬節直前の火曜日が闘鶏の日とされていた点で、なんらかの呪術的意味もあったのかもしれませんーー
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雑。蝶はサナギから出て最初のフライトの際に体内に残る残滓を放出しながら飛ぶそうで、それが往々にして赤いとのこと。多数の蝶が同時に飛び立つとき「血の雨」が降るという伝承が生まれた所以と19世紀の昆虫奇談集にありました。毒の雨を降らすならばちょっとしたホラーでありましょう。
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雑。楽譜中にクマが出る例は珍しいと思うのであります。ここで「クマー!」と叫ぶのか、「ガオー!」と吼えるのか。「三賢女」、1885年の『セントニコラス歌曲集』から。
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出典はこちらから。 archive.org/details/stnich… 小節内に絵が入り込んだのはこれと後半にもう一本あります。
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雑。よくわからないモンスター。このカンティルナー犬はローラ・E・リチャーズの詩に登場する「コットンフランネルを投げつけてくる」魔物なのですが、なにがしたいのかよくわからない。レジナルド・バーチの絵がいい感じなのでどこか気になるのであります。初出は1889年。
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猫魔術。化け猫ダンサーズはいまのところ翻訳されたしっぺい太郎ものでしか見ておりません。かれらはファントムキャッツと称されていて、欧英土着のモンスターキャットとは一線を画されている点が面白うございます。猫の集会とは完全に別扱い。
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書物。当館にも届きましたアレイスター・クロウリー著植松靖夫訳『法の書』国書刊行会、特装の黒ヴァージョン。ペーパーナイフを必要とするその姿はいかにも「封印の秘儀」でありましょう。興味深いのであります。
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雑。宝石の性別という妙な分野がありまして。サファイヤは薄い青だと男の子、深い青だと女の子、ダイヤは輝きが強いほうが男の子といった具合。護符製作に必要な知識とのこと。男ダイヤと女ダイヤを同じ箱に入れて数年放置すると子供ダイヤができるというめでたい話も伝わっています。
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占。チェンバースによれば1860年前後の時点で英国の「一番小さな規模の村落にも最低ひとりはカード占い師 card cutter がいる」とのこと。またロンドンでは無数のカード占い師が営業していて、料金も最低6ペンス(現在換算約500円)から最高3ギニー(約63000円)まで幅広いというーー
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#猫の日 とのこと。 意外な作家が猫文学に寄与していることも多いのであります。長崎を舞台とする『お菊さん』で有名なピエール・ロティは『二匹の猫の生涯』で愛猫の話をえんえんと。図は1900年の英訳版から。
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#猫の日 長靴をはいた猫の名前は諸説あって、よく見かけるのがグリマルキン。単に「プス」としている版も多いようです。ご主人さまが出世すると猫も出世して貴族となるあたり、夢があるようなないような。
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#猫の日 なので再掲。イタリア版長靴猫のキュートさは筆舌に尽くしがたし。王も家臣もメロメロであります。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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#猫の日 猫占い felidomancy ・猫が顔を洗うと雨 ・猫がへそを天井に向けて寝ると雨 ・深夜に猫に尾行されるとアンラッキー ・猫サイドからアプローチされる人は悪人 最後のやつは諸説あり。深夜尾行の件は、そもそも深夜に外出している点でなにしとんのかという話であります。
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雑。貴婦人用の小型ポマンダー。上部を引っ張ると金属の外殻が開いて香料を入れる部分が露出する細工。ここに龍涎香などを入れ、腰ベルト等に装着します。疫病除けの護符的意味合いがあり、また詰める香料によって効能が異なるわけです。18世紀前半で廃れたとのこと。照応論の舞台のひとつなり、と。
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生のオレンジの中をくりぬいて香料を詰めるタイプのポマンダー。図の英国の財政家トマス・グレシャム(1519-79) が手にしているのがそれ。この当時の肖像画によくある小道具だったそうですが、やがて意味不明となってただのオレンジを持つようになったとのこと。現在ではレモンが多いようです。
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さて今年の四旬節 Lent は3月2日から4月12日まで。この期間中は肉料理を控えるのがしきたり。コーンウォール名物のスターゲイジーパイは、その起源がいろいろ言われておりますが、実のところ四旬節中に「これは魚料理ですよ」と強調するための仕様だったのでは、と当館などは推測しておりますーー
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ーーコーンウォール地方は悪食で知られていて、およそ食えそうなものはすべてパイにして食うという評判があります。かつて同地を訪れた悪魔がスターゲイジーパイを見て、油断すると自分もパイにされると恐怖して逃走したとの伝説も。なんかすごいのです。