西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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雑。暦本に中世の写本職人の作業机の様子が紹介されておりました。複数のインク容器、二段式インク壺、ペンナイフ、砂時計、拡大鏡、鋏、インクパッド、羊皮紙の切れ端。角度をつけた作業台。集中時間を決めておくための砂時計が興味深い存在。もちろん納期が迫れば修羅場と化すのであります。
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雑。例のスタンプーのお家の先住ネコ。あるじが犬ばかり撮影しているので対抗意識を燃やしたのか、最近やたらとフォトジェニックを心掛けておるとのこと。ヒーラーとしての犬猫に注目するのも魔法のうちでございましょう。
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さて八月近し。「八月は乙女の手を引いてやってくる」とスペンサーが歌っております。妙齢のお嬢様方をエスコートしたがる暑苦しい中高年の図であります。なお乙女は地上に不正義がはびこるさまに絶望して星空に去った女神さま。手にする刃物で魂の収穫を開始します。
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ニワトコ elder に関する伝承 ・あらゆる樹木のなかで一番縁起が悪い ・切り倒すと三百年祟る ・夕暮れにニワトコの下にいると眠気に襲われる ・ニワトコの木陰は魔物たちの休憩所 ・ニワトコの樹霊は悲しい者たちの味方 十字架の木材あるいはユダが首を吊った樹とされていて不吉伝承多し。絵はWGR。
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雑。パーラーマジック「魔女のダンス」。型紙の魔女を吊るして複数の光源を動かし、スクリーン上に複数の魔女シルエットを投射する。それ風のBGMをつけると効果倍増とのこと。影絵遊びのヴァリエーションですが、オカルト的にも興味深い分野であります。ハロウィン向き。1905年の指南書から。
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雑。「〇曜日は〇〇の日」の19世紀版。 日曜はだじゃれの日 月曜は借金の日 火曜は知らせの日 水曜は友人の日 木曜は呪われた日 金曜は乾いた日 土曜は後日の日 「今日はチューズデイだから知らせがくるぞ、ニューズデイだけに」といった人の気力を奪う語呂合わせ系だったようです。
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先程のRTに登場するダートムア。英国でももっとも魑魅魍魎が跋扈する場所でありましょう。荒涼とした人の心の反映として物語の舞台に選定されること多し。ハスルハストの絵も不気味素敵であります。
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雑。八月四日は「橋の日」とのこと。  以前も紹介したお話ですがーー古来より架橋は悪魔の仕事とされていて、工事の代価は「最初に橋を渡る者の魂」が相場であります。そこで賢い聖人が餌を使って猫を先に渡らせたりします。悪魔はそれを連れ帰って、意外とちゃんとかわいがるそうです。
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雑。そういえば「肝試し」を英語でなんと表記するのか。かつてあほなAIが「肝臓の検査」と訳したのはともかく、現在では test of courage あたりがよく挙がります。ghost game という訳もよろしいかと。ロウソク一本で屋根裏にあがって古い聖書を取ってくるというのが英国風肝試しの基本形であります。
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猫魔術。「猫のコンサート」なる言い回しは「不可思議な騒音」をあらわす慣用句として用いられたようですが、「音曲でネズミを踊らせおびき出す術」という解釈もあります。楽譜が読めるネコたちが集まって相談中。ワルツにするかポルカにするか。
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雑。オルゴールのおまじない。  深夜、誰もいない客間でオルゴールを鳴らす。曲がきれいに鳴りやんだら願いがかなう。だれかに見られたら無効とのこと。  曲が途中で止まったらあかんわけです。止まりかけのオルゴールの寂寥感はなかなかのもの。たとえタヌキ囃子を流しても雰囲気は出ます。多分。
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#世界猫の日 この文字列をぼんやり眺めていると、世界樹ユグドラシルのように世界猫〇〇が存在しているような気がしてきました。宇宙規模で昼寝しているふとりたおした猫とか、楽しそうであります。
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#世界猫の日 そういえばこの猫も「世界猫」の候補にしてよいような。というわけで再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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雑。むかしむかし、「武器軟膏」の一種にそれを刀身に塗ると切れ味が激減するという効能のものがあり、実演付きで販売されていた模様。まえもって肌に塗っておくと負傷防止にもなるとのこと。もちろんインチキですが、奇跡の霊薬を求める心理は普遍なのであります。
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雑。ラッキーアイテム「蹄鉄」。現行形式のものを英国に伝えたのはノルマン人だったそうで、妖精や魔女が蹄鉄を嫌う一因かもしれません。図版は19世紀末に考案されたネバースリップ社のスタッド蹄鉄。冬になるとスタッドを装着して滑り止めにする方式。
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ナーサリーマジック。獣化と変容。ウサギの毛皮で赤子のおくるみを作る話がマザーグースにありますが、絵にすると結構こわいのです。無数のウサギの霊に囲まれる図などなかなかのホラー。「ごっこ」の深淵は底なしであります。
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雑。デイヴィスの『日本の神話と伝説』(1912)は言葉使いが面白くてよく参照します。河童がリバー・ゴブリン。なるほど、と。それにイヴリン・ポールのいい感じに変容している挿絵が加わり、絶妙であります。絵はホーイチ・ジ・イヤレス、さらにモモタローとキジの図。
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#13日の金曜日 ということでざっと調べてみたところ、もともと英米で不吉とされていた13に金曜日が結びついたのは1923年以降のアメリカからという印象。一次大戦以前ではただの日付で処理されていて、アンラッキー云々の言及は見当たらず。新聞は日付がはっきりしていてこういうときは便利です。
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猫魔術。「長靴猫」のお話はヴァージョンによっては猫が長靴をはく理由が説明されていません。あれは「藪漕ぎができるように」すなわち行動範囲を広げることが目的なのであります。「死んだふり」の狩りが得意であったネコに新たな機能を与えるブーツもまたマジックアイテムでありましょう。
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「長靴猫」はさまざまな画家に愛されてきた物語。死んだふり図はヒース・ロビンソン。「カラバス侯爵溺死寸前図」は1860年『お気に入り童話集』から。ずいぶんと気合の入った溺れかたであります。
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雑。「わが寝台はボート」の一節とともに平寝台が夢の海に漕ぎ出すのですが、四柱寝台は豪華な帆船となって外洋を航行していくようです。家具が有するエブリデイマジックの機能は、テーブルといい椅子といい、実に興味深いのであります。
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雑。子供の遊びには漠然とした不安を感じさせるものが時々ありまして。1903年のスプレイグ読本で紹介された教室ゲーム「日光と影」。クラスの児童を「日光」と「影」に二分し、日光が暴れて影を教室から追い出すというのです。やってて楽しいんだろうか、と。陽気なBGMつきで行うようです。
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季節。枯れた夏の花を集めて燃やすと、煙のなかに妖精さんが見えるというセンチメント。  夏の送り火は秋の迎え火というわけです。昨今は消防法その他の関連で庭先の焚火も難しゅうございますが。絵はライト・エンライト。
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雑。「妖精金」fairy gold は唾液をつけると消えるという伝承がありまして。ロンドンなどでは商人がその日最初に貰う貨幣(handsel) に唾をつける習慣があったとのこと。オリンピックの優勝者たちがメダルをかじっているのもこれが遠因かもしれません。唾液あるいはキスの解呪伝承は古いのであります。
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敵が魔法を使ってるかもしれないと感じたら、刀身を舐めたり、手のひらに唾を飛ばしてから拳を握りしめるわけです。日本では「眉につばする」のであります。唾液の退魔効果に関してはプリニウスの頃から伝わっているとか。