西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(新しい順)

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ーー金髪男性は問答無用で追い払う、門前払いにするとの記述も多いのです。冬場になると北方のバイキングに襲われた日々の名残とのこと。図はパンチ誌から「ファーストフット」の図。頭髪分布に空白がある人も金髪よりはましということらしいです。
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暦。スコットランドでは新年最初に家にやってくる人を first footer と称して吉凶を占ったとのこと。黒髪でお菓子やお酒を持ってくる人が大吉、金髪の男性が大凶とされています。もちろん偶然を待っていられないので、大晦日深夜に黒髪男性を外に追い出してすぐに中に引き入れるのが半ばしきたりーー
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英国の伝承。大晦日の夜にーー ・南風が吹くと翌年は温暖 ・西風なら牛の乳の出が良く、海は豊漁 ・北風なら厳寒と吹雪が続く ・東風なら果実の実りよし ・北東の風ならば、人も獣も逃げるしかなし どうも北東から魔物が来襲するような雰囲気であります。
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雑。『フィギュアスケートの書』(1880)によれば、かのわざは北方の狩猟民族が氷上にメッセージを残す術であったとのこと。ワンストロークで描ける図形には限界があるため、ジャンプして次の図形に移行したのだとか。オーロラの下、氷上に刻まれる魔法円や護符模様、ありだと思います。
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雑。チェンバースによれば17世紀にはプレイングカードを利用する実用書が次々に出版され、一番の変わり種は料理本『上流家政婦の娯楽』(1693)だったとのこと。毎日の献立に悩む主婦向けに、ハートが精肉、クラブが魚、ダイヤが鶏、スペードが加工肉という組み合わせを提唱ーー
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季節の話題。東方の三博士ガスパール、メルキオール、バルタザール。かれらは星に導かれて無事にベツレヘムにたどりついたということで旅行の守護聖人とされ、その名を刻んだ護符指輪が大量生産されたそうです。ケルン大聖堂には三博士の頭蓋骨を納めた聖遺物筐があり、尊崇を集めているとか。
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雑。服飾史によればマーメイドドレスは1930年代以降の流行とのこと。アイデアはずいぶんと先行していたようです。図は1860年代のハーパーズバザー誌から。鏡と櫛も揃える本格派であります。仮装か正装かは定かならず。
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雑。妖精劇パントマイムは十九世紀の英国で独自に発展した児童向けエンタメです。誰もが知る童話を題材に観客とのやりとり、時事ネタ、メタ展開を惜しげもなく実行。主役は少年役のタイツ姿の女優、さらにデイムと呼ばれる女装したごついおっさん男優。歌って踊ってきらめくのでありますーー
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暦。12月26日はボクシングデイ。みんなで殴り合う日です。今年も言いました。  実際は贈り物の箱を開ける日、教会の募金箱が開く日と言われています。使用人にちょっとしたプレゼントを渡す日とも。また26日は英国恒例の妖精劇パントマイムの開幕日。祖父祖母が孫たちを連れて劇場に向かいます。
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伝承。クリスマス当日。大人数が集まるパーティーでは、お楽しみ企画としてツリーにさげられた縁起物の抽選会も行われた模様。お菓子、おもちゃ、ちょっと高価な品などが当たったり外れたり。しばらくすると子供たちの間で交換交渉が始まり、楽しい時間が過ぎていくのであります。
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雑。bless 「祝福」という動詞は bless A from B で「聖なる力でAをBから守る」という用法も可能。 「聖フランシスさま、聖ベネディクトさま、この家を悪しきものからお守りください。ワイトもナイトメアもゴブリンもーー」。妖精がイタチやドブネズミと同列なのが面白いのであります。
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クリスマスイブの伝承 ・24日午後11時から12時にかけて水がワインに変わる ・この時間帯に十字路で耳をすますと不思議な声が未来を教えてくれる ・この晩にニワトコの枝を燃やすと近隣の魔女や魔法使いが発作を起こす ・家にいる動物たちがなにやら不穏な会議を開く 不思議の時刻なのであります。
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雑。クリスマスは意外にドラゴンの季節でもあります。先般より紹介しているスナップドラゴンがひとつ、さらにこの時期に演じられる寸劇「聖ジョージとドラゴン」がひとつ。後者はお笑い味が強く、頼りない聖ジョージが姫に助けられたりします。子供用ドラゴンかぶりものもいい味だしてます。
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このTWはクリスマス向けなので再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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雑。ウォルシュの『奇習』(1897) によれば、現行形式のクリスマスカードは1862年に登場したとのこと。それまでは歳末助け合い寄付の返礼として渡されていた手書きのお礼状が、郵便制度の発達とともに進化してヒイラギやロビンの絵が入った印刷物になったのだそうです。その後は百花繚乱。
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雑。「このままじゃティンカーベルが消えちゃう! よい子のみんな、妖精がいることを信じて、そして拍手して!」というお約束の展開をせせら笑う少女。周囲では妖精たちが抗議活動を展開中という風刺的一枚であります。ロンドン絵入り新聞1920年クリスマス号から。 時代の気分ということで。
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雑。英国伝統のクリスマス像といえばファーザー・クリスマスであります。ヒイラギとヤドリギを頭に載せ、ユールログを背負い、ワセイルを抱えてやってくる不審な中高年。しかも10人もの子沢山。フロスト・キングと同一視される例もあり、冬の擬人化として愛されておるのでしょうーー
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トレンドにホラー画像とやらが。 そういうものは持ち合わせないので、かわりにハッピー画像を。ワシントン・アーヴィングの『ブレイスリッジホール』から、コールデコット画「農家の庭先にて」。
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雑。ロンドンでは19世紀半ばまで、12月に入ると「アルマナック」の路上販売が行われていました。カレンダーとさまざまな便利情報を業種別に組み合わせたもので、ステイショナーズカンパニーという書籍・印刷・文房具ギルドの独占販売物でしたが、19世紀末にはその業態もなくなったとのことーー
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雑。チェンバースによれば、宗教改革後に教会牧師のお説教が異様に長くなったため、規制を入れるべく説教壇の横に砂時計を設置するようになったそうです。会衆の多くは牧師に気づかれずに退出するわざを、あるいは目を開けたまま寝る術を会得したとのこと。説教壇脇の砂時計はデザイン的には素敵です。
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12月17日は #飛行機の日 。 オカルト方面の「空飛ぶ舟」は飛行原理が面白いのであります。1709年にポルトガル国王に提出された飛行船図では「金網に編み込まれた琥珀の珠(F)から帆(A)に不思議な力が伝達される」とのこと。この船をもって大航空時代の覇者たらん、と威勢はよかったのであります。
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続・クリスマスの「いかがわしい」ゲーム。ブラインドマンズ・バフ、いわゆる「目隠し鬼」。英国流のそれは目隠しした鬼を周囲からちょっと触ったり撫でたりするのです。美青年を鬼にしてお姉さま方があちこち撫でまわすと途端にいかがわしくなります。鬼も美少女ばかり捕まえようと頑張ります。
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雑。クリスマスに幽霊が多いのは、異国の地で亡くなった霊が帰郷するからとのこと。クリスマスまでには戦争が終わる、家に帰れると信じて塹壕にこもった兵隊さんが「帰ってくる」のであります。十字軍の頃から繰り返されるモチーフなんだそうです。絵はアーヴィングの『英国古式クリスマス』から。
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ーー問題視されていた「いかがわしい」ゲームのひとつが「ホットコックルズ」。目隠しされた男性が女性のスカートに顔を突っ込んで、相手が誰か当てるというもの。間違えるたびに後ろから尻を殴打されるのがルール。わざと間違える猛者も多かったのであります。中世の文書にすら描写が残っています。
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雑。木の実やレーズンにウィスキー等を注いで火を放ち、素早くつまんで食べるクリスマスゲーム「スナップドラゴン」。19世紀初頭の時点で「危険ではないか」と不安視されていましたが、他のもっと「いかがわしい」ゲームに較べればましという理由で20世紀まで生き残ったとのことーー