西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(新しい順)

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暦。11月15日は解呪師 anti-conjurer の日(当館の提唱)。スコットランドの解呪師は聖なる湖を力の源としていて、その水で呪われた場所を清めたり憑き物を落としたりするとのこと。頼るべき湖は図のような妖精湖でありまして、見ればわかるそうです。散水の際に用いる木の枝は人によって違うのです。
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ちなみに同誌1932年5月号には「人形のお祭り」と題してまさに日米人形交流を描く短編が掲載されます。宣教師の両親とともに日本に住む少女リリー・メイが仲良しの日本少女チェリーブロッサムと人形遊びをしていて人形交換を思いつくというもの。このあたりは実際の出来事を反映しているのでしょう。
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この短編が掲載されていたのは『ウィー・ウィズダム』誌1925年3月号。日本の少女がワシントンに向かうという設定は日米人形交換交流事業を思わせますが、こちらが始まるのは1927年。むしろこの種の物語が人形交換のヒントになったのでは、と。
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――チェリーブロッサムと名乗る少女はワシントン駐在の日本大使の姪で、蛾の姿で伯父に会いにいく途中でペギー・アンの不届きな台詞を聞きつけたとのこと。ともあれアメリカの少女に日本の着物や雛祭りについて知識を与えてから旅を再開します。ディアリング・ムーア「ペギー・アンの冒険」から。
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珍品。借りてきた少女小説を読みたいのに、その前に地理のお勉強をしなければならないペギー・アン。思わず「日本? どうだっていいじゃない。そんな間抜けな国、初めて聞いたわ」と言ってしまいます。するとどこからともなく「それは聞き捨てなりませんわ」と声がして、日本少女の霊が出現ーー
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暦。牛追い祭りといえばパンプローナのそれが有名なれど、かつては英国でも行われておりました。リンカンシャー、スタムフォードでは11月13日に市街に牛を放ち、みんなで追いかけられて騒いでいましたが、野蛮にして危険ということで1830年代に中止され、現在では牛の人形のパレードという無難な形に。
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追加。男児に女児服を着せて育てる例。ポーズをとっているのはウォルター・クレイン。母親と一緒なのがロバート・ルイス・スチーブンスン。どちらもオフショルダーなのが興味深いところ。この格好で育てるのは4,5歳までで、以降は男児服。11歳からは豆紳士風になるんだそうです。
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雑。青年だったり、少年だったり、図像が安定しない冬の使者ジャック・フロスト。とりあえず持ち物として絵筆とパレットは確定であります。ただし野山を紅葉で彩る筆あり、氷結した窓にアーカンサス風のパターンを描く筆あり。いろいろあって面白うございます。
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男児に女児服を着せる習慣に関して再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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これは男の子の可能性がありますね。当時、男児に女児服を着せて育てる習慣があったのです。とりわけこのオフショルダーの服はそういった場合によく見るのであります。 twitter.com/wikivictorian/…
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オールドバチェラーにはいろいろと心得らしきものも伝わっていて、いわく身なりを整え、世間には善意を基本に応対すべし。また一点、やや高価なものを身に着けるべし、と。それは指輪であったり懐中時計であったりするわけですが、行き倒れた際はそれを売却して葬儀費用に充ててもらうため、と。
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――一生を不可思議な研究や探検に費やし、その方面で名をなしたり著作を残したあとはカントリーサイドで隠居して犬を飼い薔薇を育てる日々。 "With a dog and a few good books"  英国異能紳士の面目躍如たるところでありましょう。写真はオールドバチェラーの典型、W・グレアム・ロバートソン。
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#独身の日 当館でもよく話題にしておりますオールドバチェラー。未婚のまま50歳3カ月3日を過ぎた独身男性に与えられる称号みたいなもので、19世紀英国富裕層の次男三男に多かったのであります。相続から外されるかわりに家族年金をもらうため、とりあえず食うには困らないという気楽な身分ーー
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雑。ティーカップの底に残った茶葉、空の雲や枝にかかる蜘蛛の巣の模様などから意味を読み取る占術。ランダムシェイプ系とでも称しましょうか。これからの季節は雪の上に残る足跡もリーディング対象となるのであります。猪とか熊とかの足跡は危険信号ということで。絵はウォルター・ボベット。
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雑感。昨夜の月食観測。自分としては月食よりも天王星の撮影ができたことにより、かの惑星が急に身近に感じられるようになった点が大きいのであります。あれは肉眼ではまず見えないわけで、アグリッパもジョン・ディーもウィリアム・リリーも認識していなかった薄い青色の夢と申しましょうかーー
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撮影。当館の機材(キットレンズの望遠)ではこれが限界。それでも天王星がちらりと見えたので満足であります。
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ーー月の女神は森の女神となる一方、天界では新たな月の女神が誕生するのだそうです。結構もめそうな手続きかと。このあたりはグレアム・ロバートソンの美しい物語から。月食日食は無数の伝承の宝庫であります。
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暦。月食に関する伝承 ・月の女神が顔をそむけている ・巫女が月の女神を地上に降ろして悪しき願いをかける ・民は鍋その他を打ち鳴らして悪しき願いを打ち消す ・月食中に薬草を煎じると効果倍増 ・巨大なドラゴンが月を食している 地上に引き降ろされた月の女神は森のなかをさまようとのことーー
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ナーサリーマジック。お家のなかには、アイデアが湧きやすい場所、いろいろ空想するのに適したお気に入りの空間があるもので、それは押し入れであったり階段の真ん中であったり。そして子供が遊んでいた場所は幽霊が出やすいになったりするのです。心が残るのであります。
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こちらも天井ワニの資料として。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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天井ワニの資料として再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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20世紀に入ると「とにかくワニをぶらさげときゃいいんだ」と微妙な位置にくる例も。こうして絵画的約束としての賞味期限も切れていったと思われます。
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天井ワニは薬局などでも見られますが、これは医学と占星術が分離していない時期の名残でしょう。ともあれ19世紀に入ると天井ワニの意味を知る人も少なくなり、魔術師、錬金術師、占星術師の部屋を描く際の絵画的約束として多くの挿絵に登場するようになります。
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天井ワニに関してまとめておきたいと思います。 占星術では月の軌道が地球の公転面と交わる二点を「ドラゴンズヘッド」(上昇)「ドラゴンズテイル」(下降)と称します。天井ワニはこれを表現しているものと推測されます。図の天井ワニがわかりやすいかと。
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雑。久々「天井ワニ」を発見。1896年のカッセルマガジンから。この不可思議な物品は、以前は魔法使いの部屋によく飾られていたのですが最近はとんと見かけなくなりました。黒猫、鏡、髑髏、砂時計などはいまでも現役。ともあれ時代考証の手がかりにはなりそうです。