西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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雑。道具の妖精化は教育現場でよく目撃されます。エルドリッジ・ハンレー『片目の妖精たち』(1924)は縫い針妖精がお裁縫を教えてくれるファンタジー。作中でさまざまなステッチが紹介されます。手足が生えた縫い針はナナフシみたいで、好き嫌いが分かれそうです。
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暦。11月5日はガイフォークス・デイ。英国議会爆破を企んだ一味の人形を市中引き回しのうえ花火で爆破する日です。さすがに英国限定のお祭りで、他国民がこれをやると意味不明になります。パブリックエネミーを呪う日と解釈するのであれば、また話は別となりましょう。
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雑。20世紀に入ると魔法衣の描写に「キモノガウンに似る」といった不気味な言葉が登場するようになるのです。調べますに袖と襟をフォールドした足首丈の簡素な寝間着を指すようです。派手な柄のやつは日本が輸出していた模様。モノクロ写真は1918年の初級服飾本から。
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雑。英国ではながらく10月第4週からキツネ狩りのシーズンが始まっていたのですが、21世紀に入ると狩猟法の改正によってキツネ狩り自体が禁止となりました。キツネ狩りには独特の言語が用いられていて、時折りおまじないの呪文に転化したりします。tally-ho とか view haloo は有名なところ。面白や。
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ナーサリーマジック。ララバイやクレイドルソングの類が悪しきを祓うもの、上位者に守護を願うものが多いなか、威嚇系とおぼしきものも散見されるのであります。「早く寝ないとブギーマンに引き渡す」。あるいは謎の存在を呼び込む歌など、よく考えると怖い系もあって、面白うございます。
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雑。「わが寝台はボート」の一節とともに平寝台が夢の海に漕ぎ出すのですが、四柱寝台は豪華な帆船となって外洋を航行していくようです。家具が有するエブリデイマジックの機能は、テーブルといい椅子といい、実に興味深いのであります。
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さらに靴伝承 ・つま先から減る人は長生き貧乏 ・踵が減る人はけちな守銭奴 ・サイドから減る娘は幸せな花嫁 ・親指の付け根から減る人はすってんてん ・就寝時、靴のつま先をもう一方の口に突っ込んで寝台の下に置くとアンラッキー  最後のやつは他人の靴に施す呪詛の類でしょう。
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雑。棺付添人 pallbearers といいまして、葬儀の際に棺を運び出す力持ちたちですが、あれを肩に担ぐか横取っ手で持つかで微妙なニュアンスが出るとのこと。酒が入っているときは取っ手が無難だそうです。あと、一部地域でコフィンダンスなる余興が入るとか。図はリンカーンの特注棺。
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#この画像でTシャツを作りたい まじめな提案であります。
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ルパート公の魔犬ボーイ。敵側の宣伝小冊子によるとずいぶんと昔から英国王家に仕えていたようで、霧を呼び雲に乗り魔法を使ったとのこと。無敵艦隊来襲の際は海に飛び込み水中から攻撃したそうで、見ようによってはとんでもない忠犬であります。
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雑。ヘブル系伝承にて魔法剣を発見。ヨシュアの後継者ケナズは自分の武勇を他に示さんとアモリ人の陣営に単騎で夜襲。その際に剣から雷光が閃いてあたりを照らし、アモリ人は混乱して同士討ちを始めます。ケナズはこの剣で4万5千人を討ち取るのですが、そのためか剣が手から離れなくなってしまいーー
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雑。昨晩よりお狐さま関連が続いておりますが。図は明治20年発行の瓦版にみる「幼童の遊び、流行こっくり踊り」。欧米のスピリチュアリズムが日本に入り込んだものとの見解もあり、興味深いところ。もしかしたら「フォックス姉妹」の存在が示唆されているのかもしれません。はたして。
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ーー魔法の箱にはわかりにくい魔法道具を入れるのであります。主を失った鍵、片方だけの人形の靴、小さすぎる指貫、海岸で拾った丸いガラス片など、行き場のないものたち。そういうものにチャームが宿るという発想なり、と。
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雑。チャップブックに目を通すことが多いのですが、ときどき意味不明の木版があって面白うございます。図版のそれはどうやら陽気な死神の類が中高年を迎えに来ておるようです。寝る前のお祈りを忘れるとこういう目に遭うという教訓ものでしょうか。面白や、と。
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#世界猫の日 そういえばこの猫も「世界猫」の候補にしてよいような。というわけで再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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暦。5月24日は #メリーさんの羊の日。 1830年のこの日、ボストンにてサラ・ジョセファ・ヘイルの同名の詩が発表され、以来世界中で愛されて現在に至ります。実際の出来事を題材にした作品なのですが、やれ使い魔だ人工精霊だとオカルト解釈する人もいて退屈はしません。絵もいろいろ描かれましたーー
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雑。チェンバースによれば17世紀にはプレイングカードを利用する実用書が次々に出版され、一番の変わり種は料理本『上流家政婦の娯楽』(1693)だったとのこと。毎日の献立に悩む主婦向けに、ハートが精肉、クラブが魚、ダイヤが鶏、スペードが加工肉という組み合わせを提唱ーー
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雑。チェンバースによれば、宗教改革後に教会牧師のお説教が異様に長くなったため、規制を入れるべく説教壇の横に砂時計を設置するようになったそうです。会衆の多くは牧師に気づかれずに退出するわざを、あるいは目を開けたまま寝る術を会得したとのこと。説教壇脇の砂時計はデザイン的には素敵です。
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暦。1月20日夜は聖アグネス前夜。乙女が夕食を摂らずに就寝すると将来の伴侶の夢を見るというあれです。このときの夢が予知夢なのか、あるいはだれかの生霊を召喚しているのか、議論が分かれるところ。なんらかのゲートの前で振り向く存在は生霊の場合が多いという話をどこかで読んだ記憶があります。
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雑。暦本によれば、アルフレッド大王の業績にひとつに「時計蝋燭」があったとのこと。一定の速度で燃える蝋燭によって時を計るのですが、風が吹くと精度が狂うため周囲をガラス板で囲んで箱状にしたそうです。タロットの「隠者」に見られる砂時計もランプも実は同じものである可能性も出てきました。
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#世界占いの日 今年も出番がなかった携帯タロットセット。ライダー青箱、デュセル・ドダル、『タロットの鍵』(1920)、19世紀のバースデイブック、バーンズ詩集(書物占い用)、水晶玉、砂時計、日時計、羅針盤にクロス。毎年微妙に中身が変更されております。組み合わせを考えるのも楽しみのうち。
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雑。「松山鏡」は海外の日本童話集によく収録されています。しかし馴染みのある落語版ではなく、亡き母を慕って鏡を覗きこむ娘が継母から呪詛を疑われれるというストーリー。こちらは能のほうにある展開ですが、いずれにせよ微妙な挿絵がつくので面白いのであります。絵はシルベスター全集から。
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雑。ダイコン系野菜が地中にて妙な形に生育する現象。西洋でも珍事として注目されていて、なかにはマンドレイクなみの扱いをされるものも。図のお手々大根は1672年にオランダのハールレムにて採取されたそうで、見世物として評判を呼んだそうです。カッセル社『世界の不思議』(1883)から。
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雑。ガートルード・ジャードンの『鍵穴の国』(1885)はアリス系の童話世界探訪記。幽霊工場で各種幽霊が製造されるという不思議世界です。図は古城の幽霊がポータブルヘッドの定期点検に訪れたところ。だれも怖がっていないからえらいものであります。
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雑。マザーグース世界の探訪記は確立されたジャンルといってよいでしょう。世界の仕組みを説明する神話はシステムの基本であります。サンタの玩具工場で働くボーピープとボーイ・ブルーがいて、パイを食べすぎてパイに襲われるジャック・ホーナーがいます。憧れと恐怖も神話の重要な要素なり、とーー