西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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ミクルマス近し。天使の姿も聖書の記述をきちんと反映させるとかなりモンストラスなものとなりますので、一般向けに優美な天使たちが導入されたのでしょう。近代に入り、安価な多色刷り絵葉書の天使たちがイメージ形成に果たした役割は大変なものがあったはずです。
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雑。森に住む老婆を「魔女め、箒で飛んでみろ」とからかった少年二人。ほんとに魔女だったため地獄に連れていかれております。とりあえず馬ほどあるスズメバチに刺されて激痛に苦しみ、さらにいろいろと。ブギーマン系のお話は寸止めが多いなか、これは珍しいパターン。フィージ『現代童話』(1914)。
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雑。先の老婆の話。能力のある気難しいお年寄りをからかってはいかんのであります。旧約の預言者エリシャを「はげ、昇天しろ」とおちょくった少年たちはたちまち二頭のクマに襲われます。結果、死亡者42名という大惨事。教訓なり、と。
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ミクルマス近し。守護天使と人の関わりも興味深い分野です。ローマの聖フランチェスカは守護天使を視認して会話も交わせ、どちらが守護しているのかわからない状態。川辺の天使は花を摘もうとして転落の危機にある子供を救います。後者は近世ドイツで流行した構図なのだとか。美術史的に面白そうです。
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さてミクルマス。天使が登場するフェアリーテイルは多いのですが、アンデルセンからはこの一本。「赤い靴」のカレンは天使に拒絶され、剣を突きつけられるのであります。絵は1912年の『少女のための50の物語』から。ここまで挑発的に踊るカレンはなかなか珍しい。というか魅力的。
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さらにミクルマス。アンデルセンの天使といえば外せないのがそのものずばりのタイトルである「天使」。夭折した幼子が天使に迎えられ、昇天する前に生まれ育った街を一回りして好きな花を選び、それを持って行ってよいとする、慰霊童話の傑作。
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暦。10月1日はロザリオ週間の初日です。1571年10月、レパント海戦に先立ちキリスト教軍の勝利を祈願して行われた大々的ロザリオ祈祷を記念するものです。ロザリオにも種類があり、おなじみのネックレス状のもの、一本の紐とビーズからなるもの、指輪タイプとさまざまです。
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雑。曼殊沙華の英名はスパイダー・リリー。1891年のアメリカ園芸カタログ輸入球根特集ではトップを飾っておりますが、曼殊沙華が持つ不吉な影は伝わっていない感じです。彼岸花 the flower of the other side という表記も「こっちで咲いとるやないかい」と突っ込まれます。
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さて10月。スペンサーによればオクトーバーは恐ろしいサソリに乗り、ワインをかっくらう陽気なおっさんであります。秋の収穫を享受しつつ、来るべき冬のことははまだ考えません。楽しそうです。楽しいのです。
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10月2日は守護天使の日です。 「天使さま。昼も、夜も、ママが灯りを消したあともぼくをお守りください」  スコット・ゲティーの「子供の祈り」の一節です。これが基本というか、守護天使を「寝ている間の警戒システム」と考えれば納得のゆく部分も多いです。絵はグレアム・ロバートソン。
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雑。ご近所の車にスズメが巣を作った話が伝わってまいりました。古今東西、鳥が妙な場所に営巣するとき、それは吉兆と見なされます。英国海軍の軍艦にコマドリが営巣した話は以前紹介いたしました。新たな生命の誕生はなんだかんだ慶事なのであります。図は江戸時代の根付。
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暦。10月4日は10プラス4で「天使の日」なんだそうです。いわゆるデッドパニングなんですが、運よく西洋でもこの前後は天使関連の祝日多し。過去ツイからちょっと面白そうなところを。(dead punning 聞くと疲れるダジャレ等のこと) twitter.com/MuseeMagica/st…
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#天使の日 「好きで天使なったんちゃうぞ、おら」と言わんばかりの子供天使たち。イエス聖誕のとばっちりでヘロデ王に殺されて天使になったという経緯もあり、ふてくされ気味に描かれます。画家の腕の見せ所です。ほとんど校舎裏で煙草吸ってる雰囲気であります。
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ナーサリーマジック。リドルの定番「ナンシー・エティコート」も、人格を与えられると豹変します。ヒロインの役に立ちたいからと溶けながら道案内する姿がせつないのです。「気にしないで。わたしはいっぱいいるから」。ピーター・ニューウェルの『マザーグース物語』(1905 )から。
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雑。埋葬に際して心臓を別個に保管するという風習。エジプトのカノープスの壺が有名ですが、チェンバースによれば19世紀半ばの英国でも実例があったとのこと。もともとは十字軍の頃に始まった習慣で、現地で斃れた騎士の心臓を塩漬けにして祖国まで持ち帰ったのが最初とかーー
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ナーサリーマジック。今の季節、陽が沈んだなら「鳴く虫の声はなにに聞こえる?」は重要な感性魔法のひとつ。金管パート、木管パートを聞き分け、さらに不意のポーズで怪物の出現を察知したり。雲のかたちに世界の気分を見出すのと同様の観想であります。絵はセントニコラス誌から。
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雑。セントニコラス誌を点検中に発見。マーク・トウェインが飼っていた猫たち。他の記述によりますと、この猫たちはゾロアスターとかベルゼブブとか、それは素敵なお名前だったようです。お猫さまと暮らすと、インヴィテーションとインヴェイジョンの区別がつかなくなるのであります。正しい人生なり。
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ハロウィンの雑。"Trick or Treat" お菓子をくれないと悪戯すると悪霊どもが言うておるわけです。どんな悪戯をするのかというと、記録に残るところによれば「門扉を外して隠す」「ピンポンダッシュ」「ドアノブ外し」「小麦粉の手投げ弾」などなど。悪霊どもは秋の夜長に罪を重ねていくのであります。
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ハロウィン。以前も記しましたように、かの夜に悪霊どもが求めている菓子はそれを食すと煉獄から救われるという「ソウルケーキ」であります。製法はいろいろありますが、伝承によればリングドーナツが魂の救済目的で考案されたとのこと。円環が永遠を表しているのだそうです。
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原典はバーガーの『救世主のための料理』のようですが、あれは希書の類でなかなか見つかりません。これはリード・ニューランドの『子供の年間行事』から。
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ハロウィンの雑。1920年代のこの季節、名門女子大生によるゴーストマーチが流行ったようです。おそらくチャリティーの募金などを行ったのでしょう。窓辺のお化けランタンはワルガキ除けか。今年はいろいろあってサイレント・ハロウィンが主流になるのでしょう(なれよ)。温故知新なり、と。
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雑。ゴーストマーチでカボチャランタンを持ち歩く様子はなにかしら首を小脇に抱える聖人たちを連想させるのであります。折しも本日10月9日はその方面の代表である聖ドニの祝祭日。後光を頭に描くか首筋に描くかで画家を悩ませるんだとか。ややこしいです。
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雑。ハロウィンは占いの特異日ですから、パーティー主催者はエージェントから占い師を派遣してもらいます。1920年代のアメリカでは、魔女が開くゴーストパーティーにジプシーがやってきて手相を見るというなんとも濃い風景があちこちで見られたのであります。面白や。
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雑。ハロウィンで行われる占いは test と称されるものも多いのです。当館で何度も紹介した「栗占い」が代表的。気になる男性の名前を刻んだ栗を火の近くに置いて わたしが好きならはじけてとんで。 きらいだったらそのまま死んで。 と唱えます。あとはなりゆきを見守るのみ。秋の風物詩なり、と。
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雑。ハロウィン・パーティーは意外に水がつきもの。たらいにリンゴを浮かべて口だけで取り出すアップルボビングを代表として、くるみの殻に小さな蝋燭を立てて浮かべるキャンドルボート(最後まで消えないと恋がかなうのですが、途中で魔女が邪魔をする趣向)とか。絵は各種パーティーブックから。