西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(新しい順)

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--悪魔は神父を見て激高し、そのまま遁走してしまいました。かくして悪魔の布とスーツがこの世に残ってしまい、いろいろと不思議な話が始まるのであります。ある種の聖遺物の口上か、あるいは魔法の服の伝来話か。ちなみに悪魔の服は派手なストライプが多いとされています。根拠は不明。
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暦。1月17日は聖アントニウス祝祭日。ホーンによればこの日に妙な事件があったとのこと。仕立て屋さんが悪魔とおぼしき人物からスーツの注文を受け、布を渡され採寸を行ったのですが、不安に思って神父さんに相談。神父さんとともに完成したスーツをもって約束の日時に約束の場所に赴くと--
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続・九尾の猫。九つの尾がそれぞれ芸術神ミャウズに対応しているとの説もあり、面白いのであります。猫の九つの生はそれぞれ抒情、舞踏、叙事、喜劇、悲劇、恋愛、賛歌、天文、歴史に捧げられ、九芸をきわめて神に至るとの発想でしょうか。絵はハッティ・ブラウン『猫九話』(1891)から。
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暦。修道院の花壇はだいたいローテーションが決まっていて、たとえば聖燭祭の頃にスノードロップ、受胎告知日前後にキイロスイセンが咲くように育てていたとのこと。主な祝祭日には花が配属されているので、図像判断の際のヒントになります。修道院跡地に夢のあとのように花が揺れるのであります。
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雑。寒波は北から到来するのが普通ですので、北欧のルーン文字を使って呼ぶという発想があります。氷結と吹雪の魔法というわけで、エディス・メイいわく「私の部屋の窓を揺らす神韻を組む北風は/古代ルーンを吟遊する詩人」とのこと。絵はマクドナルドの「北風」by ヒューズ。
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本日は #たばこの日 でもあるそうで。 "Three on a match" といって、「一本のマッチで三人が煙草に火をつけると一人がほどなく死ぬ」という伝承が1次大戦後に英米で爆発的に広まったとのこと。おそらくこれも13恐怖症の一種。一本と三人で13を形成しておるのです。同名の映画も作られました。
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英国の13恐怖症の例としては、子供の名前が合計して13文字だと悪人になるとか非業の死を遂げるといった姓名判断系のものもあります。13人のパーティーは不吉なのでヌイグルミを参加させて14人にするのも有名な話。回避策も伝えておくのが心得というものでありましょうか。
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#13日の金曜日。毎回申しておりますが、英国特有の13恐怖症(トリスカイデカフォビア)に金曜日を処刑日として忌避する伝統が加わったもので、一次大戦以前は英国以外はほぼ無関心。フランスでは13は長寿のシンボルと見なされ縁起物絵葉書のテーマですらありました。不安伝承の伝播の一例なり、と。
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雑。ホーンいわく、ロンドンで一番寒い時期は1月12日前後とのこと。記録によれば1797年から1816年までの1月12日の平均気温は華氏34度(だいたい摂氏1度)だったそうで、テムズが氷結するのであります。ジャック・フロストが本格的に活動し、窓ガラスに霜の羊歯模様が展開されるのです。
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雑。聖書の魔術的利用という分野はときに危険な領域に踏み込みます。詩篇第55編は敵に死をもたらす呪いの歌とされていて、これを唱えつつ適宜呪うべき相手の名を組み込むと効果大との伝承も。聖書を読みつつ悪意を放つことも可能なり、と。図は「詩篇の寓意」。タロット図像学的にも興味深いです。
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どれどれと捜索いたしますと、1935年のイリノイ州伝承集に同種の記述を発見。肯定的伝承は楽しゅうございます。 twitter.com/honnoinosisi55…
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雑。「13クラブの年次食事会」。梯子の下で塩をこぼす13人の黒服男たち。このあと鏡を割ったりするのでしょう。実際、縁起の悪いことをわざと行う集いはあったそうです。マイナスにマイナスをぶつけるという発想は意外にユニヴァーサルで、魔除けに魔物像を置いたりするのであります。
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雑。民話童話のオカルト的解釈という分野が人気を博した時期もございます。森の奥に住むおばあさんは土星、その途中に出るオオカミが火星、ふらふら遊んでいるお使いの赤ずきんは水星といった見立てです。土星が火星と接近していると危険がいっぱいーー
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ーーこのネコたちは英国で用いられていた cat-o'-nine-tails と呼ばれる懲罰用の縄鞭を戯画にしたものというのが常識人の模範解答なのですが、あるいは縄鞭の名前が九尾猫にちなむのかもしれず、そのあたりはぼかしたほうが賢いのかもしれません。
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猫魔術。九尾といえば東洋ではキツネですが西洋ではネコであります。ネコは九つの命を持っていて、転生を繰り返すたびに尾が一本ずつ増えていくとのこと。九尾猫は最上位なのでしょう。もちろん平素は隠しているので普通のネコと見分けがつかないわけですーー
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暦。1月6日はエピファニー、公現祭。東方の三博士がイエスキリストに黄金、乳香、没薬を捧げた日。三博士の名前 Caspar Melchior Balthasar はさまざまな祈りに組み込まれ、やがて呪文化しついには記号となり、田舎では火の用心や魔除けとしてCMBの三文字を納屋の扉に刻むようになりました。面白や。
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暦。1月5日はグレース・ケリーの結婚記念日なので #シンデレラの日 とのこと。シンデレラ物語の逆境からの逆転劇だと思うのであります。ネズミ捕りにかかって処分寸前のハツカネズミ、ドブネズミ、庭の隅っこのトカゲたちも魔法で変身するところが重要かと。
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雑。英国古謡によく登場する「悪魔がくれる無限財布」。常に一定額が入っていますが、支払いを後回しにしているだけなのです。なお家族がいない人には渡さないという条件付き。いかなる教訓を引き出すのも各人の自由であります。
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ルパート公の魔犬ボーイ。敵側の宣伝小冊子によるとずいぶんと昔から英国王家に仕えていたようで、霧を呼び雲に乗り魔法を使ったとのこと。無敵艦隊来襲の際は海に飛び込み水中から攻撃したそうで、見ようによってはとんでもない忠犬であります。
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犬。貴族の愛犬もまた使い魔と見なされることがあります。イングランド内戦の際にカンバーランド公ルパートはボーイという名の大型プードルを連れて参戦。このワンコが伏兵を予知した、主を狙った弾丸を空中でキャッチしたとされ、最後は議会軍側の魔術の心得がある狙撃兵が銀の弾丸で倒したとかーー
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雑。ゲール語の結婚ことわざ集(英訳)に遭遇。 ・男よ、賞賛されたくば死ね。笑われたくば結婚せよ。 ・女性の絡むところ永遠の善も悪もなし ・欠点が見つからない女性はめとるな ・善き母を持つ娘をめとれ。父親は悪魔でもかまわぬ。 ・妻を罵る者は天に唾するに等しい なんか微妙なのが多いです。
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恒例。庭先より一枝いただいて2023年元旦のローズマリーワイン。軽くディップするくらいでよいと思います。冬場のハーブの女王ローズマリーはさまざまな場面で重用されるのであります。
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謹賀新年。西洋魔術博物館、本年もよろしくお願い申し上げます。なんかいろいろ作ってしまったのでこれもアップ。世の中のいろいろな悪いことを箱に詰め込んでどこかに持っていくブラックラビッツに期待するのであります。
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謹賀新年。西洋魔術博物館、本年もよろしくお願い申し上げます。パメラ・コールマン・スミスが描いたウサギはこれ以外だとアナンシー・ストーリーに一点あるくらいです。ともあれ縁起物ということで。
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謹賀新年。西洋魔術博物館、本年もよろしくお願い申し上げます。デューラーのノウサギは定番であります。