西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(新しい順)

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珍品。ベルギーより到着。マラカイトのタマゴ。孔雀の卵。およそ4.5㎝x3.2㎝、115g。イースターのアクセサリーといったところでしょうか。ころころするため意外に置き所が難しい。安産、安眠、解毒などの魔術的効能が伝えられています。
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雑。修道院の花暦によりますと2月4日の花はゴルディロックス。昔は春先の黄色い花の総称だったようで、キンポウゲが近いそうです。現代ではゴルディロックスといえば三匹の熊さんの家を荒らした金髪少女を指すのが普通。このお話の教訓は「中庸の美徳と破綻」なんだそうで、逃げ足も大事とのこと。
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さて節分。英語圏では 豆投げ祭り Bean Throwing Festival と表記されることが多く、エクソシストがデビルズアウト!ハピネスイン!と叫びつつビーンスローするとされています。討伐対象のオニデビルとして大津絵の鬼念仏が紹介される例も。全体、春を呼ぶ楽しい行事という扱いであります。
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2月2日はロウソクのお祭りキャンドルマス。この日、教会ではロウソクの聖別式が行われますが、儀式に「勤勉なるミツバチたちの労働によりもたらされた蜜蝋」との文言があります。聖別式を経たロウソクは聖燭となり、悪魔祓いの効能を持つとのこと。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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暦。2月2日はキャンドルマス。この日までにツリーやリース等のクリスマス飾りをきちんと始末しておかないとゴブリンになるとの伝承あり。聖なるものも時間とともに劣化し、しまいには妖怪変化となるという発想はユニヴァーサルなのであります。
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さて2月。この季節を代表する花はもちろんスノウドロップ、別名を「二月の美しき乙女」。その清楚な姿はマリア様の象徴とされ、修道院では大掃除の際にマリア像を動かすときは身代わりに一輪挿しのスノウドロップを置いておくことがしきたりだったそうです。優雅なり、と。絵はいつものベンソン。
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なにやら「さるかに合戦」と今時のコンプライアンスが話題になっているような。  明治時代に英訳された「猿蟹合戦」が面白いのであります。一匹の猿と一匹の蟹の諍いが臼や蜂といった他家を巻き込む「合戦」となり、形勢不利となったカニ側が偽りの和平を提案ーー
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暦。1月31日は烽火(のろし)の誤報の日。1804年のこの日、スコットランドのお城で手違いから烽火を点火してしまい、たちまち周囲の全軍が警戒態勢に入ってひと騒動。結果としてよい演習になったとされた事件であります。英国の烽火は無敵艦隊の頃から活用されている光通信なり、と。
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雑。記録の天使という発想があります。睡眠中に接触することもあるそうです。 「なにを書いておられるのか?」 「神を愛する者たちの名前を」 「私の名前はありますか?」 「ありません」 「ならば私は、人を愛する者として記録していただければ」 リー・ハント「ベン・アデル」からーー
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雑。1720年の南海バブルの狂騒では、とにかく会社を興して株式を発行すればそれが飛ぶように売れ、さらに倍々ゲームと化していくため、とんでもない業種のインチキ会社が乱立したとのこと。オカルト風のものも多く、永久機関開発、飛行機開発、金鉱発見、占星術学校etc 。図は子供銀行の株券。
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雑。忘れな草 forget me not の名前の由来は諸説ありますが、地を追われた異教の神々のラストメッセージとして川辺や断崖に咲き、無垢なる魂の転落を誘うという話があります。この誘惑は夏至の頃に特に強くなるとのこと。良い子は夏至の夜に家から出てはいけないのであります。
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雑。修道院跡地はいろいろな不可思議の舞台となります。ウェールズのストラタフロリダ修道院は16世紀初頭に英国国教会成立の余波を受けて破壊され、石材は他の建造物に利用され、ゲートだけが残ったのであります。おかげで見るからに異世界への入口となってしまいました。雰囲気あります。
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聖フェリシテの七人の息子たちは信仰を守って殉教するのであります。いずれ訪れる悲劇を予感させる絵もあれば、たこ焼き売ってるような木版画もあります。後者の例としてニュルンベルク年代記から。
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雑。「七番目の息子、さらにその七番目の息子」に魔力が宿るという話は結構ポピュラーだと思うのですが、調べてみるとこの「七男」はあいだに女子を挟まずに七男なんだそうで、実際にはかなり少なかった模様。ヒーラーとして卓越した存在になるとのこと。図は聖フェリシテと七人の息子たち。
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雑。英国では名付け親が名付け子の洗礼祝いに「使徒スプーン」を贈る習慣がありました。裕福な名付け親は銀製の十二使徒ワンセットを、そうでない人は名付け子の名前や洗礼を授かる教会にちなむ聖人の一本を贈るのがならわし。いずれにせよ護符的性格が強い品。熔かして銀の弾丸に、などと妄想も。
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雑。チェンバースによれば風見鶏はもともと教会の尖塔にのみ見られたもので、例の聖ペテロと鶏鳴の故事にちなんで聖職者に訓戒を与える趣旨があったとのこと。それがいつのまにか世俗の建物にも設置されるようになり、鶏以外のデザインも採用されて今に至る、と。面白いのであります。
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天候。最強寒波の到来とのこと。すなわち大規模現象であるフロスト・クイーンやキングのおでましなり、と。個人的にはアンデルセンの氷姫も魅力的です。冬山の頂から下界を見下ろし、「人為や人智などなんになろう?」と高笑いし、「ああ、また雪崩がくだりゆく」とほほ笑むのです。たいがい怖いです。
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雑。呪術性の強い行動として双璧ともいえる編み物と人形遊び。『メアリー・フランシス編み物読本』(1918)はストーリー仕立てのお人形のための編み物入門という相乗効果がよいのです。師匠役はランタンタンを思わせる簡素な毛糸人形。話が進むと妖精女王から高度な編み技を伝授されたりします。
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暦。1月22日はいわゆる「南海バブル」がはじけた日。1720年、英国の国策会社「南海会社」の株式暴騰と暴落、それに群がった人々の破産で騒然となったのであります。ホガースの戯画にいわく「悪魔が運命の女神を切り売りし、聖職者も職人も農民も本業を放り出して投機に夢中となり破滅ーー」。
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人形。(クリスマスプレゼントに帽子が欲しかったのに貰えなかった)と人形が泣く声が聞こえたような気がします、と始まる児童雑誌の手芸コーナー。簡単な毛糸編みで帽子の作り方を教えているのですが、添付の写真が怖いのであります。この人形が(・・・寒い・・)と夜中にささやいてくるとーー
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暦。1月20日は聖セバスチャン祝祭日。矢を射かけられる殉教姿が画題として頻繁にとりあげられています。日本ではセバスチャンは執事の名前として登場する例が多いとのこと。理由はいろいろと考察されていて、どうやらスピリの『ハイジ』が発生源らしいですーー
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暦。1月20日夜は「聖アグネス前夜」。乙女が一食抜いて就寝すると将来の伴侶の夢を見るという夜。ベン・ジョンソンも言及している由緒正しい恋占いがキーツの筆によって永遠の生命を得たといえましょう。絵はウェナートの小妖精たちがかわいくてよろしいかと。
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以前もやりましたがーー 「え、ここは? あたし、たしか帰宅途中にトラックにはねられて・・・・」 twitter.com/bijutsufan/sta…
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花。「修道院の花暦」によれば1月19日の花はオドリコソウ、英名を White Archangel 白い大天使という優雅な一輪。ミツバチが好んでやってくるとされていて、養蜂を前提とした庭造りによいそうです。「修道院の花暦」は19世紀半ばに恋愛意識の強い「花言葉」に押されて流行らなくなったとのことーー
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猫。商業逸話事典 (1868) によれば、難破船や幽霊船に猫だけが生き残っている例がいくつも報告されているとのこと。英国の習慣法では「生命の痕跡が見られない遺棄船舶」は国王の所有物になるとされていて、猫が発見されたことで船主の権利が守られるわけです。猫を乗せるのはネズミ対策のみにあらず。