西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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そして子猫は衣装箪笥のなかのスリッパーを「我が馬草桶」と呼称し、なかに収まって安らぎます。「呼ばれても返事をするものか。見つけられるものなら見つけてみよ」。面白や、と。
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雑。アンダーソンの一幕劇「森の魔女」(1914)。無暗に自然を傷つける少年が魔女の呪いで飛べない鳥に変えられて、巨大なカラスや蜂に追いまわされます。姉妹からもほぼ見捨てられ、劇中で人間に戻ることなし。魔女が懲罰者として正義を実現する珍しい例でしょうか。絵はクレイヴン。
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雑。魔法の指輪の製造法にも一応の決まりがあったらしいです。まず装着する宝石の効能をメインとするか、金銀のカマボコリングに刻む文言を重視するか、両方か。刻印する文言の選び方はおおむね聖人伝基準のようです。爆発耐性の指輪なら聖バルバラ伝から引用して内側に入れるわけです。面白や、と。
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猫魔術。マザーグース世界のネコが奏でる楽器はヴァイオリンかバグパイプ。とりわけこの「フィドル・カム・フィー」しか歌えないというバグパイプ猫は謎めいてよろしゅうございます。「ネズミとバンブルビーが結婚するとき」という一節は時期的条件を表しているのか、素材なのか。絵はベネット。
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猫。猫はその家で一番上等の椅子を占有する決まりですが、その「上等」は人間の基準ではわからないのであります。椅子にちょこんと座る猫はなんらかの会話を求めているとのこと。なお猫のお気に入りの椅子は幸運のマジカルアイテムと化す可能性が高いそうです。
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そういえば今年もカーナビが「今日はオカルトの日です」と通知してきました。他に候補もあるでしょうに、変なアルゴリズムであります。オカルトという言葉から得られる印象はひとそれぞれ。自分は基本的に「西洋系のあやしげな魔法」と思っております。 #オカルト記念日
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雑。教会の木製ベンチ pew 。地方の古い教会だと最前列右は〇〇家、ニ列目はXX家の座席とだいたい決まっているとのこと。ゆえにわざとロウソクを垂らすとか花束が置いてあるといった呪詛まがいの嫌がらせも発生。いろいろと鞘当ての舞台となった模様。こうなるとニチアサの礼拝も戦場であります。
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猫。聖霊降臨祭になると火事を起こす製粉所。そこで青年が前夜に不寝番を申し出ますが、一工夫。床に座ってチョークで周りに円を描き、その外側に主の祈りの文言を記します。夜が更けると無数の猫が出現し、円の周りで狂騒乱舞するのですが円内には入れないのです。『フィヨルド童話集』から。
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猫魔術。「猫の集会」の目的を推測するうちにたどりつくひとつの結論がこれ、「猫の裁縫サークル」。そこそこ見かける反復モチーフといえましょう。なお裁縫を通じて魔力を発動する伝承は多いのであります。服に護符を縫いこんだり、みえないところに紋章を刺繍したり。図は1900年頃の絵葉書から。
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雑。低年齢魔女の資料。イーグル・ブランドのコンデンストミルクの宣伝(1910年前後)。魔法のように美味なミルクで子猫たちもメロメロといったところでしょう。以前に紹介した19世紀末のセントニコラス誌の少女魔女といい、この領域はアメリカが先行していた印象であります。
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雑。カウルバッハの「守護天使」図(左)はもともとアンデルセンの慰霊童話「天使」の挿絵だったものが独立作品としてプリントされ、ベストセラーになったのだそうです。色違いのプリントも多く、これだけを集めていても退屈しなさそうであります。守護天使のイメージを決定づけた一枚とのこと。
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雑。夢占いの古い本によりますと、時計を持った女性が近づいてくる夢は不吉なのだそうです。とりわけ砂時計はやばいのであります。手にする切り花もあとは枯れるだけという意味とのこと。図はベーハムの有名な一枚「道化の仮装をする死神の乙女」(1550?)。
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雑。近代郵便制度の確立以前、封書は一通1シリングという高額でしかも受取人支払いが可能だったため、庶民はいろいろと工夫。出稼ぎに出た兄が故郷に残る妹に受取人払いの封書を送りますが、妹は封書を手にしただけで受け取りを拒否。実は封書の宛名部分などに秘密の記号が記されていてーー
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―重要なことはそれですべて伝わるようにしていたのです。  この話は近代郵便制度の父ローランド・ヒルが記した小冊子で紹介されたそうですが、チェンバーズによれば実際に現場を目撃したのは詩人コールリッジとのこと。 詩人は妹のかわりにお金を払ってやり、あとから事情を知って大笑い。
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雑。蝶の擬人化なのか仮装なのか、それはともかくタテハチョウ系が組み込まれた珍しい例を発見。とりわけボネットに応用したのは初めて見ました。シンボリズムはこれから考えます。19世紀末のグリーティングカードとおぼしきものから。
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雑。慶事には猫が楽隊を組んで到来するとの伝承。その際になぜかチターが登場するのであります。爪の様子が弦をはじくのに適していると思われたのか。グリーティグカードでは定番のモチーフなのですが、文献的バックアップが今一つ。
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暦。7月22日はハメルンの笛吹きの日です(諸説あり)。子供たちをチャームするにあたり、メインとなるのは音色か旋律かそれともリズムか。このときの様子を絵にする人は多いのですが、曲にするのは難しそうです。絵はグリーナウェイ。
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暦。7月22日はマグダラの聖マリアの祝祭日でありました。いつも述べておりますが、マグダラの絵はクリヴェッリの作が最高だと思っております。この反省の色のかけらもない美貌と豪奢な衣装の素晴らしさよ。
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暦。7月23日は ブルマ記念日 。1851年のこの日、マサチューセッツで催された舞踏会でアメリア・ブルーマーが新しいドレススタイルを披露。スカート丈を短くして下にトラウザーを履くことで裾汚れを気にせず行動できるこの服装は発案者の名を取ってブルーマーと称されることになりましたがーー
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暦。7月24日は「アポロニウスの日」。1854年のこの日、エリファス・レヴィがテュアナのアポロニウスの霊を呼び出したとのこと。この術がエヴォケーションなのかネクロマンシーなのかは見解が分かれております。密室での香の焚きすぎには注意。図はレヴィ式魔法のランプの想像図。
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7月26日は #幽霊の日 とのこと。 経過。棺覆いの布をかぶってうろちょろするのはお通夜から数日間。埋葬されてからはワインディングシーツを巻いた姿となりますが、土で汚れているのは直埋めされた庶民。地下納骨所に安置される富裕層は比較的クリーン。鎖を引きずっているのは煉獄から仮出所中。
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今でこそ世界に冠たる幽霊好きの英国でありますが、19世紀中頃までは普通に怖がっていたようです。幽霊屋敷の家主が苦肉の策で「七年契約で最初の一年は100ポンド支給、二年目は無料、三年目から家賃を請求」といった条件を出した例も(ただし途中で逃げたら罰金1000ポンド)も。
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#幽霊の日 ディケンズの『クリスマスキャロル』で使われた「幽霊」を表す言葉はー apparition 出現、見えるだけ spectre 死んだ人間の姿が出現 phantom スペクターやアパリションと同義 ghost 死後に出現する魂。 spirit 息、霊。 soul が肉体を離れると ghost になるようです。絵はラッカム。
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暦。毎月の27日は #仏壇の日 なんだそうです。 西洋方面で仏壇相当の物品を探しますと、family altar と呼ばれる家庭内祭壇でしょうか。三連の聖画を折り畳み収容するトリプティクなどを置いて日々の祈りを捧げます。富裕層の家庭祭壇は豪華な細工を施され、やがて悪趣味と化していくのであります。
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雑。リンカンシャーのとあるお屋敷に出ると噂の幽霊「グリーンレディー」。ずいぶんと昔の当主がスペインの美女から思いを寄せられるもすでに妻帯の身とこれを拒絶。すると奥様にとさまざまなプレゼントを渡され、そのなかに緑のドレスを着た美女の細密画があったとのことーー