651
652
653
ウェストミンスターの宿屋には、青いタフタ織のドレスの裾をつまんで階段を上ってくる金髪縦ロール美少女の幽霊が出るとオカルトレヴュー誌の報告。階段を下りる人をすり抜けると、振り返って軽くお辞儀をするそうで、育ちがよいとの評判。英国の幽霊は一味違うのであります。
654
655
656
#宝石言葉 がトレンドにあるので。
とりあえず調べますと1846年のオズグッド詩集にそれらしきものがありました。花言葉が流行るなか宝石がすねてるぞ、「宝石は決して枯れない花」だぞ、と。そしていろいろな宝石の特徴を宝石言葉として述べていくという趣向。興味深し。
657
ダイヤは鋭い天才の輝き、
サファイアは真理、ルビーは情熱
クリソライトは嫉妬、エメラルドは若さゆえの希望
バラ色のカーネリアンは慎み、トパーズは悦び
真珠の純潔、オパールの移り気
トルコ石の静謐、ベリルは光の美
闇に輝くカーバンクルは信仰
紫に輝くアメジストは高慢
ジェットは弔いの悲しみ
658
#宝石言葉 関連でゾディアックストーンも出しておきましょう。以前紹介したパヴィット『タリスマンの書』(1922)から。
もうすぐカニ乗りおやじの巨蟹宮が到来しますので、対応宝石であるムーンストーンやキャッツアイが力を帯びるのであります。誕生石とは少し発想が異なるところが面白いのです。
659
#宝石言葉
先程紹介した『タリスマンの書』の著者パヴィットは20世紀前半に活躍したロンドンのオカルト宝飾店の経営者でもありました。照応論に則った護符系宝飾や結社の徽章などを作製して評判を博しておったのです。図はオークション等に登場したパヴィット作の逸品たち。
660
#宝石言葉 もう少しこの話題を。
王侯貴族がぶっとい指にルビーやエメラルドの指輪をはめるのは、護符的意味合いが強いとのこと。毒物の具体的接触は金銀の変色で察知し、将来的な暗殺や凶事はルビーの輝き方で判断するという伝承があります。悪霊、生霊の類はサファイアで撃退とのこと。
661
662
663
664
665
先程カーナビが「今日は #恋人の日 」と口走りましたので、おなじみタロットの「恋人」を紹介するのであります。図は当館謹製「W. T. ホートンタロット」から。スコットランドで作製された限定50部の珍品のため、いまでは入手はほぼ不可能でありますーー
666
667
メモ代わり。「(悪党は)畳の上では死ねない」の照応英文として Lawyers and asses always die in their shoes を参照。「弁護士とロバはいつも靴をはいたまま死ぬ」。弁護士さんに不幸があったときにランカシャーで用いられる言い回しとのこと。面白や、と。
668
669
670
671
672
673
――子供たちの異界巡りのガイド役を任されること多し。煙突掃除人、街灯点灯人、猫肉屋、箒売りなどなど、ロンドンの路上職の風俗をまとめるカタログは事実上の魔物図鑑として機能するのであります。このあたり、ナーサリーマジックのグリモワール事情なり、と。
674
675