西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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雑。いろいろ探すと妖精の学校までは見つかるのですが、カリキュラムが不明なのが悔しいというか。常識的に考えるとやはり読書き算盤なのですが。草花の世話といった実用方面の研修の存在は確認しております。図はムーア・バンタの『四十四妖精』からドワーフの学校。
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猫魔術。ランカシャーのとある村で、丘の上に教会を建てようとして資材を搬入すると、翌朝にはすべて別の場所に移されているという事案が発生。それが数回繰り返されたため関係者が夜中に見張っていると、巨大猫が出現して資材を移動させる模様が目撃されたため、教会建立は中止となりましたーー
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どうやら猫の国へのゲートがある場所に教会を建てようとしていて妨害工作されたというのが一般的な解釈だったようです。猫関係のエピソードは謎を残したまま終わるものが多い気がします。
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猫魔術。ドネガル地方では「妖精の取り分」としてバターのかけらを窓の上部の梁に載せる習慣があったのですが、肝心のバターはもっぱら猫が頂戴していて、妖精さんには届かなかったようです。妖精さんが怒り狂って呪いの言葉を放つ一方、ドネガルではふとりたおした猫が増えたとの詩がありました。
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雑。ゆえあってザビエルの書簡集(英訳)をチェックしておるのですが、当時のままの地名表記がかっこいいのであります。 鹿児島 Cagoxima 都 Meaco 豊後  Boungo 平戸 Firando なんかで使いたく思うのですが、思いつきません。
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雑。オリーブのカッティングボードにトネリコやナナカマドで作ったスプーン、フォーク類。日常的魔除けの定番ですが、オリーブはともかく他は最近なかなか目にしません。木工関係者にご一考をお願いしたく。写真のものは材質不明であります。
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スコットランドの伝承ーー ・体重を測るのは健康によくない とりわけ子供の体重測定は発育を阻害するというのですが、根拠は不明。成人にあって精神衛生によくない場合があるのは認めざるを得ないのであります。魔女認定の手法に体重測定があったことと関連があるのかどうか。
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妖精集会の覗き見とその顛末もヴァリエーションが多くて面白いです。いたいけな子供は大目に見てもらえたり、図々しいおばあさんはボコボコにされたり。エルフィンフェアでは妖精金を持っていればきちんと買い物ができるのだとか。冷やかしが歓迎されないあたり、それなりの経済活動であります。
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雑。fairy chair 妖精椅子といいまして、腰かけると妖精界に通じるのであります。それは古びた椅子であったり、野山にぽつんとある椅子状の天然石であったり。不思議な音楽が聞こえてくる椅子もあります(実はオルゴール仕込み)。家具の魔法は興味深いテーマです。
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季節。夏至の頃、干潮時の海岸線で焚火をし、炎が満潮の波にさらわれるさまを拝む風習があったとダイアン・フォーチュンが書いていました(どこかで)。炎のなかに神秘なるものの姿を認めたり、水に呑まれる炎の音に未来を聞き取ったり。消防法や環境保全の見地から現在ではむずかしいのであります。
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雑。昔、ハンティングジャケットには魔除けとしてひとつふたつ、銀のボタンをつけておく習慣があったとのこと。妖魔の類に遭遇したときは、弾丸がわりに発射するのであります。化け猫を銀ボタンで撃つと、そのボタンが後日〇〇夫人の傷口から発見されたりするわけです。図は18世紀頃の細工。
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夏至近し。英国のオカルト関係者にはお庭に石を並べて自家用ストーンヘンジを作っている人も多いと聞きます。きちんと方角を出すのは結構大変なんだそうです。そこまで本格的に攻めずとも、棒を一本立てて、刻刻と移動する影の動きに小石を置いていくのです。夜になれば配置された石がある種のーー
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で、こちらがアマゾンUKで販売されているストーンヘンジ復元図キット、1/135スケール。庭に天然石を並べるのが面倒な人に。遺跡ヴァージョンもあるようです。
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雑。ウェールズ流の悪魔の呼び出し方には奇妙なものもあります。  「お通夜のときに棺の上でカード遊びをすると悪魔がやってくる」 陽気な見送りを是とするかの国ではお酒と博打がデフォなのだとか。なにが来るにせよ一緒にどんちゃん騒ぐんだそうです。呼ばれた悪魔もいい迷惑です。
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訃報。イアン・ホルム死去。役どころとして「指輪」のビルボ・バギンズ、「炎のランナー」のムサビーニなどを挙げる方が多いでしょう。ここはひとひねりして「ドリームチャイルド」のドジスン先生=ルイス・キャロルを。
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さて夏至前夜。妖精さんの悪戯もピークに達するのでありまして、とりわけたちが悪いのが「ウィグ・スナッチング」、かつら盗み。ここぞという場面で木の枝にひっかかる、風で飛ばされる、猫の爪に引っかかるなどして、周囲を笑いのうずに巻き込みます。今晩のオンライン会議は要注意です。
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雑。夏至前夜から聖ヨハネ前夜までの数日間、魔女たちも全力全開で編隊飛行するのだそうです。下界では兵士たちがかがり火をたいて警戒にあたり、上空のそれらしき影に向かって石を投げたり花火を打ち上げたり。結構楽しそうです。絵はデラメア詩集からラスロップの魔女飛行図。
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雑。ブルーベルが咲いている場所でヒワが鳴くとき、妖精たちが踊るのだそうです。花と小鳥の組み合わせは地方によって異なるわけです。この種のサインを見逃さないのがウォッチャーの腕の見せ所なんでしょう。絵はラスロップ。
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雑。チェンジリングでこの世にやってきた妖精の赤子のなかには、物静かなタイプもいるとのこと。虚空を見つめてなにか回想しているような。ラスロップの絵を見るかぎり、ゆりかごに刻まれた魔除けの十字も役に立たなかったのであります。デラメア『ダンダンデリーの書』から。
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雑。夏至を過ぎましても聖ヨハネ前夜までは魔女たちが荒ぶる期間とされていて、市民有志による夜警もピークに達するのであります。焚火、かがり火の類で夜空を照らし、魔女の飛翔を妨害しようとの名目で夜通しどんちゃん騒ぎます。楽しそうです。
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魔女の飛翔も時代とともに解釈が変わっていきます。ホルト判事(だったと思いますが)にかかるとーー 検察 「被告は箒に乗って空を飛んだのであります!」 ホルト「別にかまわん。禁止する法律がない」 この判事さんはほんとにかっこいいです。
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印象。魔女になりたい子供、あるいはウィッチ・チャイルドが登場し始めるのが19世紀末ぐらいか。定番描写である醜怪老女にまじってちらほらと子供の魔女が出現するようになるのです。最初は遠慮がちに小さなカットでしたが、だんだんとアイキャッチャーに。図はマザーグースメロディーズの扉から。
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ウィッチチャイルドはやはり19世紀末の流行であったファンシードレス・ボール(仮装舞踏会)でもちらほら見受けられるのです。雑誌の挿絵よりもこちらのほうが早かったのかも。図は専門の仮装読本から大人向け魔女装束。子供部門に魔女はいませんが、妖精ドレスやヴァンダイクドレスに注目。
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雑。「梯子の下を通るとアンラッキー」は広く伝わっているフォークロア。常識的に考えれば上からなにか落ちてくるから気をつけろということなのでしょうが、問題は落ちてくるものの素性であります。悪霊、堕天使といったモノが多いようです。書斎梯子とて油断なりません。
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猫魔術。大小二匹の猫を飼っている人が、猫用に玄関に大小二つの穴をあける笑い話がありますが、猫用の窓となるとまた別の趣向でございましょう。猫の生活空間を整備することで不可視の妖精猫を招き入れるとのこと。なんかへこんでいるソファにはインビジルブルなふとりたおした猫が寝ているのです。