西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(新しい順)

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ーーお屋敷に出没する修道女の幽霊といった伝承には十分に裏付けがあったとのこと。場所の記憶なのか、そのまま亡くなった人の「残念」か。英国におけるカトリック弾圧は17世紀になっても収まらず、19世紀前半まで尾を引いたそうです。
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雑。ヘンリー八世の宗教改革以降、国教会勢力に追いつめられて領主館の隠し部屋などで息をひそめるカトリックの神父や尼僧がいます。その存在を知るのは領主夫妻とごく少数の上級使用人のみ。夜中にこっそり部屋を出て手足を伸ばす様子は、たまたま目撃したメイドなどにとっては幽霊そのものーー
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季節。イースターと前後してよく登場するのが巨大タマゴ。なにが孵化するのか特に言及されないのも不気味でよいです。どこかに運ばれていくもの、不可思議な儀式を受けるもの、みんな楽しそうです。
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チェンバースによれば、昔はイースターでも「トリックオアトリート」を行っていて、ハロウィンのそれよりもずっと荒っぽかったそうです。ワルガキどもが「お金をくれなきゃ靴をもらう」と通行人を取り囲み、6ペンスばかし要求します。断ると靴を持っていかれます。19世紀前半には廃れたそうです。
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雑。イースターシーズンに教会で灯す大きな絵ロウソクをパスカルキャンドルといい、これの一部をくすねて呪術に用いる話が英国に多いのであります。上の方の溶けた蝋を頂戴して小ロウソクを作り、納屋で灯すと魔除けになるとか。図は米アマゾンで売られているパスカルキャンドル。
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暦。3月25日は Lady Day 受胎告知日。英国的には賃貸関係のシメの日にして引っ越しの季節。草花としてはマリーゴールドが「マリアさまの黄金の花」。天候不順のこの時期、天使が降りてきそうなほど空が低くなるのは偶然ではないのであります。
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怪。イースターシーズン独特の怪談もあるわけで、かの総督ポンティオ・ピラトはその後フランス地方に左遷され、失望のあまりローヌ川に身投げしたとのこと。死骸はそのまま一帯を汚染し、悪霊と疫病が蔓延して500年の災厄を招いたという伝承。もちろん裏付けとなる史実は見当たらずーー
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鳥。妖怪じみた巨大フクロウの伝承を見ることがありますが、意外に実体を伴ったのかもしれません。オーストラリアのオニアオバズクを英国に持ち込んだ例はあったようです。絵はジョン・グールドが描くオニアオバズク。エサはコアラ。
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人は猫に囲まれる悪夢を見て、猫はフクロウに囲まれる悪夢を見るのでしょう。人によってはご褒美。 twitter.com/Titania2468/st…
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#キジ猫祭り2023 額のMの字は「マリアのしるし」。聖母の加護を持つネコの伝説も面白や、と。
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雑。花暦ならぬ鳥暦によれば、三月下旬はフクロウの類が夜に騒ぐ季節とのこと。とりわけ人家の周囲ではけたたましいそうで、"who, who, who are you?" と例の誰何を連発し、不吉の到来を告げるのであります。いずれにせよ天候不順の季節ですので注意するにこしたことなし、と。絵はグールド。
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雑。ステッド編集『幽霊実話集』(1891)に複数報告されている「シロウサギの幽霊」が面白いのです。応接間などに突然出現し、家具の間を走り回ってから壁に消えていくというのが典型的なパターンで、目撃者の対応もさまざま。騒ぐメイドたちをびしっと叱る奥様が素敵です。
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イースターは卵型のものをプレゼントする季節でもあります。先般紹介したハンドクーラーもそのひとつ。デビュー前のお嬢さまに、汗ばむ手は淑女の恥ずべきところと伝えつつ。ドレスの色に合わせて何種類も揃える向きもあったようです。写真のは孔雀石。
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さて明日は春分の日。西洋的にはイースターの季節の始まりでしょう。早いと3月22日、遅いと4月25日になるという移動祝日ゆえ、関連グッズ等は早めに展開。写真は老舗ノイハウスの2023年限定版エッグチョコ。お値段31・5ユーロはなかなか。
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季節。そろそろイースターの気配が漂いはじめる頃。グリーティングス業界の書き入れ時でもあります。タマゴとウサギを消費しつくしたあとは、ひよこさんの擬人化シリーズ。ヒヨコ探偵と悪党でハッピーイースターですから、ついていくのも大変。1910年代の絵葉書から。
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暦。3月18日は英国のエドワード殉教王(962-978)の命日。異母弟を擁立する継王妃の策略によって暗殺されたとされる悲運の少年王であります。渡された杯を飲もうとしたときに後ろから刺されたとされ、以来英国では「飲酒の誓い」pledging in drinking という独特の習わしが生まれたとかーー
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3月17日はネコの守護聖人ニヴェルのガートルードの祝祭日でもあります。こちらのネコ担当は1980年代に入ってからの新機軸のようで、先の「マリアのしるし」が広まりだす頃と一緒という印象。教会がネコ方面へアプローチを始めていたということでしょうか。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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ーーこのお話はあちこちで語られていますが出典はいまひとつ不明瞭。ざっと検索したところアリエストサイテーションは1978年の猫本。もう少しさがしてみたく思います。
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猫伝説。「マリアのしるし」mark of Mary 。幼子イエスが冬の寒さに震えていると猫がやってきて体を温めたという話があり、お礼にマリアさまが猫の額を撫でたとのこと。以来、多くの猫の額にマリアさまのMの字が浮かんでいるとう伝説であります。ローマ文字で?などと疑問を抱いてはいかんのですーー
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ーーたまにペットで持ち込まれた個体が逃げて見つかったりすると教会まで巻き込んで黙示録的騒動になったとのこと。ガマガエルも同じく棲息していないのですが、こちらは持ち込まれた外来種が繁殖しつつあって問題視されています。
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3月17日はアイルランドの守護聖人パトリックの祝祭日。いろいろ伝わる奇跡のなかでも有名なのがアイルランドからすべての蛇を追い出す話。なんでも巨大な太鼓をたたいて蛇を駆逐したそうで、当の太鼓も聖遺物として長らく飾られていたとか。  なお実際アイルランドには蛇は棲息しておらずーー
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続・聖パトリック祝祭日。アイルランド紳士の正装に欠かせないのがシレイラと呼ばれるブラックソーンの杖。スリープの魔法が備わっていて、これでぼこっと殴ると相手が眠るそうです。アイルランドの喧嘩の場面にはたいてい描かれています。
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暦。3月17日はアイルランドの守護聖人パトリックの祝祭日。何度も書いておりますが、この日は喧嘩祭りになることで有名です。死の床にあったパトリックその人が「悲しむな、むしろ騒げ」と言い残したそうで、以来飲んで騒いで殴り合うのが正しいのだそうです。絵はクルックシャンク。
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#最近覚えた覚えなくていい英単語 outmiracle  (vt) (より上位の奇跡によって)奇跡を無効化する 地方の聖人が行うささやかな奇跡などを大聖人が制圧したりする際に用います。転じて、小さな発明を大発明で潰す場合などにも使用。覚えなくてもいいとまではいいませんがーー
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暦。3月15日は聖ロンギヌスの祝祭日。キリストに槍でとどめを刺し、のちに改宗したとされるローマの軍人。このとき刺したのが左わき腹か右わき腹かに関して白熱した神学論争があったそうです。右利きの人間が相手に正対してわき腹を刺すなら左側になるというのが普通の見解ですがーー