西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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雑。ジューンブライド関連。結婚指輪の伝承。  レザーリング。恋人と逃げる花嫁が自分の手袋の指を輪切りにして急ごしらえしたという故事にちなみ、一時期流行したとのこと。手袋の残骸を追っ手にたたきつけて挑発するまでがワンセットだそうで、なかなかドラマチックであります。
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猫魔術。九尾といえば東洋ではキツネですが西洋ではネコであります。ネコは九つの命を持っていて、転生を繰り返すたびに尾が一本ずつ増えていくとのこと。九尾猫は最上位なのでしょう。もちろん平素は隠しているので普通のネコと見分けがつかないわけですーー
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謹賀新年。西洋魔術博物館、本年もよろしくお願い申し上げます。なんかいろいろ作ってしまったのでこれもアップ。世の中のいろいろな悪いことを箱に詰め込んでどこかに持っていくブラックラビッツに期待するのであります。
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珍品。「日本のフェアリー・テイル。このお話にフェアリーは登場しません。ですが日本人はフェアリー・テイルだと言っています。ですからフェアリー・テイルということにしておきます」。いきなりケンカを売られた気分です。挿絵からは想像つかないでしょうが、これ、モモタローのお話ですーー
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雑。低年齢魔女の登場は19世紀末あたりと以前書きましたがその補足資料。1893年のセントニコラス誌にあったライム「ハロウィンの乱痴気」から。リトルウィッチがウサギを招集してなにやら指示を与えています。魔女が恐怖の対象から徐々に外れていく様子が興味深いのであります。
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猫魔術。猫伝承メモ。 ・トスカーナの猫宮殿では貧しい人間の娘がメイドとして採用される。 ・ライオンがくしゃみをすると鼻の穴から猫が生まれる。 ・原初猫は初産で一匹、二回目のお産で二匹と産んでいき、七回目のお産で合計28匹を産んだ。28匹の子猫たちは空にあがり、28相の月となった。
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#黒猫感謝の日 だそうで。 とりあえず慶事をもたらすといわれるふざけた黒猫に感謝を。見かけることは少ないと思いますが、うまく交渉すると願いをかなえてくれるそうです。
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暦。2月26日は料理研究家ウィリアム・キッチナー(1775-1827)の命日です。実業家であった父親から7万ポンド(現在換算15億円)の遺産を受け継ぎ、人生を如何に快適に過ごすかをひたすら追求し、行きついた先が「料理」だったというハッピーな御仁。ポテトチップスの考案者とも言われていますーー
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雑。「聖ヨハネご幼少のみぎりの頭蓋骨」、ようやく出典を発見。某修道院で聖ヨハネの頭蓋骨を見せられた旅人が、昨日もよその修道院で聖ヨハネの頭蓋骨を見たと言うと、修道士が真顔で「あちらのは若い頃の頭蓋骨、うちのは大人になって賢くなってからの頭蓋骨」と答えたとの笑い話が暦本に。
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さて七夕、ということで恒例のリンダー「スターラヴァーズ」(1895)の図を。年いちのデートで気合を入れてドレスアップした織女。そこにのこのこ普段着で現れる彦星。もはや対岸のモブと化した男に向けられる冷たい視線が怖いです。
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暦。「ひとりハロウィン」別名「サイレントサパー」。当日に遊び相手がいない人は空の皿でテーブルセッティングをしてジャコランタンを置く。すると目には見えないけれど誰かがお相伴してくれるそうです(ヴァリエーション多し)。
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猫。パドリック・コラムによれば、マン島の「猫の王様」はアイルランドに渡るとき、多数の船を八艘跳びしていくとのこと。足場にされた船は突然の加圧で沈みそうになるのだとか。なおアイルランドに渡るのは貢物が少ないと文句をつけにいくためだそうです。絵はポガニー。
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さても  #七夕 ということで毎年おなじみのリンダーの日本説話集(1895)から「タナバタ、或いはスターラヴァーズ」の図。資料なしで日本の恋人たちを描けと言われた画家の開き直りも痛快であります。着飾った織姫が普段着の彦星に向ける冷たい視線が怖いです。対岸のモブの運命やいかに。
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雑。日頃、黒猫やフクロウに変身している魔女たちがハロウィンの夜だけ人間の姿に戻り、魔法の料理を作るといいます。その料理を食すと魔力が一年分更新されるという発想でしょう。黒猫エプロンが妙にかわいいのであります。作者不詳、カナダ第三読本から。
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アイヴィーに関する伝承 ・妖精界に迷い込んでも、アイヴィーの葉を持っていると無事に家に帰りつく ・墓場に生えるアイヴィーは魔除けになる ・アイヴィーに覆われた廃墟には幽霊は出ない ・埋葬の際に墓穴に投じるとラッキー いわゆる「ツタ」であります。その生命力の強さからか各種伝承多し。
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雑。生前いろいろやらかした人の葬儀の際、通りがかった人に金銭を渡して棺の上で飲食してもらうウェールズの奇習「シン・イーター」。故人の罪を背負ってもらうというコンセプトですが、これをしないと故人が幽霊化して地上をさまようんだそうです。地獄落ちしない程度の悪人は扱いが面倒であります。
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雑。「3月の29日、30日、31日は4月から借りたもの」という妙な伝承があります。マーチ君は28日に3頭の羊を発見したのですが、つかまえたくても日にちが足りない。そこでエイプリルさんに頼んで三日ほど融通してもらいます。この三日間は支配権があいまいなので常に悪天候に見舞われるとのこと。
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猫系伝承。 ・部屋に椅子が二脚しかないときは、よりよい椅子を猫にゆずるべし。  見知らぬお猫さまとたまたま同室になったときの心得であります。お猫さまはたいての場合お姉さまでもありますから、逆らうだけ無駄なのだそうです。なんかわかります。
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雑。元来エルフは働き者の小妖精で、雇用主を選びません。魔法の矢の場合、鏃はエルフが作り、仕上げは悪魔が行うとされていて、クルックシャンクが絵にするとこの通り。出来上がりを待つ魔女たちの無言の圧も恐ろしや。悪魔とて締め切りの恐怖からは逃れられないのであります。猫はマイペース。
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雑。希少例でしょうが、魔物が魔物に追われて人間に助けてもらう話を発見。夜道を歩いていたおばあさんの懐に突然ノウサギが飛び込んで身を隠します。すると首無し騎士と魔犬の一団が出現して、しかし丁寧な口調でノウサギを見かけませんでしたか、とおばあさんに尋ねるのですーー
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さて本日は2023年のパンケーキデイ。四旬節を前にドカ食いする日。もちろんこの傾向は昔から警鐘を鳴らされていて、祝祭本によれば「名医いわく世の人の三分の一は過食に起因する疾病で死亡する。節制をもって飲食すれば健康に長命するであろう」と。六段パンケーキくるみ蜂蜜かけの威力やいかに。
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予習。来週ははや六月。「六月はカニに乗ってやってくる」とスペンサーが詩に詠みこんでからというもの、人類は毎年「カニ乗りおやじ」に襲われております。図像はいろいろありますが、このチェンバース暦本の挿絵が一番好評です。カニの上に正座して微笑む中年をは可愛いのだそうです。
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猫。商業逸話事典 (1868) によれば、難破船や幽霊船に猫だけが生き残っている例がいくつも報告されているとのこと。英国の習慣法では「生命の痕跡が見られない遺棄船舶」は国王の所有物になるとされていて、猫が発見されたことで船主の権利が守られるわけです。猫を乗せるのはネズミ対策のみにあらず。
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さて #ドラゴンの日 当日。 そもそも聖ジョージのドラゴン退治は出来レースではないかと疑惑を持たれておったのです。ドラゴンにとどめを刺さず、街まで連れてきて「改宗しないと再び野に放つ」と脅したりするからです。そのあたりをユーモラスに描いた佳作がグレアムの『やる気のないドラゴン』。
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妖精。赤子に妖精たちが贈り物をします。歌の才能を与えるというのです。赤子の母親が「幸せを与えていただけませんか?」と頼みますがそれは難しいと言われます。歌の才能は悲しい目に遭えば遭うほど開花するから、と。ヒューム『妖精年代記』(1911)の「悲しい歌」の一場面であります。