西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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ニワトコ elder に関する伝承 ・あらゆる樹木のなかで一番縁起が悪い ・切り倒すと三百年祟る ・夕暮れにニワトコの下にいると眠気に襲われる ・ニワトコの木陰は魔物たちの休憩所 ・ニワトコの樹霊は悲しい者たちの味方 十字架の木材あるいはユダが首を吊った樹とされていて不吉伝承多し。絵はWGR。
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ナーサリーマジック。四柱寝台にはいろいろと伝承が多く、柱一本一本をマタイマルコルカヨハネや四大天使に見立てて睡眠中の加護を願います。あるいは小さな妖精さんを住まわせて夢を制御する法も。「西から来るのは赤い夢、東からは黄金の夢、月から降る銀の夢」という呪文で妖精さんを起動します。
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季節。お皿に干しブドウなどを並べてブランデー等を注ぎ、火をつけます。そして素早く拾って食べるゲーム「スナップドラゴン」。クリスマスの遊びとされていますがハロウィンにも行われますし、シンボリズム的には万霊節こそふさわしい。食べた干しブドウの数が救われた魂の数であります。
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ナーサリーライムに登場するおばあさん猫さん。市場に卵とバターを売りにいくのですが、休憩中にカラスが籠に入り込み、卵を割ったりバターをかき混ぜたり。  おばあさん猫さんは籠の蓋を閉じてカラスを閉じ込め、そのままかまどに入れてカラスパイのできあがり。どこか余韻の残るライムです。
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雑。リリアン・ベルの『オールドメイドの恋』(1893)の装丁にある紋章がよいのです。独身女性の随想という体裁で、「わたしは紅茶が好き、猫が好き。おいで猫ちゃん、一緒に年をとろう」という感動の一節があり、読書界で高い評価を得たそうです。オールドメイディズムの傑作とのこと。
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衣装。19世紀のレバノンにてよく見られた女性の外出姿。頭に一本角の装飾帽をかぶってフードをまとうとこのようなシルエットになったそうで、なかなかの雰囲気だったとのこと。1899年のチャターボックス誌から。
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6月25日は #船員デー 。ということで船乗りに関する伝承 ・魔女からロープで縛った風を買う(六ペンス) ・金のイヤリングをすると視力が増す ・馬のしっぽとイワシが嫌い(その形の雲が嵐の予兆) ・ウサギの話は船上では禁忌 ・出港時に追いかけてくるカモメは死者の魂 主に英国系の伝承です。
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#猫の日  黒猫をラッキーシンボルとする文化圏も多いのであります。一次大戦中、お守りの黒猫ぬいぐるみを失くした戦闘機乗りが、出撃命令を拒否してパリまで新しいぬいぐるみを買いにいくというエピソードが『スーパーナチュラル・ウォー』(4月下旬刊行予定)に。エースたちは縁起を担ぐのです。
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雑。美貌の令嬢が貧乏な青年弁護士に恋をしてしまい、悩んだあげくに突拍子もない行動にでるお話。果たし状で青年を呼び出し、自分と結婚するか決闘するかを迫るのであります。「使い慣れたラピエも持参しております。一時間ほどお考えくださいませ」ーー『絵入りバラード集』より。
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雑。曼殊沙華の英名はスパイダー・リリー。1891年のアメリカ園芸カタログ輸入球根特集ではトップを飾っておりますが、曼殊沙華が持つ不吉な影は伝わっていない感じです。彼岸花 the flower of the other side という表記も「こっちで咲いとるやないかい」と突っ込まれます。
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9月3日は #怪魚の日 。1632年のこの日、ロンドンにて怪魚を集めた見世物小屋が開店、大いに注目されたとのこと。人の獣化はよく聞きますが、魚化は報告例が少ないようです。堕落した海辺の教会が天罰で水没し、破戒神父や修道士が怪魚と化すお話はそこそこ伝わっています。おぞましや、と。
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#ドラゴンの日 グリム童話にはよくわからないドラゴンも登場。お姫様をさらったのはいいものの、海上の岩礁でただ二人してのんびりしてるだけというドラゴンさま。結局退治されてしまいますが、なにがしたかったのか。お姫様もどこか他人事ふうでいい味出してます。絵はアニング・ベルとラッカム。
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雑。19世紀末には「ネコのお茶会」は一個のジャンルとして成立していたようです。それぞれ、子猫用、若猫用、成猫用と描写の分化も進み、ネズミが出て騒ぎになるとかフランス帰りのお嬢様をめぐる鞘当てとか、お約束の展開も。背伸びをする中産階級の戯画とも解釈できますので、興味深いのであります。
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#スズランの日 英国では別名を「五月の百合」。あるいは「天国への梯子」。花言葉は「ふたたび訪れる幸福」「繊細にして素朴」。聖母教会に捧げられる花ですから、基本的によい話しかありません。幸運の象徴として絵葉書等で大々的に採用されます。図像はファベルジュの宝飾スズラン。
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季節。そのあたりに生えている彼岸花、英名 Red Spider Lily 。英国へは比較的近年に導入された園芸種であるため、これといった伝承がありません。いまのうちに「夜歩く」「地下の死骸の血を吸って赤くなる」などとささやいておくと、100年くらいで吸血歩行植物に進化するかもしれません。
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雑。風に乗って運ばれる黄色い葉っぱを追いかけていくとフェアリーランドにたどりつけるという伝承。別名を遭難と言いそうなので推奨できません。妖精の赤い靴はダンス用、黄色い靴は移動用との説もあり、興味深くはあります。異界転移の術式は季節別に豊富なのでいろいろ集めております。
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さて #13日の金曜日 。何度も申しておりますが、トリスカイデフォビア「13恐怖症」はもっぱら英国の病だったのですが、一次大戦を期に世界中に広まったとのこと。それまでフランスなどでは長寿を表す数字として幸運絵葉書の定番テーマですらありました。きれいなお姉さんが13を手ににっこりと。
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人と妖精のあいだに生まれるエレメンタルハーフは美貌と才能に恵まれますが、両界への適応がむずかしく、苦難が多いとのこと。ややこしいのであります。
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雑。昔、ハンティングジャケットには魔除けとしてひとつふたつ、銀のボタンをつけておく習慣があったとのこと。妖魔の類に遭遇したときは、弾丸がわりに発射するのであります。化け猫を銀ボタンで撃つと、そのボタンが後日〇〇夫人の傷口から発見されたりするわけです。図は18世紀頃の細工。
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#デブと言わずにデブを表現する 「ふとりたおした猫のような」 婉曲表現になってないような気もしますが。
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さて今年も4月23日すなわち「ドラゴンの日」が近づいてまいりました。一般には聖ジョージ祝祭日だったりしますが、そこはそれ。大多数のドラゴンは書物のなかに棲息していますから、書物の日でもある23日にみなさんのお気に入りのドラゴンを紹介してください。 #ドラゴンの日
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5月30日はジャンヌ・ダルクの命日です。救国の甲冑美少女は20世紀になると英国でも人気者となり、各種メディアに登場。一次大戦中の雑誌ではワシントン、聖ジョージ(推定)とともに表紙を飾っております。戦時中に各国が歴史上の英雄を利用する様子は『スーパーナチュラル・ウォー』を参照のこと。
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雑。perambulation といいまして、「漠然と聖地と思われる場所をゆっくりと歩きまわる」くらいの意味でしょうか。五月頃から始まる初夏の宵の優雅な散策であります。行動範囲の点検という意味合いもあり、ある種の結界形成かと。19世紀にはそれ用のドレスも登場。境界線を意識したデザインも素敵です。
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ナーサリーマジック。ユージン・フィールドの「ロッカバイ・レディー」を描いた新しい絵を発見。子供が眠るとそっと忍び寄ってきて様々な夢を運んでくるそれは素敵な存在であります。今回見つけたのは文字入りのやつ。残り二つは参考図像。この詩を暗唱しながら眠るのが術であります
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さて初夏の宵。妖精さんが人の子を誘い込むリングダンスの季節でもあります。踊り疲れて帰ろうとすると例の「帰るの?」「帰りたいの?」「帰れると思ってるの?」と怖い雰囲気。踊りながら足元にある四葉のクローバーを踏むと環が破れて脱出の機会が到来します。絵はクイープ読本 (1911) から。