西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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暦。6月2日は #薔薇の日 とのこと。当館はヴィクトリア朝の花暦を採用しておりまして、六月の花はすべて薔薇、ばら、ローズ、バラ。六月生まれの女子は問答無用で薔薇なのであります。つぼみでも満開でも散った花びらでも薔薇は薔薇は薔薇、はびこってものさばってもバラはバラはバラ、と。
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暦。11月2日は All Souls Day すべての死者の日。亡くなった友人を偲ぶ日です。お墓参りをしたり、友人との楽しかった時間を思いだす日。  友人の顔を写真に頼らず思い出すのが大事なんだそうです。しっかり思い出せると、自分の顔もその頃に戻るんだとか。だとか。だとか。
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雑。港や船舶に関する伝承を調べておりますと、ウサギが敬遠されている傾向を発見。とりわけ海上にては決して rab**t と発音してはいけない、やむを得ない場合は「あの毛の生えた耳の長いの」といった婉曲表現を用いるべし、と。商売仇の船にウサギの皮を張り付ける呪詛も見つかりました。
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Vデー近し。そもそも小鳥が伴侶を選ぶ日とされていたわけで、「わたしの魂は小鳥となって愛しい人の窓辺に現れる」とオフィーリアも歌っています。朝一に一羽だけの小鳥を見る人はだれかに慕われておるのです。なーんもなかった人は夕暮れどきに見かけた花に be my valentine とつぶやくのであります。
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猫魔術。何度も書いております。猫の国で一番歓迎されるのは身寄りのないおばあさん。夏至の頃、(あのこは昔飼っていた・・・?)と黄昏のなかをついていくといつしかゲートを通り抜け、猫の国に到着するとのこと。その後は猫の女王様の客分として遇されるとか。さて。絵はランドシーア。
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ナイフに関する伝承 ・ナイフは決して貰ってはならない ・寝台の足元にナイフを置くと悪夢除けになる ・ナイフで髪を切るとはげる ・借りたナイフを返すときはなにかジョークを言わなければならない ・落としたナイフが床に刺さるとラッキー。足に刺さると痛い  刃物系フォークロアは面白いです。
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暦。7月22日は聖マグダラのマリアの祝祭日。「信仰に目覚めて己が罪深さを悔いる女性」というのが教会の公式設定ですが、クリヴェッリの筆にかかるとこの通り。思いっきりドレスアップして、悔悟のカケラも見せない美貌であります。反省などするかと言わんばかりの冷ややかな視線が素敵ですーー
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虫。カマキリ を表す英語 mantis は語源的には「占い師」の意。  カマキリに遭うとこれと正対して「わが行く道を示せ」と唱える。しばらくするとカマキリがカマで左右どちらかを示す。その方角にある建物や住む人、山河などで占ったといいます。古代ギリシャのお話です。 写真は江戸時代の「自在」。
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雑。「悪魔はブーツのなかに、天使は帽子のなかに棲む」といいますが、ネコはどちらにも顔を出すから面白うございます。とりわけ新品だと高確率で占拠されるのであります。トップハットからちょこんと白足袋を見せると破壊力アップ。
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雑。猫は「大人の読書の邪魔をし、子供のそれは見守る」とのこと。その真意は猫に聞いてみないとわからないわけですが。あちらこちらの話をまとめますと、どうも大人が真に楽しい読書をしているときは邪魔しない傾向にあるようです。
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雑。魔女が化けた猫と普通の猫。その違いは重さにあると研究者の見解。見た目よりずっと重い猫は魔女の化身で、見た目通り重いのはふとりたおした猫なんだそうです。絵はグリム童話「小鳥の城の魔女」の魔女猫と「ねずみと組んだ猫」の普通猫。ともにラッカム画。
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ウサギ。ウサギ神はいないかと捜索してみて、浮上したのがアメリカ原住民神話に登場する「マナボーゾ」 Manabozho 。どちらかというとトリックスターの感があり、ときに巨大白ウサギの姿をとるような。洪水神話では動物たちのリーダーとして活躍。ご覧のようにバッファローよりでかいお姿が素敵です。
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雑。英国童話「金の壺」。金貨が詰まった壺を拾ったおばあさん。家に持ち帰るうちに金貨の壺は銀塊、鉄塊、石ころと劣化し、最後にはお化けになってしまうお話。ただしおばあさんは劣化が進んでも「銀のほうが目立たないし」「鉄のほうが使い道が多いし」と楽天的。お化けになったときは大笑いしてーー
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ドイツ南部シュワーベン地方では、子供たちはイースター週間中は影絵遊びでウサギを作ることが禁止されているとのこと。それは「月に対する罪悪だから」とよくわからない理由が伝わっております。謎めく禁忌はなんとも魅力的ではあります。
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スコットランドのゆりかご伝承 ・新品のゆりかごは不吉。古いのを借りるか、 あるいは先に鶏を入れて卵を産ませること。 ・ゆりかごを移送する際は空にしてはいけない。パンや小麦などの食物を入れておくこと。 ・家に運び込む際は決して地面につけてはならない。 魔術的に興味深いのであります。
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雑。宝石の性別という妙な分野がありまして。サファイヤは薄い青だと男の子、深い青だと女の子、ダイヤは輝きが強いほうが男の子といった具合。護符製作に必要な知識とのこと。男ダイヤと女ダイヤを同じ箱に入れて数年放置すると子供ダイヤができるというめでたい話も伝わっています。
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天井ワニに関してまとめておきたいと思います。 占星術では月の軌道が地球の公転面と交わる二点を「ドラゴンズヘッド」(上昇)「ドラゴンズテイル」(下降)と称します。天井ワニはこれを表現しているものと推測されます。図の天井ワニがわかりやすいかと。
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さて11月2日、「すべての死者の日」。亡くなった友人を偲ぶ日。今晩はグラスをふたつ用意してスパークリング系のワインを注ぎ、貰った手紙を読み返したりするのであります。  おすすめは「オパール・ハッシュ」(赤ワイン&サイダー系、1:1)。未成年はファンタグレープで。かのPCSの好物なり。
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猫魔術。アイルランドの猫伝承は独特なものがあって、猫の王様の一族に「ドルイド猫」がいるというのです。「スレンダーな黒猫」で、銀の鎖を伴うとのこと。鎖を下げている説と、鎖の上に寝ている説があります。ドルイド猫は人語を解し、さまざまな特権持ち。人間でいえば「ロードビショップ」相当か。
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使い魔の猫とマスターの間には外見的にも共通するものが多いという伝承。あるいは魔女が猫に変身してもどこか原形をとどめているという意味か。おうちでお揃いペアルックをしているという解釈もあるらしいのであります。なんか微笑ましいです。
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#宝石言葉 もう少しこの話題を。  王侯貴族がぶっとい指にルビーやエメラルドの指輪をはめるのは、護符的意味合いが強いとのこと。毒物の具体的接触は金銀の変色で察知し、将来的な暗殺や凶事はルビーの輝き方で判断するという伝承があります。悪霊、生霊の類はサファイアで撃退とのこと。
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珍品。19世紀末(?)の猫楽譜。よくみると音符も猫だったり小鳥だったり。シートミュージック全盛時にはこうした絵入り楽譜も多かったようです。swallow a swallow はなかなかのインパクト。 魔法資料収集の途上でときどき妙なものに遭遇しますのでこうして報告しておく次第。
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猫魔術。「猫のコンサート」なる言い回しは「不可思議な騒音」をあらわす慣用句として用いられたようですが、「音曲でネズミを踊らせおびき出す術」という解釈もあります。楽譜が読めるネコたちが集まって相談中。ワルツにするかポルカにするか。
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暦。月食に関する伝承 ・月の女神が顔をそむけている ・巫女が月の女神を地上に降ろして悪しき願いをかける ・民は鍋その他を打ち鳴らして悪しき願いを打ち消す ・月食中に薬草を煎じると効果倍増 ・巨大なドラゴンが月を食している 地上に引き降ろされた月の女神は森のなかをさまようとのことーー
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暦。11月11日は #独身の日 。  長子相続が基本の英国富裕層には、相続から外されるかわりに家族年金を支給されてとりあえず食うには困らない次男三男勢がおるわけです。こいつらが金にならない妙な研究や辺境探検に没頭して異能紳士が出来上がるという構図ーー