西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(新しい順)

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花。ゴーストフラワーと呼ばれる種は複数あって、意外に同定が難しゅうございます。ゴードンの花の子供たちのそれはナンバンギセル系か。写真はウィキにあるギンリョウソウモドキすなわちシルバードラゴンですからこちらもかっこよい。いずれにせよ月光のなか白く浮かぶ幽玄なり、と。
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花暦によれば5月9日の花はソロモンズシール。ソロモン王の印章といういかにも魔術的な名前の植物なのですが、意外にそれらしき伝承が少ない。名前の由来は根の部分の断面が六芒星に見えるというもの。しかしいまひとつ図版的支援に乏しいのであります。プランツロアはなかなか難しいということで。
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続・ブーツと悪魔。古来英国には古靴をラッキーアイテムとする発想があり、旅立つ人にぶつけたりするわけです。古靴に入る子猫もまたおそらく幸運をもたらす精霊の類を表しているのでしょう。面白や、と。写真は当館のドアストッパー。
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暦。5月8日はバッキンガムシャーの霊能聖職者ジョン・ショーン(?-1308?)の記念日。痛風と歯痛の緩和に長けていたとされ、それらをもたらす悪魔をつかまえてブーツに閉じ込めたとの逸話持ち。悪魔は新たな居場所が気に入ってしまい、そのまま住み続けたとかーー
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雑。1760年代のロンドンに「珍品カフェ」なるものがあったそうで、変なものばかりを展示していたとのこと。いわく「ソロモン神殿の一部。トロイ遺跡で発見された金属片。聖アントニウスの骨で作った数珠。ピラトの曾祖母の帽子。無限蝋燭・・・」。見世物小屋のアイテム群の安息の地なのかーー
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時事。さて戴冠式に用いられる宝飾類はロンドン塔にて厳重に保管されているのですが、それでも1671年に一度盗まれたことがあるとか(その後回収)。ともあれ大鴉や幽霊たちが警戒の任にあたっているはず。図は1896年の戴冠宝飾の展示状況。当時の評価価格300万ポンド(換算600億円?)とか。
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雑。18世紀のロンドンでは、ミルクメイドたちがメイデイから一週間ほど街に繰り出してはページェントを繰り広げ、道行く人々の目を楽しませていたそうです。19世紀に入ると産業革命の余波で乳業も機械化し、ミルクメイドたちは数を減じてほぼ消滅したとのこと。図はホーンの暦本から。
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暦。5月3日は十字架発見の日。320年頃のこの日、コンスタンチヌス帝の母ヘレナがエルサレム近郊にてキリストが架けられた十字架その他を発掘したとのこと。やがて十字架の木片は王侯貴族に下賜される至宝となり、いくら配っても本体は減らない有難さーー
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雑。日頃は意識することのない「森のこころ」。五月をさかいに勢力を増し、肉体と魂の結びつきが弱い者たちをとりこんでしまうのだとか。牧神の笛の音にさそわれて、踊りながら森に消えていく子供たちはグレアム・ロバートソンが好んで描く主題であります。
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花暦。5月1日は友人や家族間でスズランを贈りあう日。可憐な白い花は聖書にもたびたび登場するため、『絵入り聖書花言葉集』(1880)でも表紙に登場。花言葉は unconscious sweetness 。意外と訳がむずかしいのであります。
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メイデイにつき再掲。とある映画とコロナ禍のせいでこの行事がまた廃れたとの声も聞こえてまいりました。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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The Old Shepherd’s Chief Mourner 「老羊飼いの死を悼む喪主」、では少し違うか。身寄りのない羊飼いが亡くなり、お通夜をしてくれるのは犬だけ、と。 twitter.com/bijutsufan/sta…
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暦。さてメイデイ。当館ではグレアム・ロバートソンの『五月の朝の仮面劇』(1904)を推す日となっています。夜明け前、妖精女王と妖精たちが魔法の朝露を集めるのです。それで洗顔すると美しい人はより美しく、そうでない人はそれなりに、とどこかで聞いたようなーー
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雑。4月28日は通称「世界二周山羊」の命日。この雌山羊はミルク供給担当として「ドルフィン」号に乗り組んで世界を一周し、さらにキャプテン・クックの「エンデバー」号で二周目を果たし、その功績を認められて海軍本部より年金を貰って余生を送っていたとのこと。1772年にグリニッジにて死去。
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犬。英国の小説家ユーイング夫人(1841-85)は愛犬にカード占いをさせていたと評伝にあるのです。クイーンを四枚並べて一枚を引かせると、その日の夕食が決まるとのこと。ウェールズラビット、ブルーベリープディング、ポークソーセージ、パンケーキの四択だったそうで、どれも美味しそうです。
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雑。魔法合戦もの。チューダー・ジェンクス『イマジノーション』(1894)収録の一篇では、砂漠を舞台にいまひとつ頼りないマジシャンとウィザードが秘術を披露しあいます。詠唱が長すぎて実戦の役に立たないという指摘があったり、使い魔が出先から電報を打ってきたりと、面白いのでありますーー
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暦。4月25日は聖マルコの祝祭日。幽霊目撃の特異日ともされていますが、(ああ、いるなあ)で済ませてしまう英国ではあまり意味がないようです。深夜に教会の玄関に座っていると近日中に亡くなる人の生霊に会うといった系統の話も多いです。図はハムレットの幽霊。
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面白いですねえ。ロケット鳩は聖霊を表し、表にある山車みたいなのは地獄の門。磔刑によって肉体から解放された聖霊が地獄の門を破壊し、なかから無数の魂が解放される様子を表現しているのでしょう。そして聖霊は再び現世に戻ってキリストとして復活する、と。 twitter.com/vismoglie/stat…
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シャドウ。影絵の魔術性は万人の知るところ。戸口にマクラカバーやシーツを張って後方に光源を配置するスクリーン型影絵ならば複雑なストーリーも展開できるのであります。細い棒を使ったネコの造形が面白うございます。図版は『少年少女の本棚』(1955)から。
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#ドラゴンの日 以前も紹介したチューダー・ジェンクス『ドラゴンのお話(作り話保証)』(1896)。木を切り倒し森を荒らすヒトを退治する若かりし日のお父さんドラゴン、その勇姿を子供たちに語り聞かせるお母さんドラゴン。「騎士はちゃんと甲羅を剥いて食べないとおなかを壊しますよ」ーー
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#ドラゴンの日  さて今年もまた4月23日すなわち「ドラゴンの日」が近づいてまいりました。一般には聖ジョージ祝祭日だったりしますが、そこはそれ。大多数のドラゴンは書物のなかに棲息していますから、書物の日でもある23日にみなさんのお気に入りのドラゴンを紹介してください。
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雑。『地理の愉しみ』(1868)に収録されなかったランカスターの原画も面白うございます。ディック・ウィンテントンと猫がスコットランドで踊るという、なんらかの政治風刺なのかもしれませんがよくわからない。ロンドン・エジンバラ間の鉄道開通を祝っておるのかもしれません。
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小鳥暦によれば4月20日は英国にてカッコーが初鳴きする日。ということで関連伝承ーー カッコーの初鳴きを聞くとき ・銀貨に触るとラッキー ・野原に立っているとラッキー ・右手から聞こえてきたらラッキー ・朝方、布団から出るまえだとアンラッキー ちなみに鳩時計は正確にはカッコー時計。
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#高かったけど買ってよかった本 二次大戦中にアメリカで出版された防弾聖書。軍服の左胸ポケットにぴったり収まるサイズで、鋼鉄の表紙が弾丸を防ぐのであります。魔術研究には関係ないのですけど、面白い資料としてつい出来心で購入。
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雑。beadle といいまして、教会や学寮の「典礼吏」と訳されます。礼拝のときにいろいろな手配をし、また手にした杖で居眠りしている会衆の頭を小突いてまわるのがお仕事。おかげで評判が悪く、発音が似ている「チャバネ色のアレ」に例えられるのであります。19世紀英国の風景として。