西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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雑。ロンドンでは19世紀半ばまで、12月に入ると「アルマナック」の路上販売が行われていました。カレンダーとさまざまな便利情報を業種別に組み合わせたもので、ステイショナーズカンパニーという書籍・印刷・文房具ギルドの独占販売物でしたが、19世紀末にはその業態もなくなったとのことーー
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たいていのお家ではハロウィンの頃には暖炉に火を入れていたわけで、ゆえに栗を使った例のおまじない「わたしが好きならはじけてとんで、嫌いだったらそのまま死んで」が意味を持つのであります。寒暖の境界もまた魔界への入口ですから、気を付けたいものです。
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雑。以前も紹介しました1709年の空飛ぶ船。前後の球体磁石の反発力で浮上する一方、上部の琥珀による謎の力で推進する模様。ようするに「飛行石」的発想なのでしょう。設計者によると12人は乗れるそうです。天球儀と海図を組み合わせる自動航行装置もあるとのこと。『不思議世界』(1896)から。
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もちろんクリスマスに高価な童話本をプレゼントされるのは一部の恵まれた子供たちだけでしょう。学校から貰えるご褒美本は優等生の特権。華麗な装丁で魔法と妖精を語るフェアリーブックはある種の怨嗟の対象ともなり、トロフィーと化していくのでありました。
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ナーサリーマジック。峡谷にて反響を得ようと叫ぶ言葉。「ヤッホー」が有名ですが、なかにはあやかしを目覚めさせる呪文もあるのです。木霊を呼んでしまった少年の魂は無事ですみそうにありません。デラメアの「ダンダンデリーの書」から、絵はラスロップ。
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当時の研究によると、「チャバネ色のあれ」はもともとインド出身で、大航海時代に世界展開したそうです。対抗策として、船に南米産の小型サル類(マーモセット)を乗せて捕食を担当させたとのこと。あれらも単なるペットではなかったようです。面白きかな、と。
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さて9月29日のミクルマス当日。  この日の特定食物されるガチョウ。その由来は1588年の9月29日にエリザベス一世がガチョウを召し上がっている際に無敵艦隊撃滅の一報が届き、縁起がよいとされたとのこと。もっともミクルマス用のガチョウを注文する記録がそれ以前から残っていますからーー
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雑。以前も紹介したことがある「棒型の万年暦」。これを "wand calendar" と称することもあるそうで、なにやら魔法の匂いも漂うのであります。もともとは北欧のルーン暦だったものが英国まで降りてきて庶民が用いるようになったとのこと。安価な印刷暦の普及で廃れたそうです。面白や、と。
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ブーツの悪魔に関して再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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こちらは犬猫のミクストベイジング。ハンカチ落としのキスゲームを海草で行っているようです。楽しそうです。なんだかんだ適齢期男女の出会いの場は用意されているわけで、交霊会などもこの文脈で考察する必要がある、と当館は思っております。
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参考に他の図像も。左がホーン暦本、右が農業年鑑から。乗っているカニが妙に写実的な点もいい味出してます。5月31日夜に「六月召喚!」などと叫ぶとよいのであります。必ず来るものをあえて呼ぶのは大事な心得でありましょう。
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暦。11月30日はスコットランドの守護聖人アンドルーの祝祭日。その持ち物であるX十字架はスコットランドの旗にも反映されております。世界中に散ったスコッツたちが飲んで騒ぐ日とされていて、またかの人々のスキル「セカンドサイト」が発現しやすい日とも。興味深いのであります。
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さらに『世界不思議図鑑』(1768)。カナダのビーバーは樹木をかじって倒し、川をせきとめてダムを造るというトピックがあり、文章で読む分にはおおむね正確なのですが、挿絵がつくと「なんかすごい」。ほとんど土木事務所の作業であります。これも「神が与えたもうた恩寵のなせるわざ」とのこと。
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季節。英語の daffodil は全体黄色のラッパスイセンを指しますが、白&黄色のスイセンも包括する模様。春の使者にはまた冥界の案内人の役目もあるようで、スイセンにお辞儀されるとお迎えが近いという伝承もございます。デイジー、ダフォディル、ダンディライオンと春先はDの競演なり、と。
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調べてみますと英国には一種類のセミがニューフォレスト区に棲息するのみで、それも絶滅が危惧されているとのこと。研究者が森のなかに集音マイクを設置して長期間録音を続け、セミの声が入っていないかどうか分析を繰り返しているそうです。英国でセミの影が薄いのはしょうがないのかもしれません。
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雑。グランヴィルの花の擬人化シリーズをチェック中。この方面のスタンダードですが、サタイヤとカリカチュアが効きすぎて応用が難しい印象であります。
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・ヒイラギ (障害克服) ・ヘイゼルナッツ (長寿) こういったチャーム類を多数ぶら下げた腕輪をここ一番の勝負パーティーで着用して気合を示し、他のパーティー参加者を圧倒するのが正しいとのこと。大変であります。
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雑。オリーブのカッティングボードにトネリコやナナカマドで作ったスプーン、フォーク類。日常的魔除けの定番ですが、オリーブはともかく他は最近なかなか目にしません。木工関係者にご一考をお願いしたく。写真のものは材質不明であります。
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ベラスケスが描くスペインの宮廷道化師カラバザス。フェリペ四世に仕えた人です。右手には細密画、左手には風車を持っています。風車は道化師の象徴的持ち物のひとつで、タロットの愚者が持つことも。風が吹かなければ自分で走ったり吹いたりして回転させるのであります。「運命」の比喩にも使えます。
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暦。6月4日は #虫の日 とのこと。 ウィリアム・ロスコーが1807年に発表した子供向けの詩「蝶の舞踏会あるいはバッタの宴」は好評を博し、イラスト付きの普及版が飛ぶように売れたそうです。擬人化ものながらも英国児童の昆虫リテラシーの向上に大いに寄与したのであります。続編に「蝶の葬式」。
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雑。アメリカの児童向け読本(1887)に見るドルイドの生贄図。ずいぶんと煽情的ですが、「キリスト教以前」の野蛮さを強調する意図もあるようです。オークの枝に頭蓋骨が挿してあるのもなかなかのホラー。文章は比較的冷静な記述となっています。
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7月30日は英国の詩人トマス・グレイ(1716- 1771 )の命日です。ケンブリッジの古典学者として穏やかな一生を送った人ですが、大傑作「教会墓地にて詠む挽歌」を著しています。夕暮れ時に墓地で諸行無常を想うそのスタイルは無数の「墓地派」詩人を生み出していて、英国の幽霊好きの遠因のひとつかと。
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ーーですが時がたち、ひとりなくなり、ふたりなくなり、最後に残ったドラゴンも魔法の笑い袋を過剰服用して死去。笑い袋は内容を成分分析され、笑気ガスとして世に伝わったという不思議な味のエンディングです。1922年の『ヤンゲストオムニバス』から。
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chant の定義は to celebrate by song とありますので、enchantment は「歌によって人や物品に祝福を施し、力を与えること」でよいかと。これが incantation になると若干方向性がずれて目的が祝福に限定されなくなる感じです。
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暦。3月17日の聖パトリックデイも近づいておるのです。世界中のアイリッシュたちが飲んで騒いで殴り合う日とされていて、図のライフの表紙もそんな感じ。手にするのはブラックソーンの棍棒「シレイラ」。コロナが収束してみんな楽しく殴り合える日が来ますようにと聖人に祈りを捧げましょう。