西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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なにやらトレンドにスペイン風邪が。 以前も触れましたが英語圏ではながらく災厄をスペインに押しつけてきた歴史がありますから、謎の疫病もかの国のせいにされたのでは。 Pain, pain, go to Spain いたいのいたいのスペインに飛んでけ 子供のおまじないレベルでこれですから。
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雑。イングランド北部ではエイプリル・フールを The Gowk Day 「カッコーの日」と称すとのこと。悪戯の内容は通常のそれと同じですが、いろいろとおまじないも行われる模様。鳴いているカッコーを見つけたら「あたしの結婚まであと何年?」と尋ねるのです。そこから鳴いた回数が年数になるわけです。
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さて本日は2021年の聖金曜日。 ・治癒系指輪のエナジー充填の日 ・クロスバンを食す日。間に合わない人は普通のロールパンなどに十字の傷を入れて食す ・ブライトン名物「集団縄跳び」の日  縄跳びに関しては、縄で首を吊ったユダを選ぶ儀式との説が。引っかかった人間に災厄を負わせるのです。
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聖土曜日の伝承 ・教会では巨大蝋燭をともして神のいない夜に備える ・聖土曜日に買ったアクセサリーを身につけるとカラスに襲われない ・野外でゆでたまごを食すとラッキー ・比較的早寝して日曜朝の日の出を拝むとラッキー 聖土曜日は百鬼夜行の日でもあるので妙な伝承が多いです。
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雑。イースター・ボネットをかぶってパレードする習俗の由来はいまひとつ不明。コーンウォールにそれらしき伝承あり。頭上に奇抜な農場を作り出すのが要訣のようです。そこらにある材料から一番面白いイースターボネットを作るコンテストもあった模様。呪術的な意図も感じられるのであります。
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本日、2021年のハッピー・イースターでございます。 当地は雨がふっておりまして、天使がおりてきそうなほど空がとっても低いのであります。雰囲気があってよろしゅうございます。この時期に出回るタマゴは宇宙の表象とされていますが、ほんとうのところはよくわからないのです。
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さてイースター。もちろん新調の帽子をかぶってお出かけするのが楽しいのであります。街中の紳士淑女がくりだすとイースター・パレードの自然発生。この時期の味覚としてレモンが描かれています。レモン系のスイーツとエッグチョコレートもよきかな、と。
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さらにイースター。この祝祭のシンボルのひとつがウサギさん。多産と繁栄の象徴としてタマゴとおなじ意味を有するとされていて、なぜか少女とともに描かれること多し。  イースターは移動祝日ゆえに日本ではいまひとつ商業利用が進んでいない感じです。広告代理店よ、奮起せよ(しなくてもいいか)。
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勢いでイースター。エッグ関連のデザインを集めてみるとかなり変なのも見つかります。そもそも普通のタマゴの大きさではないのです。ほんだららった、へんだららったと奇怪な呪文が頭をよぎるのであります。
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雑。パワーストーン関係でときどき話題になるのがカットの影響であります。19世紀半ば、当時世界最大と言われたインド産の巨大ダイヤ「コイヌール」が英国で再研磨された際、かつての魔力が失われたのではといった議論であります。図は再研磨の様子を描いた戯画。
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しゃっくりに関する伝承 ・領主さまのお顔を拝見するとしゃっくりがおさまる ・親指を下唇に、人差し指を顎にあてて「親指に移れ」と9回唱える ・人形にお菓子を与えるとおさまる ・最愛の人のことを一生懸命考えるとおさまる なにかに「うつす」という発想はユニヴァーサルであります。
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雑。低年齢魔女の登場は19世紀末あたりと以前書きましたがその補足資料。1893年のセントニコラス誌にあったライム「ハロウィンの乱痴気」から。リトルウィッチがウサギを招集してなにやら指示を与えています。魔女が恐怖の対象から徐々に外れていく様子が興味深いのであります。
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雑の雑。ついでに1893年のセントニコラス誌から。当時ニューヨークの動物園ではガラパゴスゾウガメとウサギを同じ場所で飼育していたそうで、かの寓話がそれなりに再現されていたとのこと。写実的な絵にしますと「なんかちがう」感が否めないのであります。これはこれでかわいいのですが。
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猫の雑。和名ガマ、水辺などに生えているモコモコの植物であります。英名を cattail 猫のしっぽといいますので、こういった絵がよく描かれるのであります。さらにtail は tale に通ずるため、複数のしっぽを持つ妖猫と見せかけてネコ話を連発するのもお約束。とりあえずの心得なり、と。
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暦。4月9日は第十一代ローヴァット卿サイモン・フレイザー(1667-1747) の命日。1745年のスコットランド一斉蜂起の首謀者のひとりとしてロンドン塔で処刑され、以来幽霊としてかの地を彷徨っているとの伝承。ロンドン塔勤務者の間でもっとも人気のない幽霊として有名です。絵は一応ビフォアアフター。
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雑。幽霊の行動が時間とともに変化する例。ダラムの領主館で殺害されて幽霊となったレディー・ジャラットは、最初は血染めの手形をあちこちの残す怨霊タイプでしたが、時代を経て領主館が救貧院に改装されると穏やかな性格となり、ついには病人を看病したり紅茶を淹れてやったりしていたとのこと。
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あ、記録によると紅茶ではなくコーヒーを淹れたとありました。お詫びして訂正いたします。レディー・ジャラットは出現に際して絹のドレスの衣擦れ音を伴うため、シルキーとの関連性も示唆されています。
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雑。コーンウォール地方ではアンモナイトの化石を「魔女のゆりかご」 witch's cradle と称して珍重するとのこと。大型のものは教会に安置され、夜中に揺れる音がすると噂されることも。描写を鑑みるに平置きではなく縦置きしているようですが、画像的支援に乏しいのが悔しいところであります。
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ウサギに関する伝承 ・リンゴをひとくちかじってそれを餌に枯れた滝つぼで釣りをするとウサギが釣れる ・月はじめに「ラビッツ」と唱えると幸運が一か月続く ・釣りに行く道でウサギが前を横切ったらその日は一尾も釣れない ・悪い子はブラックラビッツに襲われ箱詰めにされてどこかに連れていかれる
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ウサギにはもこもこしていて可愛いというセンチメントとは別に、暗い穴のなかで淫蕩に耽る悪徳の集大成との見解もあるようで、とりわけ黒ウサギは地獄からの使者なみにいろいろ言われております。絵はハーヴェイ読本から。
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雑。意外と耳にしないのが占い師の幽霊。ムアフィールズの居酒屋でポルターガイスト化したとされる占星術師の記録はありますが、いまひとつ確証に欠けるのであります。図はホルバインの「死の舞踏」に見る占星術師。天上の学問に気をとられて死神の接近に気づかないの図。
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雑。新たに見つかった天井ワニの図。スモレットの「ペリグリン・ピックルの冒険」からクルックシャンク画「魔術師」の図。コウモリ、骸骨、肩の黒猫と、これでもかと小道具のオンパレードであります。天井ワニはオカルト系室内装飾として最大級のものでしょう。最近あまり見ないのが寂しいです。
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雑。マウンテバンク mountebank といいまして、一段高いところから鳴り物入りで営業する偽医者というか医療芸人というか。瀕死の病人に「万能薬」を与えるといきなり復活、伸身の空中二回転を放ったりするエンタメです。もちろんサクラですが客も承知の上。19世紀中頃に廃れたとのことーー
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キャベツに関する伝承 ・新月の金曜日に植えるとよく育つ ・元日に食すと一年中お金に困らない ・月夜にキャベツ畑に出現するウサギは魔女 ・たまにキャベツから赤ん坊が生まれる フランスの女の子はお花から生まれ、英国の男の子はキャベツから生まれるとの伝承もあります。おそらく悪口です。
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暦。4月16日は蝋人形師マリー・タッソー (1761-1850) の命日です。蝋人形は意外なほど呪術性を感じさせないのであります。実在の人物、実際の歴史を再現するとき、想像力が変容して機能する余地がないからでしょうか。タッソー自身の人生はまさしく波乱万丈で非常に興味深いものがあります。