西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(新しい順)

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ーーミットフォードは『佐賀怪猫伝』をもとに記しているため、龍造寺の因縁はカット。吸血猫が側室に化けて殿様を襲うのですが、正体を見破られるとハルバードを手にして戦います。いきなりファンタジー度がアップ。イサハヤ・ブゼンといった人名も漢字で読むよりかっこいいのであります。
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暦。11月29日の吸血鬼シーズンインを前に、関連話題を。  英語圏で見かける vampire cat という魅力的なモンスター、その正体は鍋島の化け猫。ミットフォードの『日本昔話』(1871)で紹介されたものが各所で再話され、微妙に変容する様子が面白いのであります。絵はミットフォードからーー
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雑。旅立ったお猫様の祭壇用、ツナ缶を模したキャンドル。好物で供養するという発想はユニヴァーサルでありますが、キャンドルにするアイデアは秀逸なのかもしれません。副葬品の魔術性という観点からも興味深いのであります。
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暦。#ペンの日 とのこと。  さればとペン関係の伝承を探そうとするも意外に見つからないのであります。金属ペンは比較的近世の製品ですし、羽ペンは消耗品ですので魔力保持器には今一つ。重要なのは文章の内容と美しい筆跡でありましょう。写真は当館所蔵の19世紀の矢立と羽ペン。
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おまじない。未婚の女性が11月25日に聖カタリナ関連の礼拝堂近くにある井戸で以下のお祈りを唱える。  夫が欲しいです、聖カタリナ様!  それもハンサムで、聖カタリナ様!  お金持ちで、聖カタリナ様!  なるべく早く、聖カタリナ様! その晩、将来の夫を夢に見るであろうーー
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聖カタリナに関して再掲。既婚女性の件で補足しますと、離縁や死別によってもっとましな夫が出現する、あるいは既存のそれが改心してグレードアップするとのこと。ホーンの暦本から。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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暦。11月25日は聖カタリナの祝祭日。高齢独身女性の守護聖人でもあり、英国では11月25日にそういった女性たちが Catharning カタリナ集会なる女子会を開く伝統があったとのこと。集会の詳細は不明ですが「楽しく騒ぐ」とされています。図は調子に乗って言い寄ってくる権力者を足蹴にするカタリナ。
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暦。11月24日は2022年のサンクスギビング。この日のご馳走の七面鳥から採れるウィッシュボーンで願い事のおまじないをするのは伝統儀式。図は南北戦争中の陸軍でのサンクスギビング・ウィッシュボーン。いいおっさんたちが子供のように。
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暦。勤労感謝の日は米国のサンクスギビングの翻案日という説もあります。よくわからんのです。とりあえず日頃の勤労に感謝して、寒い晩秋の朝にあたたかい布団のなかでいつまでもぐずぐずしていていい日とのこと。勤労していなくてもぐずぐずしていていい日なり、と。
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なにやらトレンドにジャイアントキリングが。 巨人殺しはヘラクレスもやりますが、大番狂わせという意味ならこのジャック君でしょう。豆の木のジャックと類似していますが、やり口はこちらのほうがえげつないのであります。
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暦。11月22日は音楽と音楽家の守護聖人セシリアの祝祭日。聖女セシリアは楽器を奏でながら神を賛美したと伝えられ、「その声を聴く人は天に昇り、天使はその声に魅かれて地に降る」(ドライデン)とまで称されています。オルガンの考案者ともされ、図像は各種楽器とともに描かれます。
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雑。マザーグース世界では猫はひどい目に遭うことが多く、井戸に放り込まれたり戸棚に閉じ込められたり。ただし生死は不明なわけで、観測されないかぎり未来は不確定というあれはその表現においてマザーグースなのではと考えたりもするのであります。
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#どうでもいい報告をする 知りあいの老人73歳がスカイダイビングに挑戦したのは、着陸して「わしは舞い降りた!」と言いたいだけだったと判明。
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雑。人体と十二宮七惑星の照応図。興味深いのは、七惑星の照応にヴァリエーションがある点でしょう。男女で照応を変えるシステムもあるようです。時代が進んで電気知識が増えると人体にプラス極マイナス極を持ち込む例も登場します。それなりに論理性というか整合性を求めるのであります。
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ストーンヘンジがトレンド入りしているので再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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続・つけぼくろ。人体を小宇宙と見なす発想は普遍でありますが、顔面ホロスコープという分野もあって、ほくろ占いのベースとなるわけです。つけぼくろは人為的に星を操作して運や力を呼び込む魔術作業とも考えられますので興味深い領域なり、と。図は1657年の観相術大全から。
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ーーチェンバースによりますと、貴婦人の手にキスする習慣はこの頃に生まれたとか。頬や唇には有毒物質が塗布されていて危なかったから、と。ともあれすべては清教徒革命で一掃され、しばらくは清楚な装いが是とされたとのこと。
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雑。17世紀初頭の英国宮廷ではつけぼくろは涙の表象として弔意を表すものだったそうですが、おしゃれとして流行するうちに星や月の形となり、太陽はパエトンの馬車として額を横切る始末。ここにお化粧が加わった結果「化粧にあらず、塗装なり」との警句も登場ーーシンボリズム的には面白いのですがーー
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雑。犬の名前「ポチ」は Spotty の音写という説。なんでも日本での初出は明治19年刊行の小学読本とのことで、ならばと見てみると挿絵に西洋の読本の影響が濃いのは瞭然。同時期のアメリカの読本にも Spot なる犬が登場していて、この説はかなり説得力があるような気がします。
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米国で紹介された天岩戸神話に関して再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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雑。異文化の神様の取り扱いは難しいのであります。1926年の米国児童雑誌『ウィー・ウィスダム』で紹介された「天岩戸」のお話は、ストーリー的には問題ないものの添えられた挿絵が微妙(ですがそれはそれとして魅力的な絵ではあります)。ちなみに教訓は「兄弟げんかはやめましょう」。
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雑。英国では長らく1666年のロンドン大火はカトリックの放火とされていて、荒唐無稽な推測も登場します。大火の翌年に出た小冊子ではイエズス会士がキツネを訓練して放火する模様が描かれました。尻尾に松明をくくりつけたキツネが暗躍するのであります。忍者犬か、と。
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暦。11月17日は「エリザベス女王の日」。エリザベス一世の即位を記念する祝日だったのですが、1666年のロンドン大火以降は反カトリックの火祭りと化しました。ローマ教皇の人形を燃やして騒ぐ日となり、その狂騒は18世紀初頭まで続いたそうです。この頃はなにかあれば人形を処刑していた雰囲気です。
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雑。パトラッシュはテキスト通りに描くと意外にかわいくないのであります。1927年のフラー版をごらんください。この犬が失意の少年に寄り添うから感動するのか微妙なところ。なおアメリカの教科書に採用される省略版は途中で無理やりハッピーエンドにする乱暴な代物。ルーベンスの出番なしーー
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雑。「怠惰なカエル」という教訓話では、ただ口を開けてなにかエサが飛び込んでこないかと期待してる無精なカエルのもとに百舌鳥が出現し、図のような有様に。英名 shrike というかの鳥は串刺し公なみの魔性として児童向け書物ではあまり見かけません。モラン第二読本(1905)のこの絵はその意味で貴重。