西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(新しい順)

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さて今週からバプテスマの聖ヨハネ週間。クリスマスが冬至と重なるように、この祝祭は夏至と重なり、さまざまな要素が反転しているのが面白うございます。魔女が空を舞い、魔物の王が地のおもてを歩くとされるのも、東方の三博士の戯画化でありましょうか。絵は雰囲気重視のWGRから。
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雑。グランヴィルの魔女論を拾い読みした少女が独身の伯母を魔女だと思い込むという事案。ラム姉弟の『レスター夫人の学校』(1809)にある一編ですが、デント版(1899)のウィニフレッド・グリーンの挿絵はなんとも美しいのであります。意外な形で心に残る読書の風景なり、と。
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暦。6月17日は雄の錆び猫の日。1826年のこの日、ザ・タイムズ紙に「立派な雄の錆び猫を相応の価格で譲渡する用意あり。連絡先はーー」との広告が掲載され、人目を集めました。錆び猫は三毛猫の一種で、遺伝子的にオスが生まれる確率が極めて低く、雄錆びは古来より幸運の象徴なのであります。
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季節。夏至の頃、トワイライトのなかでフェアリーダンサーズに出会う子供がいます。誘われるままに一緒に踊ってしまい、踊り疲れて帰ろうとすると例の「帰るの?」「帰りたいの?」「帰れると思ってるの?」の三連発。結構怖いです。帰還法はいろいろと。絵はマルムシュトロム(1829 -1901)。
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季節。夏至の頃は wraith いわゆる生霊の話題が多くなります。黄昏のなかでうとうとすると、どこかの風景のなかを歩いている自分を見出したりするのです。なお生霊は草花のゲートをくぐると元の体に戻るのだとか。ゲート前にたたずむそれは魅力的であります。
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雑。獰猛な野獣も聖人のまえでは友好的になるという伝承。いろいろと伝わっておりますが絵になるのはやはり聖ブリジットでしょうか。オオカミ好きの王様のもとに息のかかったオオカミを送り込むあたり、したたかなり、と。ブラウン『聖人と友好的な獣の書』(1900)から、絵はファニー・コーリー。
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季節。『夏至の夜の夢』の妖精女王 Titania。この発音がいろいろあって難しいのであります。  ティターニア、ティテイニア、タイターニア、タイテイニア。舞台や映画での発音もばらばら。発音フォーラム(あるんです)の議論でも結論が出ず。ともあれお姿はお美しいと。
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夏至に関する伝承 ・新しい服を川につけたあと、裏返して椅子にかけて乾かす。すると正午あるいは真夜中に将来の伴侶が服を元に戻す姿が見える。  川につける、裏返すというのは魅了消去の形式。それを戻しにくる生霊を観察するという形式でしょう。夏至の頃はこの種の術式が多いのであります。
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雑。ホーンの暦本によれば6月11日から7月2日までをミッドサマーあるいはナイトレスデイズと称するとのこと。この時期は妖精の力が最大となり、チェンジリング等のさまざまな怪しい事案が発生するのであります。図はグレアム・ロバートソン『黄金、乳香、没薬』(1907)から「夏至前夜の仮面劇」。
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雑。draco volans ( "flying dragon") 。特殊な球雷現象を表す古語といってよいようです。現在では draco volans といえば熱帯のトビトカゲを指すことがほとんど。  1668年のアンソニー・ウッドの記録によると「夕食後、9時か10時だったか、空からドラコ・ヴォランが降ってきたーー
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本日は #時の記念日 ということで関連伝承。 ・古い時計のねじを巻いて動かすと忘れていた何かが動き始める ・割れた砂時計の砂はアンラッキー 割れた砂時計の砂はいろいろと呪術的応用が伝わっておるのです。
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雑。ホーンの暦本によれば、時折り教会墓地の土中より小さな砂時計が見つかるそうです。副葬品として棺に納められたもので「汝の時の砂は尽きたり」の意があるとのこと。きっちり死んどけということらしいです。この種の砂時計をコレクションする人もいるとか。小ネタとして。
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猫魔術。猫の国で一番歓迎されるのが身寄りのないおばあさん。夏至の頃に猫の国へのゲートが開くと、黄昏のなかからかつての愛猫がやってきて、よろしければこちらにいらっしゃいませんかと招待するのだそうです。そして誰もいなくなるという静かな静かなお話。この季節の恒例のトピックであります。
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雑。カエルの鳴き声を音楽として捉える作品も。ドレクセル・ビドル『フロッギー・フェアリーブック』(1896)は、いわば「カエルの国のアリス」。カエル楽士とともにカエル国にまよいこんだエルシーがカエル舞踏会に招かれ、そこにガマ王が襲ってきてカエル王子が応戦するという両生類的修羅場ーー
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英国の鳴く虫に関して再掲。虫の声は西欧人には雑音にしか聞こえない、などということはないのであります。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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ーーコールリッジの『クリスタベル』第三部もこの図書館で読めると妖精司書が語っています。シェイクスピアの知られざる戯曲もあるそうです。絵はマリア・L・カーク。
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コオロギの声を聴きながら眠ると、たまにオベロン王の妖精図書館に迷い込むのだそうです。そこには作家の死によって未完に終わった物語の結末や、題名のみが伝わる謎の話を記した書物が揃っているとのこと。なおその図書館は頭の固い者にはただの森にしか見えないと。ヒューム『妖精国年代記』(1911)。
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魔弾用防弾チョッキに関して再掲。何事にもカウンターを用意しておくのが要諦であります。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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魔弾の作り方に関して再掲。七発六中というのは『魔弾の射手』内の設定のようです。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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暦。6月5日はカール・マリア・フォン・ウェーバーの命日。1826年のこの日、人気絶頂にあったドイツの作曲家がロンドンにて客死しています。代表作は『魔弾の射手』、遺作が『オベロン』と怪奇幻想色が強いのであります。図はエドゥアール・ハマン作「フォン・ウェーバーの最後の想い」(異題あり)。
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暦。6月4日は英国国王ジョージ三世の誕生日。かつては盛大に花火を打ち上げる日でもあり、19世紀初頭のロンドンはこの日に硝煙の匂いに包まれたとのこと。とりわけ1820年代には玩具花火「ファラオの魔法の大蛇」が発明され、大いに人気を博したそうです。こちらでいう「蛇玉」「へび花火」でしょう。
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術式。「秘蹟のシリング銀貨」sacramental shilling 。 十二人の清らかな乙女から1ペニーずつ恵んでもらい、それを教会の献金日にシリング銀貨に両替してもらう。この銀貨を上着に縫い込んでおくと悪霊が退散する。 この種のおまじないを嫌う牧師様もいて、両替をめぐって諍いもあったそうです。
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#薔薇の日 こちらはシーブルックが紹介した「ガートルード・スタインの世界一すてきな魔法円」。ごちゃごちゃとシジルや記号をちりばめるばかりが術式にあらず、と。
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暦。6月2日は #薔薇の日 とのこと。当館はヴィクトリア朝の花暦を採用しておりまして、六月の花はすべて薔薇、ばら、ローズ、バラ。六月生まれの女子は問答無用で薔薇なのであります。つぼみでも満開でも散った花びらでも薔薇は薔薇は薔薇、はびこってものさばってもバラはバラはバラ、と。
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ーー当館もいろいろ絵を収集してみましたが、先に掲げたチェンバース暦本収録のそれが一番好評であります。スペンサーの詩の一節が生んだ擬人化はなんだかんだ人気があるのであります。こちらは1850年代のアルマナックから。