西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(新しい順)

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雑。「ホワイトクリスマスは墓地が寂れる」という言い伝え。寒い時期は素直に寒いほうがなにかと好都合という意味でしょう。ちなみにホワイトクリスマスの反意語はブラッククリスマスではなくてグリーン。「グリーンクリスマスは墓地が賑わう」という対句もあります。
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クリスマス関連の伝承。クリスマス当日に―― ・家からなにかを運びだすのは不吉 ・火の貸し借りをすると不吉 ・豆を食べないとロバになる ・当日に無垢なる乙女が紡いで織って縫ったシャツは防刃防弾 ・雪が降るとラッキー、晴れてもラッキー  豆とロバの関係は不明であります。
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暦。12月12日は書物占いの日。ホーンによれば1648年のこの日、議会軍との内戦に敗れて幽閉中であった英国国王チャールズ一世が将来を不安に思い、ヴェルギリウス詩集で書物占いを行ったとのこと。指先に当たった詩句は不吉なもので、年明けの処刑を暗示していたそうです。
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雑。英国古謡にクリスマスのご馳走風景をひたすら歌うというおめでたい曲がありまして、そこでリフレインされる文言「プラム・プディング、グースにケイポンにミンスパイにローストビーフ」が術式化できそうです。スカボローフェアの Parsley, sage, rosemary and thyme の仲間ということで。
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暦。12月10日はライダー版タロット発売記念日。1909年のこの日、ロンドンに登場した英語圏初の The Tarot 。幾多のトラブルに見舞われつつも世界のスタンダードに成長する様子はイェンセン著『ウェイト=スミス・タロット物語』に詳しく描かれています。
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雑。どうも英国ではクリスマスは暴飲暴食の日という感じで、古くは猪の兜焼きといった野趣あふれるディナーも登場。ちなみに福岡では一時期、クリスマスはZ級映画鑑賞の日でした。24日深夜に予定のない人向けにTVで「シベリア超特急」などを放送していました。傷口に塩を塗るのであります。
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雑。クリスマスは多様な伝説に包まれていますが、いわゆる「サーロイン・ステーキ」もそのひとつ。チャールズ二世がクリスマスの宴席に供せられた腰肉 loin を賞賛してこれに「サー」の称号を与えたというお話。よく出来ていますが、sirloin の sir は sur (上)の別綴りで、腰肉上部の意とのこと。
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季節。ハーヴェイの『クリスマスの書』(1845)によれば「冬の炉端にはカード占いがつきもの」とのこと。占いのみならずカード手品やラウンドゲームが盛んに行われたそうです。この時期、街に買い物に行くメイドはシーズンに備えて新規のカードを購入するのがなかばしきたりという記述もーー
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#今年も残りわずかなので今年一番伸びた絵を貼る 自分が見つけた絵という意味なら、このが楽譜クマでしたねえ。
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雑。冬の炉端。前に炎、後ろに闇と影という状況で老婆がゴーストストーリーを語り、子供たちがおびえながら耳をすますのであります。この時代、老人は生者と死者の中間の存在と見なされていた、とハーヴェイも語っております。ちなみにとある童話では50歳以上は「大変なお年寄り」だそうですーー
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季節。英国クリスマスの伝統的飲み物といえばワセイル wassail。赤ワインとリンゴ酒、シナモンなどを混ぜて熱した温ワインの一種であります。かき混ぜる際にローズマリーの枝を使うのが作法とされている地方もあるとか。これを大きなボウルにいれて客を迎えます。冬の夜長の愉しみの一つなり、と。
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雑。このところ19世紀後半のハーバーズバザー誌を点検しておるわけですが、ときどき解釈が難しい絵が見つかります。1871年4月1日号にあった「当世風結婚」図。花嫁の父が娘に付き添って教会に向かう光景なのでしょうが、花嫁が象。white elephant には「厄介者、もてあますもの」の意味がーー
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時事。FIFAワールドカップにてフランスとイングランドが対戦とのこと。19世紀英国では「フランス人とイギリス人」なる子供の遊びがありました。適当な人数を二分して引っ張りあい、自陣に引き込んだほうが勝ち。負けたほうが「フランス人」になるのであります。幼児教育は大事ということで。
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・持ってるはずの本が見つからず、また買うはめになる ・異なる版を集めて内容が同じかどうか確認したくなる ・100ドルは100ドルであって円換算などしなくなる twitter.com/kodaigirisyano…
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雑。悪戯「妖精の草縛り」。草むらで寝ている男子の手足を草で縛って地面にはりつけにする。目覚めてパニクる様子を眺めてから助けてやるのであります。虫刺されが少ない英国ならではの遊びでしょう。そのまま放置して帰宅しないようにしましょう。
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雑。秋冬の夜長、娯楽が少ない19世紀では家庭内でなかなか本格的な劇を上演することが多かったようで、仕掛けも凝っています。図は家庭劇「青髭」の様子。開けるなと言われた部屋を開けてしまうとーー。子供が泣きだしても不思議ではないような。図は1868年のハーバーズバザー誌から。
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季節。19世紀のロンドン。今頃は書店のウィンドウに幾多の児童書が飾られたとものの本にあります。思いますに金箔押し装丁はゆらめく灯火のもとにあって本領を発揮するのでしょう。クリスマスのご褒美本がきらめくのも当然なのであります。ナーサリーマジックなり、と。
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暦。さて12月、ということでクリスマスの話題も多くなります。図は1907年頃の意味不明のクリスマスカード。「願いは短いほうがより伝わる」とありますが、子供を釣っているのか餌にしているのか。ウィッシュとフィッシュの洒落なのか。しばし考えるのが楽しいのでありましょう。判じ物ということで。
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暦。11月30日はスコットランドの守護聖人アンドリューの祭日。意外と知られていないのは、この聖人がルーマニアの守護聖人でもある点であります。かの国の吸血鬼たちが聖アンドリュー前夜に墓から這いだしてきて暴れるのは、もしかしたら死してなお護国の鬼たらんという愛国的行動なのかもしれません。
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シーズンイン関連。覚醒型吸血鬼の特徴も一応伝わっています。 ・七男あるいは七女 ・頭頂部の毛髪密度が希薄 ・独身 ・11月中旬から野外で寝ることを好む 映画『ノスフェラトゥ』の吸血鬼は意外に忠実な描写だったのかもしれません。
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またこの夜は生まれながらに吸血鬼の人が自己に目覚める日。突然口から青い炎を発して家から飛び出し、墓から出てきた吸血鬼たちと殴り合うとのこと。こちらは覚醒型とでも称しましょうか。街の十字路ではバンパイヤたちの不思議な乱闘が朝まで続くのであります。
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暦。11月29日夜は聖アンドリュー前夜。当館的には吸血鬼のシーズンインの日。この夜、ルーマニアでは吸血鬼たちがいっせいに墓から這いだすとのこと。啓蟄みたいなものらしいです。初日はとりわけ活動的で、棺桶を頭に乗せた状態で乱闘するそうです。一般市民は近づかないほうが賢明でしょう。
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『久保田町史』下巻にあった写真がわかりやすいかと。 city.saga.lg.jp/main/5080.html
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研究によりますとこの飾りは「馬の耳」と呼ばれていて、佐賀から長崎、大分付近に見られるとのこと。化け猫云々はわが父の与太話だった可能性高し(そういう人でした)。 「佐賀県有明海側の草葺き習俗」 petit.lib.yamaguchi-u.ac.jp/21575
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雑。鍋島の猫に関して。昭和40年代前半、福岡から佐賀に向かいますと、三瀬峠を越えたあたりから農家の茅葺屋根に不思議な猫耳が生えていたのです。佐賀出身の父の話では、化け猫除けのおまじないの一種で「この家は猫の味方」の意とのこと。本当かどうかはわかりませんがーー