西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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8月15日は聖母被昇天の日です。人間であるマリアさまは天使たちに支えられてBGMつきで昇天されたようです。合いそうな楽曲を考えてみてもよいかもしれません。「聖母の藪入り」などと不謹慎なことを思いつくのは我が身の業の深さゆえか。
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暦。1月31日は烽火(のろし)の誤報の日。1804年のこの日、スコットランドのお城で手違いから烽火を点火してしまい、たちまち周囲の全軍が警戒態勢に入ってひと騒動。結果としてよい演習になったとされた事件であります。英国の烽火は無敵艦隊の頃から活用されている光通信なり、と。
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麦藁の 家してやらん 雨蛙 ーー智月 ミラー編『日本のリトルピクチャーズ』(1925)はキャサリン・スタージスの挿画もいい感じの英訳句集であります。音節の五七五で翻訳する離れ業は名人芸の域でしょうか。面白や、と。
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雑。赤子の顔面遊び(とでも言いましょうか) 額に住むのはロンドン市長 おめめに座る二人の男 右のほっぺに雄鶏がいて 左のほっぺに雌鶏がいて ひよこが鼻からお口に入って あごでぴよぴよ遊びます こういった内容を各部位に触れつつ歌うのであります。ある種のオカルトアナトミーかもしれません。
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図のおっさん人魚がどことなくピューリタン風なのは「節制を謳いつつも放埓をきわめる偽善者」の寓意なのだとか。fishy という形容詞が「いかがわしい、うさんくさい」の意で用いられるのも覚えておきたいところ。
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思うにクルックシャンク自身がネコを飼っていたんじゃないでしょうか。締め切りが迫ってくると邪魔しにくる、作業台によじのぼってくるあたり、リアリティーがありすぎるように思うのであります。
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伝承。クリスマス当日。大人数が集まるパーティーでは、お楽しみ企画としてツリーにさげられた縁起物の抽選会も行われた模様。お菓子、おもちゃ、ちょっと高価な品などが当たったり外れたり。しばらくすると子供たちの間で交換交渉が始まり、楽しい時間が過ぎていくのであります。
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雑。サルヴァトル・ローザの「妖術」を眺めていて、足元に妙な形のロウソクを発見。こういう形式の品があったのか、自作する呪物なのか、いろいろ調べるも判明せず。面白そうです。蛇蝋燭は存在するのですが、だいたいリアルにとぐろを巻いていて、これとは違いますし。
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ーーさらに他家のお茶会で件の紳士と再会し、知らん顔して苦笑されるのもお約束というか、ユニヴァーサルなイントロというか。クリノリン引っ掛け女子もほぼ同様の展開となっています。この種の元気のよい女子に自転車が加わると19世紀の都会風景が一変していくのであります。
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ナーサリーマジック。今の季節、陽が沈んだなら「鳴く虫の声はなにに聞こえる?」は重要な感性魔法のひとつ。金管パート、木管パートを聞き分け、さらに不意のポーズで怪物の出現を察知したり。雲のかたちに世界の気分を見出すのと同様の観想であります。絵はセントニコラス誌から。
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暦。かつて英国では二月の今頃から闘鶏が盛んに行われておったのですが、19世紀半ばに残酷な見世物であるとの理由で公共の場での実施が禁止になりました。四旬節直前の火曜日が闘鶏の日とされていた点で、なんらかの呪術的意味もあったのかもしれませんーー
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あるいはケーキを指輪に通して食すと一年以内に結婚できるという伝承もあります。ブライズメイドは複数回つとめると婚期を逸するという危険な立場ともされているので、こういった救済措置がとられているのでしょう。 twitter.com/LfXAMDg4PE50i9…
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暦。昔のアルマナックには日時計が指し示す時刻をより正確に修正するための表が付録していました。3月ならば 1日 +12分43秒 6日 +11分38秒 16日 +10分23秒 21日 +9分0秒 26日 +5分59秒 31日 +4分25秒 日時計上の時刻を apparent time と称し、修正を加えたものを mean time といいます。
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雑。カントリーサイドにはフェアリーヒルとかエルフィンマウントと呼ばれる古墳の類があって、妖精さんが棲んでいるわけです。なかには悪しきものもいて、近隣の住民に迷惑をかけるため、石の十字架を立てて出入り禁止にするという伝承があります。絵はフィッシャー・ライト。
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雑。cockroach はスペイン語のクカ・ラチャ(森の虱?)を既存の英単語で音写したものだそうで、ようするにスペイン起源の災厄という認識なんでしょう。black beetle という表現もよくBBに省略されること多し。図は1872年の『コミック・インセクツ』からミルクをめぐる猫とBBの睨みあいの図。
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雑。18世紀のロンドンでは、ミルクメイドたちがメイデイから一週間ほど街に繰り出してはページェントを繰り広げ、道行く人々の目を楽しませていたそうです。19世紀に入ると産業革命の余波で乳業も機械化し、ミルクメイドたちは数を減じてほぼ消滅したとのこと。図はホーンの暦本から。
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子供に与えるラッシュリングとして最適ではないですか。 twitter.com/kusabanaasobi/…
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続・ナイチンゲール。 伝記によれば幼女時代のフローレンスのお人形遊びも一風変わっていて、人形はすべて病人設定。看病したり包帯を巻いたりしていたとのこと。このあたり、伝記作家のあとづけとも思われますが真相はいかに。(姉が壊した人形を修繕していたとの説もあります)。
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雑。意外と耳にしないのが占い師の幽霊。ムアフィールズの居酒屋でポルターガイスト化したとされる占星術師の記録はありますが、いまひとつ確証に欠けるのであります。図はホルバインの「死の舞踏」に見る占星術師。天上の学問に気をとられて死神の接近に気づかないの図。
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暦。アダムの誕生日が3月25日という説があるのです。発想としては、キリストをセカンドアダムと見なして受胎告知日をファーストアダムの誕生日とするというもの。あるいは天地創造の初日を春分としてその6日目か。図は天地創造の6日目。洪水前ですので異形のものもずらずらと。
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雑。「怠惰なカエル」という教訓話では、ただ口を開けてなにかエサが飛び込んでこないかと期待してる無精なカエルのもとに百舌鳥が出現し、図のような有様に。英名 shrike というかの鳥は串刺し公なみの魔性として児童向け書物ではあまり見かけません。モラン第二読本(1905)のこの絵はその意味で貴重。
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雑。先の老婆の話。能力のある気難しいお年寄りをからかってはいかんのであります。旧約の預言者エリシャを「はげ、昇天しろ」とおちょくった少年たちはたちまち二頭のクマに襲われます。結果、死亡者42名という大惨事。教訓なり、と。
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雑。イモージェン・ギニーの『ブラウニーとボーグル』(1888)によれば、日本のブラウニーは子供たちを見張っていて、買い食いや立ち話に興じていると顔面に「悪」の字を浮かべて懲らしめにかかるとのこと。どうも善玉悪玉のお話が妙な伝わり方をしたらしいのですが、まあこれはこれで面白いので。
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雑。詠唱の有効範囲というトピックに関して、参考になるのが教会内の音響設計。ロンドンとその周縁に51もの教会を設計・建立したクリストファー・レンによると「中くらいの声量が届く範囲は話者から前方50フィート、両サイドに30フィート、後方に20フィート」とのことーー
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同じくエドワーディアンの貴婦人の肖像。 twitter.com/MuseeMagica/st…