西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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雑。フランスやベルギーでは5月1日に家族・友人間でスズランを贈りあう習慣があるとのこと。当日に限って素人が自宅の庭や野山で採取したスズランを路上で販売することが許されるそうです。去年はコロナのため規制されたのですが、今年はOKらしいです。いろいろ面白い習慣があるものだ、と。
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#スズランの日 タロットでスズランといえばライダー版の魔術師の足元にあるわけですが、これがヴァージョンによってえらく差があるのです。モノクロ画はもっとも原画に近いとされる1909年のOR版。一方、1942年頃に製作されたパメラBは複写士がいまひとつ線の意味を理解していないのであります。
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同じくエドワーディアンの貴婦人の肖像。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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雑。エドワード朝の雑誌上では軍人さんもイケメンなら芸能人扱いです。写真は第十軽騎兵連隊所属のファーナム卿。将校=貴族という時代の名残りでしょう。オカルトとはあまり関係ない話題ですが、時代の気分ということで。
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暦。5月3日は聖ヘレナがエルサレム近郊で聖十字架を発見したとされる日。この十字架は聖遺物中の聖遺物となり、王侯貴族が大金を寄付して欠片を頂戴するのであります。にもかかわらずいっこうに減る様子もなく、むしろ増殖する気配もあるという奇跡の木材。神学的には説明がつくそうです。
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1999年頃の写真。飼い主の談話によると、見た目の迫力からは想像できないほど温和な性格だったそうです。巨大ワンコのかわいさは独特のものがあるのであります。
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雑。五月の今頃、英国各地の「聖なる井戸」ではウェル・ドレシングと称される飾付けが行われ、地域住民が水源の神様に感謝の意を表します。もちろん英国国教会ではそれを「異教あるいはカトリック」 Pagan or Popish の迷信として批判するのですが、禁止するまでには至らないとのことーー
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雑。「お人形は口をきかないけれど、ずっと仕返しのことを考えている」。ドールストーリーの多くが乱暴に扱われたことへの復讐です。同じ目に遭わせてやる、と夢のなかで襲ってきます。根源的な呪術性の行き着く先は何処なのか。ともあれ標本を採取してまわるのであります。絵はジョニー・グルエル。
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雑。子供の日にちなんで、というわけでもないのですが、児童書で時折見かけるモチーフ「巨大幼児」が気になったのであります。図ではとある島に冒険者が上陸し、靴のサイズが5フィートというジャイアントベイビーに遭遇しております。どのあたりの需要なのか。1880年のセントニコラス誌から。
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雑。「ヘンゼルとグレーテル」に登場する魔女。子供たちをおびき寄せる手段としてジンジャーブレッドのヒトガタを使うという解釈もあり、興味深いのであります。グリムが採集した魔女のなかでも一番の変わり種かもしれません。
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猫。エリザベス・ゴードンによれば、幼くして亡くなった子猫はネコヤナギになり、無事に育った兄弟姉妹たちが遊ぶさまを眺めてから消えるのだそうです。心配そうに眺めています。一生けんめいさがしています。絵はM.T.ロス。
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さて母の日。 しかしカーネーションの花言葉は19世紀後半の時点ではろくなものがないのです。 真紅=嗚呼、心が痛い  黄色=嫌悪 縞入り=拒絶 20世紀に入って母の日とコラボするようになるととってつけたように「感謝」「母への愛」となります。
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わたしが病気で寝ていると 妖精たちがやってきて 頭のまわりで踊ってあそぶ ほかの人には見えません ーーローズ・ファイルマン(1877-1957) 幽霊や妖精を体調不良がもたらす幻覚とする発想は、しかし特定の疾病の原因を特定の妖魔に求めるという旧来の思考と大差ないのかもしれません。
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今週は #愛鳥週間 とのこと うちの近所にフクロウが棲んでいるのですが、姿は見たことがないのです。深夜にホ、ホホゥと鳴いていて、ときおりウホホホホと短く発します。ブランドの英国故事本によりますと、フクロウは羽根の生えたネコの一種なんだそうです。わかるようなわからないような。
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#愛鳥週間 フクロウに関する伝承 ・フクロウが昼に鳴くと火事が起きる ・鳴き声は死の予兆 ・鳴き声の近くに魔女がいる ・姿を見るとラッキー 英語ではフクロウ、ミミズクの区別なく owl です。声が凶、姿は吉という伝承が多いようです。
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#愛鳥週間 ツバメに関する伝承 ・軒先に巣を造られると吉兆 ・巣を放棄された家はアンラッキー ・巣の中で見つかる石は貴重なお宝 ・低空飛行するときは雨が近い 小鳥に関しては基本的に無干渉が正しい接し方のようです。巣の中の石はヒナが巣立って親鳥もいなくなってから確認すべしーー
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雑。ローズ・ファイルマンの『妖精書物』(1923)によれば、妖精の大好物はペパーミントとのこと。いつも一箱持っていくとありますが、おそらくのど飴の類でしょう。あめちゃんあげるのは万国共通の意思疎通法なのでありましょう。
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暦。5月14日は種痘記念日。1796年のこの日、エドワード・ジェンナーが牛痘由来のワクチン接種を行ったのですが、これに対する抵抗も激しかった模様。とりわけ「牛と子供」の組合せは旧約聖書のモロクを思わせたためか、ずいぶんな風刺画も登場。ワクチン事業が悪魔の陰謀とされています。
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当時の英国議会がジェンナーのワクチン普及に三万ポンドの予算を計上したことにも反発する勢力がいて、医学界の保守派と組んで一大キャンペーンを繰り広げたようです。ワクチンとナポレオン・ボナパルトが世界を滅ぼすといった刺激的なキャッチフレーズも登場しています。
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雑。フクロウを森の夜警とする伝承。英語では鳴き声が Who, who, who are you? に聞こえるとのことで、闇のなかから何者かと誰何してくるわけです。それにきちんと答える答えないでストーリーが分岐するようです。いずれにせよ行きはよいよい帰りは怖いのであります。
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季節。五月後半から夏至にかけて、子供たちと妖精の接触が増えるようです。キノコの輪に知らずに踏み込んでいる場合もあれば、あやかしの笛に聞き入ってしまうことも。蹄鉄を片手に見守るナニイが必要なのかもしれません。絵はラフェトラ・ラッセル。
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珍品。ローラ・リチャーズ『わたしの子供部屋』(1890)から「サメ」。なぜかサメが屋上でブーツを磨きながら「これまで食べた人や舟の歌」を歌っております。片眼鏡の紳士風なのも謎です。オカルトとはあまり関係ないでしょうが報告として。
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雑。ケリーの『鉱物収集少年』(1898)によれば、オパールが「不吉の石」という風評被害を被ったのはスコットの小説『ガイアシュタインのアン』(1829)にその種の記述があったからだそうです。しかしヴィクトリア女王が好んでオパールを贈答に用いるようになってからは悪評も消えていったとのこと。
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さて梅雨入り。海外の友人にテルテルボーズを紹介したところ、幽霊の人形と思われたことがありました。図のようなパペットショウが念頭にあったのでしょう。もちろん晴れ乞い儀式の生贄が幽霊化した可能性は否定できないのであります。
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暦。5月19日は英国の聖ダンスタンの祝祭日。毎年書いておりますが、この器用な聖人は鍛冶仕事もレパートリーに入っていて、修行の邪魔をする悪魔のひづめに蹄鉄を打ちつけて降参させるエピソードが有名。以来、蹄鉄は悪魔除けとして重宝されたのであります。戸口に飾ると悪しき妖魔が退散するの図。