西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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暦。12月6日は聖ニコラス祝祭日。ドイツ方面ではサンタの原型といわれる聖人が良い子にお菓子を配る一方、同行する悪鬼クランプスが悪い子をかごに入れて連れていく日であります。泣き叫ぼうとお構いなし。「なまはげ」は普遍なのであります。
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暦。聖ニコラス祝祭日。ドイツのなまはげとは対照的に、英国各地の教会では美少年に司教の衣装を着せて稚児行列する習わしがありました。boy bishop と称されるこの行事は無礼講の一種だったようで、教区にたまる不満のガス抜きの役割も兼ねていたようです。現在でもたまに再現されています。
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雑。貧富の差が拡大する一方のヴィクトリア朝にあって、貧しい側の子供たちが「ごっこ」で対抗するという構図。お金持ちのクリスマスツリーを手持ちのがらくたで再現する様子はなにやら呪術性を帯びておるのです。貧しさゆえの創意工夫と、そこから生まれる小さな幸せは重要なテーマでありましょう。
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雑。ホレおばさんの系列に「マダム・ベルタ」あるいは類似の名称を持つ存在がいて、洗礼を受けずに亡くなった子供の魂を集めているという伝承。このマダムの正体が「総督ピラトの妻」という説があり、興味を覚える次第。物語ではほっこり系のハートウォーマーになっています。
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雑。そういえばと『冬物語』をチェックしていてあらためてパーディタの魅力を再確認。「花尽くし」の場面でさまざまな花に祝福属性が付与されていくのであります。シェイクスピアの場面場面から術式を構成していくのは優雅でよいのです。親指がひりひりする。なにかが道をやってくるのであります。
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雑。以前紹介した19世紀の女子向け体操「ワンド・エクササイズ」。解説記事をいろいろ参照してみると、部分的にクォータースタッフ等の動きが取り入れられているような印象を受けます。ともあれ天地に構えたときが一番かっこよいような。魔法学校の体育にぜひ取り入れるべきと具申する次第であります。
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暦。12月10日はライダー版タロットの発売記念日。1909年のこの日、ロンドンで発売されたこのデッキがやがて世界中に広まることになろうとは誰も予想できなかったのであります。写真は当館RWSコレクションからユニヴァーシティーブックス版(1959年頃)。愚者の右袖の色抜け、剣2の白い岩などが特徴。
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12月10日はライダー版タロット記念日、ということで当館のコレクションから紹介。1915年に登場した通称「パメラD」。一次大戦に起因する物資と人材不足のため品質がいまひとつだったのですが、当館のDは出来がよい。オリジナルの抑え目な彩度は現物を当たらないとわからないのであります。
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雑。祭具としてのクリスマスツリーを調べておるわけですが、やはり「ツリー」として家庭内に持ち込まれるのは1840年頃からで、それ以前は「バウ」が一般的だった印象です。ならばとて当世にふさわしいお洒落なバウを考えてみたく思います。
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雑。というわけでクリスマスバウを考えてみました。  季節柄、庭先に花咲くローズマリーがありますので一枝切ってクリップで挟んで立てるのです。それに若干の飾りをぶら下げただけ。24日にこれを部屋に飾り、25日に料理で使えば無駄がなくてよろしいかと。ささやかな祝祭は心によいのであります。
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雑。サンタクロースの別形あるいは前身とされる「クリス・クリングル」。サンタの双子の弟との説もあり(モントゴメリー)、興味深い存在。どちらかというとクランパスに近いのかも知れません。つかまえた悪い子を木に吊るして飾っているとおぼしき絵もあるわけで、結構なブギーマンであります。
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季節。クリスマスの飾りつけが始まりました。  左から東方の三博士、牛、聖家族、羊と羊飼い。素朴な木彫り人形がいい味を出しております。  人形を並べていると干渉してくるのはニャンコの仕様であります。
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なおワンコはクリスマス方面にはあまり関心がないとのこと。このあたり、対比的であります。
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雑。一本の樹に生るリンゴのうち、一番早く熟した実は妖精女王への献上品として夜明け前に消えてしまうというお話。さらに数個、妖精侍女たちが役得で持っていくそうで、残りが人間用に回されるのであります。フェアリーロジスティクスにも中抜きがあるという世知辛いお話。絵はフロレンス・チョート。
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ご恵投いただきました鏡リュウジ著『ケルト十字法大辞典』朝日新聞出版。早速に目を通しておりますが、なるほどこういう趣旨の書物かと感服した次第。定石があってこその外し。まずはここで正攻法を覚えるのが筋なのでありましょう。ところでだれが最初に「ケルト十字」と言い出したのかーー
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雑。子供脅しのブギーマン系列。同種の存在で名前だけは有名なのに姿形がいまひとつ不明なものとして「ローヘッド・アンド・ブラディーボーンズ」がいます。二体なのか一体なのかも不明。階段下の物置や地下室に潜んでいて、夜更かしする子供を襲うのです。クリスマス前後に出没するのであります。
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雑。ヤドリギの下にいる人にキスをする習わし。キスされた人にはヤドリギに生る白い実を摘んで縁起物としてプレゼントするのです。実がなくなったヤドリギはエナジー枯渇という次第。図ではかなりボロボロになったヤドリギの下にエンシャントメイドが出現しております。紳士も思案顔。
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暖炉上の聖誕飾り。英語では crib と総称されるもので、なんらかの洞窟状のもののなかに聖誕シーンを再現します。これは玉髄系の断面を利用したお宝系。部屋を暗くするとランプの灯りで背景の結晶がきらめくのです。魔法の道具にも応用できそうです。
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雑。チェンバースの暦本によれば、メソポタミアの某市では聖トマスの遺骸が奇妙な聖遺物と化しているとのこと。石棺から突出した聖人の腕があり、それに疑義のある文書等を握らせます。文書に問題があれば放り投げるそうで、いわゆる「聖トマスの審判」なり、と。レッドスネークカモンでしょうか。
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季節。この時期、英国の寄宿学校もクリスマス休暇に入りますので、子供たちが実家に帰省することになりますが、その際に学校から最寄りの駅までファンシーな仮装をするならわしがあったとのこと。思いっきり盛り上げるわけです。カットは『スクルージ』の一場面から。
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わけありで実家に帰れない子供は無人の寄宿学校に一人残され、荒涼にして暗鬱たる英国の冬を楽しまざるを得ない。やがて寄り添う幽霊も現れようというものであります。
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歯に関する伝承 ・抜けた乳歯を枕の下に入れて眠ると翌朝に銀貨にかわっている ・赤子の歯の数を数えると不吉 赤子に関してはなんであれ「数えてはいけない」というのが多いです。  歯を銀貨に交換してくれるのは「トゥースフェアリー」さん。どういう理由か最近はきわめて狂暴な外見で描かれます。
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雑。例のベルギーのお家にある海賊船は100年以上前に肖像画の少年にクリスマスプレゼントとして贈られたものらしく、GHOSTなる文字から察するに英国海賊か。敵役をふられていたのか主人公だったのか、もはや判明しない付喪神であります。海賊旗が取り外しできる点も妙にリアルで素敵です。
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季節。アメリカ先住民の暦に登場する「コールドムーン」のムーンはマンスの意であり、期間を表すとの記述あり。すなわち満月がコールドムーンなのではなく、今でいう「一月」という期間を指すとのこと。点検中のアルマナック(1801)から。暦はややこしいのであります。
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暖炉に関する伝承 ・会いたい人の名前を薪に刻んで燃やすと会える ・クリスマスシーズン中は暖炉の灰を手にしてはならない ・暖炉内に蹄鉄を飾ると鷹除けになる ・火かき棒と火ばさみを暖炉の同じ側にぶらさげると友人を失う  お屋敷の暖炉まわりは不思議がいっぱいとのこと。楽しそうです。