西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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雑。乳牛の乳の出が悪くなると「呪われた」とするのが英国の代表的伝承でありますが、もうひとつ「夜中にハリネズミが盗み飲みしている」という見解があります。動物学的には否定されても伝承として根強いとのこと。ヴァンピリズム的関心の対象となり得るでしょうか、意見が分かれそうです。
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雑。子供向け童話読本にはときどき怖い絵が紛れ込むから面白いのであります。図はボルドウィン読本(1905)にあったもの。原作はアンデルセンで、子供たちがクマを大型犬扱いして事なきを得るお話。「もふもふのワンちゃんだ!」。いや違うやろ、と。
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雑。ゴブリンとホブゴブリンの違いを調べるうちに、そもそもゴブリンの定義やいかにと古い辞書を当たりますと walking spirit とありまして。この walk は「お化けとして出現する」の意でありますからややこしい。spirit は基本的に揮発性で飛びますので、あえて walk するのは沈殿しておるのかーー
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暦。三月に関する伝承 ・子羊のように到来し、獅子のように去る ・3月27日以外は結婚に大凶 ・三月の新月に大掃除をするとラッキー ・三月に散髪すると年中頭痛がする ・三月にマリゴールドの花を見つめると酒好きになる 戦の神マルスの月なのでトラブルが多いのだそうです。
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暦。三月一日の聖デイヴィッド祝祭日近し。この日にウェールズの国草たるリーキ(ネギ)を食したり飾ったり振り回したりするのがかの国のしきたりであります。図は1863年のプリンス・オブ・ウェールズご成婚の際にプリンセス・アレクサンドラに贈られた徽章。思いっきりネギバッジ。
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ネギを尊ぶ由来は諸説ありまして、ドルイドの聖草説、戦争に際して敵味方識別に用いて勝利を呼んだ説といろいろ。ともあれ英国の薔薇、スコットランドのアザミ、アイルランドのシャムロック、そしてウェールズのネギは基本情報であります。
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聖デイヴィッド祝祭を前にして英国で深刻なネギ不足との報道。 Wales faces leek shortage ahead of St David’s Day independent.co.uk/news/uk/home-n…
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#ビスケットの日 だそうで。 伝承にある「魔法のビスケット」はたいてい「いくらかじってもなくならない」糧食系で味や風味に言及がありません。美味しさは魔法を使わずとも追求できるからか。図は1920年代のナショナル・ビスケット・カンパニーの広告。略してナビスコか、と自分も今気づきました。
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#StDavidsDay 3月1日はウェールズの守護聖人聖デイヴィッドの祝祭日。当館でもたびたび取り上げておりますが、冒険活劇「七聖伝」ではドジ役をふられていて、呪いの剣を手にして七年間昏倒したりします。ともあれファンは赤いケープをまとい黒い円筒帽子をかぶってネギをふりまわすのであります。
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雑。ウェールズは古来より魔法使いを輩出する土地とされていて、かのマーリンを筆頭にグレンダウワーと有名どころが勢揃い。それゆえか悪魔もうじゃうじゃいるとイングランド方面が主張しております。図はともに白髭賢者風のマーリン。
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暦。魔術的に考えますと、ひなまつりは人形を祭っているのではなく、人形を形代にして家霊の類を慰労しているのでしょう。一年間ありがとうございました、来年もよろしく、と。領主ともなれば地域精霊の宮廷をまるごと接待するため複数段飾りの豪華仕様になるわけです。オベロン様とタイタニア様万歳。
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祝。ロンドンのオカルト古書店「アトランティス・ブックショップ」創業99周年とのこと。おめでとうございます。古来より古書店は魔界の入口なり、と。1984年に撮影した同店の写真も添えて。 twitter.com/AtlantisShop/s…
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「今日は #ミニチュアの日 です」とカーナビが申しまして。当館では収集した豆本類を一か所に集めております。ただ並べても妙味がないので書斎を構築し、ドールを一体常駐させて本を読ませておるのです。小さな魔法書もないわけではありませんので、なかなか面白うございます。
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暦。「人形祭りの日」 #DollsFestival ということで、旧書斎で19世紀の豆本を点検するお人形の図。ミニチュアサイズの書物は人間以外の読者を想定していて、しかも人間も読めるという魔術アイテム。古いものをいろいろ集めてみたのですが、はたして?
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#DollsFestival 開国以降、ろくな輸出品がない明治日本にあって玩具類は主力商品。そのなかでも人形は利益率の高い優等生ですから、日本サイドも積極的に売り込んだ模様。おかげで当時の英米児童文学にも日本人形がよく登場します。図は輸入商社バンタインの1917年版カタログ。
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本日は #うさぎの日 でもあるとのこと。 スコットランドの魔女はノウサギに化けるとされておるのです。月光のなかでじっとたたずむノウサギがいて、つかまえようとする子供がいるわけですが、どちらがつかまるのかわかったものではありません。絵はデラメアのダンダンデリーの書からラスロップ作。
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季節。灰色の冬が終わり、森に潜んでいた「青」が空に戻ります。大地から「赤」が開花します、とグレアム・ロバートソンが「願いの井戸」(1907)で描いています。もちろん美少女でキャスティングせよとご覧のようなイラストまで付けて。児童劇に分類される作品ですが、実際は神秘儀式であります。
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リクエストにて再録。 バス停にて地べたに座り込んだ強面の男子高校生たちの会話が聞こえましてーー 「なんばん好いとうとや?」 「・・・三十番」 「三十番いいよなー」 「あれ、曲はメンデルスゾーン」 「すげー」 お気に入りの讃美歌を論じておったのです。見かけはあてにならないのであります。
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暦。3月5日は #珊瑚の日 。西洋では ・雷雨と雹を寄せつけない ・邪眼や魅了を防ぐ ・着用者が病気になると色が褪せる ・乳児によい歯が生える などなど伝承されております。日本では珊瑚は産後を護るお宝として代々母から娘へ引き継がれたとのこと。語呂合わせの影響力は計り知れないのであります。
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季節。暦本によりますと英国では三月六日をもって春の始まりと見なすとのこと。樹木の精霊たちが春休みに入り、草花の妖精たちが活気づくとされています。忘れ去られたお墓のそばに一輪のスミレを見るとき、人のみが友にあらずと思い知るのであります。絵はヒース『屋根の上の家』からドタラー。
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雑。ブリテン島では古来より井戸や泉はパワースポットと見なされ、専属の司祭によって守護されたとのこと。その力はときに悪用され、19世紀中頃まで呪いの泉とその魔女の話も伝わっております。その後は伝承ごと英国水道局に吸収された模様。図はシュライン化した聖なる井戸(ウェールズ)。
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雑。タイプライターの登場以前、達筆ゆえの悲喜劇が多数発生したとのこと。暦本によれば、とある人物が二頭の猿を海外に注文した際、綴り間違いで two を too とやってしまい、さらに文字が乱雑だったため too が 100 と誤読され、半年後に100匹の猿が到着したそうです。図は1822年の肉筆領収書。
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3月8日は #みつばちの日 とのこと。  以前も触れましたが、ヴィクトリア朝英国のいいとこのお嬢様がたの趣味として「養蜂」があったのであります。なんでもミツバチは「清潔で健康な身体と清純な魂の持ち主にのみ接近を許す」との伝承があったそうで、養蜂はいいアピールになっていたのでしょう。
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雑記。シートンによる妖精国への行き方。「夜、月光が海面に銀の道をつくるとき。周囲に邪悪なものがなく正しい風が吹くとき、秘密の呪文を唱えるとアザミの綿毛に乗ってかの国に至る」とのこと。その呪文を考えるのが楽しいのでありましょう。ところでアザミの綿毛はケサランパサランに似ています。
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雑。「イーブン・アッシュ」といいまして、トネリコの枝の先端の葉がない状態。もちろんわざとちぎってはいかんのです。イーブン・アッシュはきわめてラッキーなものとされていて、かつては四つ葉のクローバーと双璧をなしていたのですが、ここに至っていまひとつ聞かなくなったような。