西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(新しい順)

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暦。当館名物、六月はカニに乗ってやってくるの「カニ乗りおやじ」であります。毎年紹介していて、徐々にファンも増えているとか。ひげもじゃの中高年がカニの背にちょこんと座って謎の微笑みを浮かべております。かわいいという意見もあります。不気味と思うかたもいらっしゃいます――
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虹折りに関する伝承 ・地面上に藁くずを二本、十字状に置くと虹が折れる ダラム迷信集にある子供たちの儀式みたいもので、意図が不明とのこと。折れた虹は地上に落ちてくるのでしょう。実に興味深いのであります。
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暦。5月30日はジャンヌ・ダルクの命日。しかしチェンバースによれば火刑に処せられたのは身代わりの女囚であってジャンヌは生きているとの説が当時からささやかれていて、またジャンヌを名乗る詐欺師が跋扈していたとのこと。ヒロインの不死身を信じたい人も多かったのでしょう。
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ーー協会所属の靴磨き少年たちのことはロンドン警視庁も目をかけていて、巡査たちがこまめに声をかけたりしていたとのこと。このあたり、警察の「目」として利用されることもあったでしょう。写真はカッセル社編『はたらく英国』(1902)から。
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ーー少年たちは靴磨きの技量と平素の態度等によって三段階に分類され、バッジなどによって昇進を奨励される仕組みです。「卒業」は18歳前後で、その後は協会が預かっていたお金(50ポンド貯めた子もいたとか)を支度金として軍隊に入ったりオーストラリアやインドなどに移民したりーー
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雑。19世紀ロンドンの靴磨き協会が面白くてちょっと調べております。所属するのは12歳から16歳の少年たちで、貧民学校に登録しているのが条件。道具や制服は協会が支給し、営業の場所は三日おきのローテーション。毎朝協会で道具を借り、夕方にはあがりとともに返却。日曜は必ず休むことーー
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暦。5月28日は「図書室に出現する霊的美少女の日」。1583年のこの日、大学者ジョン・ディー博士の図書室に不思議な美少女の霊が現れ、書物の山のなかを飛び交いながら他愛のないおしゃべりをしました。英国魔術史上もっとも魅力的な瞬間とされています。
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雑。ロンドンの靴磨き少年。靴磨き協会に所属していて、制服を着用。基本日給は6ペンスで、一回の靴磨き料が1ペニー。一日のあがりのうち、三分の一が手取り、三分の一を少年名義で預金、三分の一を協会が取るという仕組みで貧困層の少年の社会参加と自立に大いに寄与したそうです。
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動物画家ハリソン・ウィア(1924-1906) はカササギがナイフを盗み出して庭先に隠匿する現場に行き合わせたとのこと。秘密の隠し場所ではナイフ6本、ハサミ、指貫などが見つかったと1874年のチャターボックス誌にありました。「妙なところで見つかる妖精の指輪」といった物語の原因かもしれません。
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妖精の靴屋さん。チャターボックス1874年版に収録されたそれは舞台がコーンウォールになり、妖精も通常のエルフではなくピクシーに。ストーリー自体は他のものと同一で、裸ではかわいそうと老夫婦が服を贈るとそれっきり姿を消してしまいます。同誌独特の挿絵がいい感じに不気味です。
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ーー他にも追いはぎに銃を突きつけるヤングレディーとか、同誌には勇猛な女子の記事が多いのであります。危機に陥っても知略でその場を切り抜け、優位に立つや容赦なく攻撃するというプロットが多数見受けられるあたり、時代の気分なのか。面白うございます。
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雑。少女がひとりでお留守番をしていると三人組の強盗が襲来。最初の強盗に熱湯をかけてひるんだところを肉斬り包丁で殴打、続く二人を銃で撃ち、その後は二階に立てこもって父親の帰りを待ったという事件報告が1893年のチャターボックス誌にありました。容赦なき自衛というテーマは当時の風潮かーー
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暦。5月23日は #世界亀の日 とのこと。しかしこの生き物は英国では存在感がないのです。もともとブリテン島の淡水にはカメは棲息しておらず、近年持ち込まれたアカミミガメ等の外来種が問題化しています。英語で turtle といえば turtle dove コキジバトを指すことがほとんどでありますーー
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花暦によれば5月20日はスミレとバラが交錯する日。この前後を境にスミレは消えてバラが目立ちはじめるのだそうです。控え目な幼馴染から華やかな新顔に目移りする日とのこと。いろいろともめるのであります。絵はいつものベンソンから。
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5月20日は #世界ミツバチの日 とのこと。 ミツバチ関連の伝承が多いのは、やはりあれが意識の個と全を観察する格好の素材だからでしょう。集合的に動くスォームを統制する意識はどこに存在するのか、どういう仕組みなのか。庭先にやってくるミツバチたちを眺めながら思索をめぐらすのであります。
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雑。ミツバチを招き入れる「ビー・ミュージック」という伝承。フライパンと鍵で一定のリズムを刻むらしいのですが詳細は不明。分蜂の際に演奏されるという記述多し。ただしミツバチは聴覚が発達しておらず、昆虫学的には無意味との指摘もあります。いずれにせよ興味深いのであります。
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雑。エペソの眠り聖人。俗にセブンスリーパーズと呼ばれる初期キリスト教徒たちであります。西暦250年頃に迫害されてエペソ近郊の山のなかに避難し、洞窟に入って眠りにつくこと300年。目覚めると世の中はキリスト教に感化されていて、それを知ると安息のうちに世を去ったという伝説なり。
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チャターボックス誌には事件報告もあります。1903年にフェンチャーチストリートで起きた火災の際、火のなかから猫の鳴き声を聞きつけた消防士が周囲の制止を振り切って突入。地下室に取り残されていた猫親子を救出して称賛されたとのこと。住民の避難が終わったあとの一瞬の出来事だったそうです。
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雑。チャターボックス誌には日本関係の記事もあります。図は1879年の同誌から「日本のライオンズヘッドダンス」。テキスト部分は獅子舞の説明としてほぼ正確なのですがヴィジュアルはこの通り。なんとも魅力的な獅子頭と汎アジア的背景がいい味出してます。極東の不思議国の面目やいかに。
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雑。当館でもよく話題にしております日時計 sun-dial 。そもそも時計は時間と死の象徴でもあり、庭園日時計などは夜ともなれば幽霊のたまり場になることも。「文字盤 dial は die all を意味する」といった言説も巷間広まっていて、不気味伝承の類には事欠かないのであります。
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先程紹介したチャターボックス誌。ボストンで刊行されていた児童向け雑誌ですが挿絵がなかなか充実。図は「市長のカツラを強奪するピョートル大帝」。礼拝中に頭が寒くなった短髪のピョートルが横にいた市長のカツラを借りたエピソードがあったようです。もちろん遺恨が残るのであります。
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雑。クラーケン関連を調べていて遭遇。「天敵に襲われるマッコウクジラ」の図。ノコギリザメじゃ勝負にならんだろうと思うのですが、描いてあるからしょうがないです。なお説明文では襲っているのは「ソードフィッシュ」すなわちメカジキ。ともあれ面白い絵です。1901年『チャターボックス』誌から。
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#私が一生忘れられない一言 担任の先生 「いいですか、きみたち。不倫相手は結婚相手以上に慎重に選ばなければいけませんよ」 深く心に刻まれたのであります。
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雑。フランスの女児の遊び「鳥かご」hen coop 。まず右回りでしばらくスピンして突然停止。その際に少し膝を曲げ、また両手を広げてバランスをとります。すると風をはらんだスカートが鳥かごのような形になるとのこと。そのまましばらく停止したのち、今度は左回りで同様のアクションーー
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すべての子供よ、理解せよ 文字はもともとわれらをフェアリーランドに 導くために作られたのだ さればがんばれ、アルファベットを学べ 文字を覚えよ、さればフェアリーに会える国に至るであろう   ーーアンドルー・ラング  文字は童話のためにある、と有難いお言葉であります。