西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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さてワルプルギスの夜。この夜のうちに紡がれた糸で衣服を作って着用すると悪魔が百発百中の弾丸いわゆる「魔弾」をくれるというドイツ圏の伝承。「有象無象の区別なく」というあれです。糸紡ぎの周辺は奇怪な話が多いので面白いのであります。
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雑。「聖ヨハネご幼少のみぎりの頭蓋骨」、ようやく出典を発見。某修道院で聖ヨハネの頭蓋骨を見せられた旅人が、昨日もよその修道院で聖ヨハネの頭蓋骨を見たと言うと、修道士が真顔で「あちらのは若い頃の頭蓋骨、うちのは大人になって賢くなってからの頭蓋骨」と答えたとの笑い話が暦本に。
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雑。シンデレラの少年版、シンデレルスの物語がありました。  あるとき王様は王子たち全員を集めて言い渡しました。「一日で糸を紡いで布を織ってシャツを縫う娘を見つけた者を王とし、娘を王妃にしよう」。王子たちはあわてて城を飛び出していきました。末っ子のシンデレルスもついていきましたーー
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季節の話題。五月人形の定番「鐘馗さま」。英語でなんというのか調べてみると、 The Devil Queller 「悪魔を鎮める者」が一般的のようです。疫病退散のご利益をお願いしたく。
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猫魔術。猫関係の伝承メモ。 ・いんちきお守りを作った者は罰として猫に生まれ変わる ・神の名をみだりに唱える者は猫に生まれ変わる ・人の魂が宿った猫は一定の時刻に外出する ・猫を大切にしないとここ一番の日に雨がふる 二番目のやつは、猫になるための呪文があるという意味でしょうか。
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猫魔術。猫伝承メモ。 ・トスカーナの猫宮殿では貧しい人間の娘がメイドとして採用される。 ・ライオンがくしゃみをすると鼻の穴から猫が生まれる。 ・原初猫は初産で一匹、二回目のお産で二匹と産んでいき、七回目のお産で合計28匹を産んだ。28匹の子猫たちは空にあがり、28相の月となった。
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さらに猫伝承。 ・黒猫にキスするとふとり、白猫にキスするとやせる ・黒猫がいる家の娘は男に不自由しない 黒猫を新月とすれば増大する一方であって、満月たる白猫はどんどん細くなるわけです。「男に不自由しない」は魔女系の伝承でしょう。多数の例外報告の提出が予想されます。
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雑。13世紀末にバッキンガムシャーでヒーラーとして活躍したジョン・ショーンという神父様は、悪魔を長靴のなかに飼っていたとされ、図像もそのように描かれます。これが「びっくり箱」の起源という説もあります。長靴のなかの使い魔を想定するなら、長靴をはいた猫のお話にも別解釈が可能かと。
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ナーサリーマジック。ユージン・フィールドの「ロッカバイ・レディー」を描いた新しい絵を発見。子供が眠るとそっと忍び寄ってきて様々な夢を運んでくるそれは素敵な存在であります。今回見つけたのは文字入りのやつ。残り二つは参考図像。この詩を暗唱しながら眠るのが術であります
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#砂糖だと思っていたら塩だった系勘違い  #看護の日  野戦病院に咲いた心優しい可憐な花、と思いきや。「鋼の意志の化身」「歩く陸軍省」「善意のタランチュラ」とまで称されるフローレンス・ナイチンゲールのお誕生日おめでとうございます。すべての医療関係者に深甚なる感謝を。
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ナーサリーマジック。四柱寝台にはいろいろと伝承が多く、柱一本一本をマタイマルコルカヨハネや四大天使に見立てて睡眠中の加護を願います。あるいは小さな妖精さんを住まわせて夢を制御する法も。「西から来るのは赤い夢、東からは黄金の夢、月から降る銀の夢」という呪文で妖精さんを起動します。
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雑。昔の英国貴族のお屋敷の大広間では、テーブルの真ん中に豪華な塩入れが置かれていて、そこを基準に上座下座を区別したとのこと。おそらく階級意識のみならず、魔除け的な意味合いもあったと思われます。現在でも口にははっきり出さずとも、凝った塩入れをさりげなく置いている名家は多いそうです。
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猫魔術。アイルランドのイニスシャークという小さな島に伝わる猫のお話が面白いのであります。島民が病気治療のおまじないとしてメンドリを材料にすると、それが実は猫のプリンセスだったということで巨大猫たちが復讐にやってきます。どうもこの島に猫の国があるらしいのです。現在は無人島。
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猫魔術。アイルランドの猫伝承は独特なものがあって、猫の王様の一族に「ドルイド猫」がいるというのです。「スレンダーな黒猫」で、銀の鎖を伴うとのこと。鎖を下げている説と、鎖の上に寝ている説があります。ドルイド猫は人語を解し、さまざまな特権持ち。人間でいえば「ロードビショップ」相当か。
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季節。「妖精の時刻」 fairy hour の定義はひとによって異なるのですが、スティーヴンスンやWGRは「まだ明るいのに眠らなければならない夏のたそがれどき」ととらえていたようです。英国の6月は午後10時くらいまで明るいわけで、トワイライトのなかを魂がさまよい森に吸い込まれていきます。
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雑。夏至前には妖精ないし異界に起因する体調不良が起きがちとされていて、キュアリング・ストーンやリー・ペニーといった伝統的呪物類の出番となります。たらいにはった水の上でこの種のペンダントで十字を切ったり、あるいは浸したり。そうして作る妖精水が悪しきを祓います。スコットランドに多し。
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5月30日はジャンヌ・ダルクの命日です。救国の甲冑美少女は20世紀になると英国でも人気者となり、各種メディアに登場。一次大戦中の雑誌ではワシントン、聖ジョージ(推定)とともに表紙を飾っております。戦時中に各国が歴史上の英雄を利用する様子は『スーパーナチュラル・ウォー』を参照のこと。
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使い魔の猫とマスターの間には外見的にも共通するものが多いという伝承。あるいは魔女が猫に変身してもどこか原形をとどめているという意味か。おうちでお揃いペアルックをしているという解釈もあるらしいのであります。なんか微笑ましいです。
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猫魔術。何度も書いております。猫の国で一番歓迎されるのは身寄りのないおばあさん。夏至の頃、(あのこは昔飼っていた・・・?)と黄昏のなかをついていくといつしかゲートを通り抜け、猫の国に到着するとのこと。その後は猫の女王様の客分として遇されるとか。さて。絵はランドシーア。
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「夏至の夜の夢」に見る妖精女王タイタニア。働き者の妖精少女たちを統率する一方、役立たずで怠け者の男妖精たちと一定の距離を置くあたり、女王バチの雰囲気が濃厚であります。昆虫系の羽根がつくのは必然なのであります。
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雑。不用意に十字架にとまってしまい、身動きできなくなる妖精さんのお話。助けてやってからが本番ですが、救出法が結構面白いのです。薬指で救いだす(他の指はだめ)とか、なかなか剥がれないのでペンチで思いっきりとか(妖精さん激怒)。お話の教訓としては「ほっとけ」が主調のようです。
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雑。妖精は普通見えないのですが、妖精さんから貰う眼鏡を使うと見えるとのこと。あるいは13日の日曜日に生まれた子供は生まれつき妖精が見えるそうです(それが良いことかどうかは別として)。図はデュリンの「月光を紡ぐ妖精たち」。月光糸から「不可視のマント」を織るのであります。
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妖精。ムーンスピナーたちが紡いだ銀糸は妖精王と妖精女王の御召し物に使われるのであります。金糸はもちろんサンライトスピナーが紡ぎます。妖精界の日常を丁寧に描くにあたり、昆虫の生態を参考にするのも近代の特徴なのであります。絵はデュリン。
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#時の記念日 だそうで。 西洋の花暦でも和名トケイソウがちょうどこの時期に配されるのであります。洋名「パッションフラワー」、その花のなかにキリストの受難「パッション」の道具がすべて見られるゆえの名称とのこと。図は洗礼証明書に見るパッションフラワー図案の例。護符として強力なり、と。
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季節。当地も梅雨入りしたとみえ、朝から降っております。ところでテリテリボーズなる表記を時折英語で見かけるので調べてみると、ヘボンの英和和英辞書にありました。掃晴娘は中国のレインストッパーで、やはり軒に吊るす紙製ヒトガタの類。天候は天侯にして人智の及ばざるところなり、と。