西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(新しい順)

176
季節。2023年、2月22日から4月6日まで続く四旬節(レント)の期間は肉食が禁じられ、かわりに魚料理が推奨されるのであります。英国にあってとりわけ王侯貴族に人気があったのがヤツメウナギ(食感が肉に似ているとか)。乱獲された恨みなのか、巨大モンスター化して人を襲う伝説もありますーー
177
2023年2月22日 #猫の日 ということで ・灰色猫の前足を見つめて願いをかけるとかなう ・緑色の瞳の黒猫に会うのは恋人と喧嘩になる予兆 ・ぴんと張ったベッドクロスの上に猫を置く。猫が移動した方角に将来の伴侶が棲む。猫がそのまま寝込んだら、それはそれで幸せ それはそれで幸せなのです。
178
暦。さて本日は2023年の「灰の水曜日」。四旬節が始まる日です。前年の復活祭週間に用いた棕櫚や不要になった木製十字架を燃やして灰にしたもので額に十字を描き、告解のしるしとします。今日一日は消してはならぬとのこと。別のものを描きたい衝動は押さえましょう。図像はウィキから。
179
ーー告解の火曜日のパンケーキ、聖金曜日のホットクロスバン、ハロウィンのソウルケーキなど、この種の祝祭食物には無病息災などの効能を認める向きが多く、いわば「食べるタリスマン」と言えましょうか。タリス饅頭なども考えてよいと思います。
180
さて本日は2023年のパンケーキデイ。四旬節を前にドカ食いする日。もちろんこの傾向は昔から警鐘を鳴らされていて、祝祭本によれば「名医いわく世の人の三分の一は過食に起因する疾病で死亡する。節制をもって飲食すれば健康に長命するであろう」と。六段パンケーキくるみ蜂蜜かけの威力やいかに。
181
続・パンケーキ。準備も調理も簡単なパンケーキは、それゆえにぎりぎりまで食べていられるイメージがあります。パンケーキを焼きながら教会に走るレースあり、通勤前にあと二枚欲しがるビジネスマンあり。日本で発生した食パン女子の遠祖なのかもしれません。図は1927年のパンケーキの素の広告。
182
暦。明日の2月21日は2023年の「パンケーキの火曜日」。四旬節入りの「灰の水曜日」を前に牛乳と卵と小麦粉を使い切る日であります。四旬節中は粗食が基本でありますから、そのまえにドカ食いをという普遍的発想なのでしょう。各地にさまざまなならわしが伝わっています。絵は恒例のベンソン。
183
雑。いわゆる「修道院の花暦」(1833)の2月19日の項に興味深い記述を発見。「喫煙は健康に良い習慣であり、とりわけ貧民層の狭い家屋内にて推奨される」。現代の常識に逆行しておるのですが、どうやら当時は煙草の煙に殺菌効果があってペストやチフス等を燻蒸できると信じられていたようですーー
184
雑。ケンブリッジシャーの教区では未婚の乙女が亡くなるとお墓に花輪と白い手袋を供える風習があったとのこと。この白い手袋がときおり怪異化します。真夜中の舞踏室で手袋だけが踊る話などはせつなくかわいいのであります。
185
雑。カード占いおよびカード占い師を指す用語としての card-cutting, card-cutter 。意外と用例が少なく、チェンバースの暦本にある「英国どんな小さな村にもひとりはカードカッターがいる。ロンドンには無数の占い師がいて、料金も6ペンスから予約前払い3ギニーまでさまざま」あたりが代表的ーー
186
タロット。PCSの誕生日を記念してライダー版の謎を少し。PCSはほぼ半年で78枚を書き上げているため、塗り残しや消し忘れがあるのです。有名なのが棒の3の謎ライン。腋毛説、洗濯ばさみの外し忘れ説などが提唱されましたが、消し忘れ説が一番有力。なお後期の版では修正されています。
187
ーーこのグランドピアノは通常の白鍵黒鍵に加えて青鍵と赤鍵を持ち、小鳥のさえずりや小川のせせらぎ、子供の笑い声も出せるというスーパーマシン。ただしメンタル面が弱く、風車にふられると川に身投げしてしまいます。打ち上げられてぼろぼろになったところを蒸気機関車に助けてもらう図がこちら。
188
雑。ジレット・バージェスの現代童話『活気の街リグ』(1899)ではグランドピアノが風車に恋をします。いろいろあって結ばれた二人(?)の間にイオリアンハープと手風琴が生まれてめでたしめでたし。機械に人格を与えて恋愛させる話は結構見受けられますが、楽器と相性がいいような。絵もバージェス。
189
なにやらトレンドに薩摩ホグワーツ生なるものが。ひとしきり笑わせてもらったあとで考えました。 「不死鳥騎士団」にサツマという単語が登場しておりますし(ミカンですが)、長澤鼎や町田久成あたりが魔法学校に迷いこんでいたとしてもある意味納得できるのであります。
190
暦。バレンタインデイの起源には諸説あります。2月13日の女神ユノー祝祭日にぱっとしない男どもがユノーさまに忠誠を誓って加護をもらうローマのしきたりが変容したものとか。加護をもらうと男どもにはモテ期が到来するのですが、そこで目移りするとユノーさまの怒りを買って地獄を見るとのことーー
191
暦。バレンタインデイ近し。本来は小鳥が伴侶を選ぶ日ですので、ツバメもドレスアップに余念がないという戯画であります。リスのメイドが燕尾服をブラッシング中。Vデイ前後は小鳥関係の伝承がいっぱい。1920年のウィー・ウィスダム誌2月号から。
192
暦。バレンタインデイに恋心が小鳥の姿をとっていとしい人のもとに飛んでいくのが理想。現実にはカードを送りつけるわけです。図は1919年の婦人参政権バレンタイン。喧嘩上等のカササギドレスが面白うございます。
193
ナーサリーマジック。縄跳び歌には不吉なものがあるのです。 母様、わたしは病気なの いつまで生きていられるか わたしが死んだら弔いに 馬車が何両くるかしら 一両、二両 ・・・ 失敗したときの回数がなんらかの意味を持つわけです。 占いなのか、呪いなのか、判断はむずかしゅうございます。
194
スコットランド女王メアリーの暗号書簡解読(AFP=時事) #Yahooニュース news.yahoo.co.jp/articles/27ae1…
195
雑。チェンバースによれば「傘」unbrella がイタリアから英国に持ち込まれたのは17世紀初頭であって、基本的に日除けだったとのこと。雨除けに使ってよいのは女子のみであり、男子が持ち歩く傘は強い日差しから弱きものたちを護るのが本来の用途だったそうですーー
196
雑。『亡くなった医師の日記』(1834)にある幽霊犬(幻覚犬?)の記述が面白いのであります。巨大な青いニューファンドランドにつきまとわれながら、目の錯覚だ気のせいだと必死で抵抗する常識人の患者さんが医師に相談します。結論は出ないままですが、この時期からサイコホラーの気配あり、と。
197
お宝。サクレクール聖心のバナー。19世紀中頃の品で深紅のビロードに金糸銀糸の刺繍。光条部には薄い金属円盤を縫い込んで煌めかせる仕様。横53㎝、縦寸中央で83㎝。行進の先頭や重要なミサの際に飾られた豪華な逸品です。重厚感はさすがなり、と。新品ではなかなか出せない味と申せましょう。
198
このガラス工芸のハリネズミはハンドクーラーとともに当館にやってきた純粋な置物。素手で持つと痛いです。屈折加減が面白く、下から青い光を当てても胴体は透過してトゲ部分のみが青くなります。オカルト的意義など後出しじゃんけんでどうとでもなりそうな。
199
雑。2月初旬はハリネズミが穴から出てきて太陽を眺め、そのまま二度寝するか起きるか決める頃合いとのこと。このトゲモコは牛の乳を盗み飲むとか魔女の化身などとの伝承もあり、フォークロアの世界では人気者です。おかげで小さなぬいぐるみになったり、スワロフスキーの作品となったり。
200
珍品。マラカイトの卵の用途が判明。これは19世紀前半頃の淑女用ハンドクーラーでした。当時のご令嬢は手が汗ばむのを恥とし、社交的集まりや舞踏会ではこの種の卵で手を冷やしていたとのこと。右はスチューベンが作った近年の置物型ハンドクーラー。