西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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雑。ラウントリー・スミスの『フェアリーベイビーズ』(1824)に登場する「インク壺の妖精」たち。一次大戦後、この種の「新妖精」が数を増やして事実上の付喪神と化していく様子は面白いのであります。絵はドロシー・デュリン。手足が生えた黒い水滴ボディーはかわいいのでしょうか。
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さて10月近し。「10月はサソリに乗ってやってくる」とスペンサーが記したのですが、手近にサソリがいない英国の挿絵画家たちにもそれなりの苦労があったようです。1849年版絵入りアルマナックのサソリは全体像不明。ともあれオクトーバーおやじがワインを片手に陽気に騒ぐのであります。
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ベストセラーとなったキッチナーの料理本『クックズ・オラクル』にいわく「不慣れなハウスキーパーや料理人に時間と手間とお金がかからない料理を紹介する。社会の中層の人々に食事の楽しさを知ってもらう」のが執筆目的とのこと。皿洗いや後片付けも視野に入っている丁寧な著作であります。
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さて11月5日、ガイフォークス・ナイト。ともあれ英国では議事堂爆破未遂事件以降、なにかあればカトリックの陰謀説が唱えられ、ロンドン大火もカトリックの放火とされてきました。終いには暴風雨すら「カトリックへの攻撃が足りないとする神の怒り」なる珍説まで登場。宗教戦争の恐ろしさなり、と。
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雑。1925年の子供雑誌11月号にて発見。クリスマスに向けて新発売、「首替え人形」。一つのボディーに複数のヘッドと衣装のワンセット。「わたしの人生でこれほど楽しかったことはない」とのフレーズがついておりますが、これ、ドン引きされたのでは、かなりこわいです。
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雑。パーラーマジック「魔女のダンス」。型紙の魔女を吊るして複数の光源を動かし、スクリーン上に複数の魔女シルエットを投射する。それ風のBGMをつけると効果倍増とのこと。影絵遊びのヴァリエーションですが、オカルト的にも興味深い分野であります。ハロウィン向き。1905年の指南書から。
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ハロウィン近し。以前紹介したおまじないを再掲しときます。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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雑。蒸気式孵卵室に紛れ込んだコカトリス/バジリスクの卵の図。産業革命の余波で万事に蒸気が適用されて巨大化・効率化が図られる世相を風刺したもの。ぱっと見でエッグプラントに見えないこともないのであります。謎の卵を温めるのはロマンチックな愚行なのでしょう。鬼が出るか蛇が出るか。
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雑。ゴブリンとホブゴブリンの違いを調べるうちに、そもそもゴブリンの定義やいかにと古い辞書を当たりますと walking spirit とありまして。この walk は「お化けとして出現する」の意でありますからややこしい。spirit は基本的に揮発性で飛びますので、あえて walk するのは沈殿しておるのかーー
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#スズランの日 タロットでスズランといえばライダー版の魔術師の足元にあるわけですが、これがヴァージョンによってえらく差があるのです。モノクロ画はもっとも原画に近いとされる1909年のOR版。一方、1942年頃に製作されたパメラBは複写士がいまひとつ線の意味を理解していないのであります。
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先程のRTに登場するダートムア。英国でももっとも魑魅魍魎が跋扈する場所でありましょう。荒涼とした人の心の反映として物語の舞台に選定されること多し。ハスルハストの絵も不気味素敵であります。
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―というわけで少女がクマさんたちにきちんと謝罪して、クマさんたちも大人の対応をして「また遊びにおいで」と手を振ってくれるヴァージョンも出現しましたが、正直いって面白くありません。やはり窓から飛び出してこその教訓話でありましょう。エルソン読本から、絵はケイト・ディール。
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雑。奥義書『ラ・プール・ノワール』(1840頃?)の扉絵。いわゆる「黒い雌鶏」でありますが、ずいぶんと煽情的な雰囲気が逆に興味深いというか。魔術師が手にする細い棒が「ワンド」のスタンダードな形であります。
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さて藪入り。最近あまり見かけなくなった用語ですが、昭和十五年に運輸省が出した海外向け観光案内『日本の年中行事』によれば、「各地の寺院にあるエンマ像に巡礼する日」「エンマはハデスの判事」とのこと。なんかよくわかりません。図は同書のエンドペーパー。結構おしゃれだと思います。
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こちらはクトゥルフ蜂蜜酒とのこと。いろいろと楽しい世界であります。 twitter.com/nektarjp/statu…
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雑。ハロウィンの真夜中に鏡に向かい、しっかりロウソクを保持したまま自分の背後の闇を見つめると「幽霊」「妖精」「将来の伴侶」etc が見えるという伝承。この絵葉書ではゴブリンがうじゃうじゃと。
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妖精の報酬に関して。エイキンドラムのように報酬を渡すと消えてしまうのもいれば、こちらのようにきっちり要求するケースも。靴銀貨の場合は、銀が有する消臭効果が含有量の低下によって弱まったという話なのかもしれません。(銀貨を入れておくと靴の臭いが消えるかどうかは別個の検証が必要か)。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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雑。靴屋さんと妖精の話にある「衣服をあげると出ていく」というモチーフの応用を発見。英国のヒルトンホールの家付き精霊がいたずらばかりするので、小さな緑のマントとフードを台所に置いてお引き取り願う話がありました。(ここの霊はコールドラッドと呼ばれていて、地縛霊説もあります)。
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さて四旬節からイースターまで、かつての子供部屋ではタマゴの殻を使った遊びが流行りました。中身を抜いた殻に顔を描いて木にぶらさげるイースターツリー、あるいはゆで卵に顔を描いたあとで頭部に穴をあけて中身を食すとか、呪術性が強いのであります。図は1916年のイースター読本から。
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暦。本日4月2日は2023年のパームサンデー、キリストのエルサレム入城の日。このときに騎乗されたロバの子孫には背中に十字架模様が浮かぶとの伝承があり、いわば神獣として有難い見世物にされたのこと。十字架ロバを撫でると家内安全、ひと撫で6ペンス。
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ーーコスプレ大会とはこちらの形容でありましょう。当時は fancy dress ball 仮装舞踏会と呼ばれておりました。図は同じカタログからフランス童話「白猫」。専用の猫耳キャップも販売されていたようです。この種のカタログをベースに他者とかぶらないようにするのが腕の見せ所なのでしょう。
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お酒はちょっとという方は、アフタヌーンティーならぬアフターライフティー。紅茶とソウルケーキで静かな夜を過ごします。ソウルケーキが手に入りにくい場合はドーナツで代用可。家具のきしみや風の音にも意味が生じる静寂さが大事なのであります。
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生のオレンジの中をくりぬいて香料を詰めるタイプのポマンダー。図の英国の財政家トマス・グレシャム(1519-79) が手にしているのがそれ。この当時の肖像画によくある小道具だったそうですが、やがて意味不明となってただのオレンジを持つようになったとのこと。現在ではレモンが多いようです。
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今でこそ世界に冠たる幽霊好きの英国でありますが、19世紀中頃までは普通に怖がっていたようです。幽霊屋敷の家主が苦肉の策で「七年契約で最初の一年は100ポンド支給、二年目は無料、三年目から家賃を請求」といった条件を出した例も(ただし途中で逃げたら罰金1000ポンド)も。
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参考図像。デューラーのフォルチュナ。運命の女神に言及する際は「マダム」と称するのが礼儀とか。さもないとミス・フォーチュンと化して災いをもたらすのだそうです。もちろん英語圏でのお話であります。