西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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雑。たまに妖精さんのパーティーに中高年男性が紛れ込んで輪舞に参加する話もありますが、えてして「まだいるの?」「図々しいの?」「歓迎されてるとでも思ってたの?」と罵られ、全身あざだらけになるまでつねられたあと意識不明のまま野山に放置されたりします。物悲しいのであります。
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雑。20世紀初頭の魔女術紹介本にて発見。「日本の魔女オニババ」。国芳の煽情的な絵も加わり、もうなにがなにやら。鬼婆はゴブリンとして紹介されることもあります。妖怪変化の類の翻訳は難しいという一例。
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雑。妖怪変化の類の翻訳が難しい件で思い出しました。タヌキがいない英国で「かちかち山」のお話が紹介されたとき、文字情報だけで描かれたタヌキの絵がすごかったのであります。1904年のラング童話集から。
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こちらは1908年のグリフィスの日本童話集『ほたるの恋人』に見る「ぶんぶく茶釜」。文中からタヌキではなくてアナグマにされていて、絵もこの通り。英語タイトルは The Wonderful Tea Kettle 。
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ナーサリーマジック。ララバイやクレイドルソングの類が悪しきを祓うもの、上位者に守護を願うものが多いなか、威嚇系とおぼしきものも散見されるのであります。「早く寝ないとブギーマンに引き渡す」。あるいは謎の存在を呼び込む歌など、よく考えると怖い系もあって、面白うございます。
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雑。タヌキ。ハーンやセオドラ・オザキ・エイといった有力な日本民話童話紹介者はタヌキを goblin badger と表記していて、他の人々もほぼ badger アナグマを訳語として採用していた模様。自国にいない動物を説明するのは面倒な作業であります。絵はラング童話集の吊るされたタヌキ図。
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雑。悪い子が超自然的ペナルティーを受けるという発想は普遍であります。髪をブラシで整えないと獣化が進行して犬になるという教訓画。食べすぎると豚になる、わがままがすぎるとネコになるのであります。1877年のセントニコラス誌から。
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雑。わかりにくい寓意画も面白いものです。ちゃらちゃら飛び回る蝶々はワルガキのターゲットにされる一方、地道にはい回る虫たちのほうが安全ということらしいです。もっとも少年を主体に考察すれば、派手なお姉さんに騙されるなという教訓になりましょうか。ギルモア読本から。
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子供と蝶の組合せはだいたい不吉なのであります。断崖絶壁に舞うバタフライはほとんど死神。守護天使の介入が間に合うかどうか、サスペンス満点。断崖のきれいなお花もほぼ同じ趣旨です。結構エンタメよりの寓意画である、と自分などは考えております。
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雑。ボレニウス少年少女第三読本 (1923) に収録されたファーウェル・ブラウン作「日本のお店」という短編が意外なほど良いのです。箱庭に魂が入り込む没入系のお話で、リフレッシュとしての現実逃避を否定しないのであります。謎の日本人もいい感じに謎めいてます。
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雑。メモがわり。 wreath 花輪 植物で作る輪。儀式的。 garland 花冠 花や植物で作る紐状装飾。 festoon 花紐 紐状。主に壁飾りに使用。 nosegay 花束 歓迎用の小さな花束。 呪術ではリースが主流のようです。ガーランドは冠だけでなく紐状のまま肩にかけたりします。
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雑。リースを編んで枝にかける術式。意図するところは招待であったり警告であったりするのですが、それがわからない発見者は歓迎されていないわけで、慎重に退去するのが賢明なのであります。作成者は森遊びに興じる子供なのでしょうが、その子の背後に別の力が働いている場合もありましょう。
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雑。そろそろ「雲見」によい季節であります。変化する自然現象を「神々からの呼びかけ」と見なすメンタリティー、それが重要な時期もございます。そしてすべての人為は「神々への呼びかけ」になるわけで、返事のあるなしはまた別の問題ということで。
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鏡に関する伝承 ・赤子は一歳になるまで鏡を見てはならない ・鏡を割ると不運が七年続く ・花嫁の控室にある鏡を未婚女性が覗くと不幸が続発する ・花嫁の控室に鏡を設置してはならない ・家のなかで亡くなる人の魂は鏡に宿る ・酒を飲みながら鏡を見ると一生結婚できない いろいろあります。
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死後、soul は ghost となって天国なり煉獄なりに向かうわけですが、生前に肉体を動かしていた spirit は分解して elements に吸収されるという発想があるわけです。鏡は死者の spirit をつかまえてしまうため、死人が出た家では直ちに鏡を布で覆うのが鉄則とのこと。
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銃に関する伝承 ・銃を撃つ夢は不吉 ・凍った樹木に発砲すると弾が跳ね返って射手を殺す ・銃を落とすと5日後に不幸が起きる ・コンドルを撃ち落とした銃はいずれ暴発してだめになる ・魔女が撫でた銃は百発零中になる いずれも米国から。美女と銃の組合せ広告も同国発祥のようです。
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雑。バードボルト bird-bolt といいまして、鏃を外して先端をフラットにした矢があります。打撃で鳥を昏倒させることを目的にしておるのです。たまにキューピッドがこの矢を放っていて、当たった相手は恋に落ちずただ痛いだけ、怒るだけ。下手な恋文やプロポーズの比喩になったりします。
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雑。魔法武器を調べていて遭遇。英国のハルバードは君主が変わるたびにデザインも変更されてきたとのこと。時代考証の醍醐味というところでしょうか。魔法の儀式に使うにはちょっとかさばりすぎるのが残念なところ。図はプランシュの衣装事典から。
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旧約聖書に登場する「マナ」は菌類だった可能性もある、と思いいたるわけであります。 twitter.com/hinata1078/sta…
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雑。マナに関して。魔術的宇宙観では、マナは土星のインフルエンスが大気を通過して凝固したものとされておるのです。ちなみに金星のインフルエンスが大気を通過すると蜜になり花にたまるのであります。図はニュルンベルク年代記から「マナの収穫」。
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暦。9月2日は1666年のロンドン大火の日。その前々年に巨大な彗星が夜空に出現しておりまして、翌年のロンドン大疫病、翌々年の大火を予兆していた、と後出しジャンケンも猛威を振るいました。コスモスを乱すコメットや流星雨を凶兆と見なす心理は普遍なり、と。絵はずいぶんと後代のトゥルーベロから。
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昨夜は雷雨が凄かったので関連伝承を。 ・結婚式中の雷雨は不吉 ・雷雨中に楽器を演奏するのは危険 ・猫は稲妻を呼ぶ ・落雷に遭った樹木を焚き木にしてはいけない ・羽根布団で寝ているときは落雷に遭わない ・落雷に遭った教会尖塔十字架はとんでもないラッキーアイテム
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9月3日は #怪魚の日 。1632年のこの日、ロンドンにて怪魚を集めた見世物小屋が開店、大いに注目されたとのこと。人の獣化はよく聞きますが、魚化は報告例が少ないようです。堕落した海辺の教会が天罰で水没し、破戒神父や修道士が怪魚と化すお話はそこそこ伝わっています。おぞましや、と。
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#怪魚の日 西洋のアマビエさまも再掲しておきましょう。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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#怪魚の日 聖書で怪魚といえばヨナを呑み込んだ巨大魚が代表でしょうが、クジラ説も有力。  そういえば「そいつが乗り込むと船が沈む」と噂される不運な船員(しかも本人は助かる)を「ヨナ」と称して忌避する話が『スーパーナチュラル・ウォー』にありました。こういうのは理屈じゃないらしいです。