西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

76
雑。四葉のクローバーは見つけたら大切な人にあげるのが作法なんだとか。そういう人がいないなら、そのときまで押し花にしてとっておくべし、と。愛があるから、なんだそうです。 c"love"r という例の文字遊びであります。絵は神出鬼没のクローバーの妖精、M・T・ロス作。
77
報道によりますとスペインでは昨年一昨年とコロナ禍で中止されていた聖週間行事が再開されたそうです。かの国の各信徒会が行う聖体行進や独特の三角帽子とマントは畏怖と恐怖の対象となり、さまざまな分野で引用されています。写真はウィキより。
78
雑。ケンブリッジシャーの教区では未婚の乙女が亡くなるとお墓に花輪と白い手袋を供える風習があったとのこと。この白い手袋がときおり怪異化します。真夜中の舞踏室で手袋だけが踊る話などはせつなくかわいいのであります。
79
雑。長期間火を絶やさない炉や竈にはサラマンダーが生まれるという伝承。赤ん坊のサラマンダーは七年で大人になるため、炉の火が七年以上燃え続けると図体をもてあました火蜥蜴が外に出て大災害を引き起こす場合があるとか。ゆえに製鉄所などでは七年を目安に火を一度落とすのがしきたりとかーー
80
季節。チェンバースによればヴィクトリア朝のロンドンでは今頃「あらゆるサイズ、形状、テーマのクリスマス本が書店のウィンドウで壮麗に煌めく。贅を尽くす現代の装丁術、活字印刷と挿画技術の精華を披露している」とのこと。当時の児童書の装丁は激烈な商戦を勝ち抜くための武装だったようです。
81
猫。「長靴をはいた猫」のイタリアン・ヴァージョンは細部がかなり異なります。まず長靴をはいてない。さらに雌猫。飼い主のために王様に取り入ろうとせっせと魚や小鳥を届けるのであります。このあたり、猫の習性を反映しているような。コーラ・モリス童話集から、絵はアントワネット・イングリス。
82
雑。「ケーキを一つ食べると煉獄の魂がひとつ救われる」という魅力的な文言がありますが、この場合のケーキは聖金曜日のホットクロスバンや万霊節前後のソウルケーキを指しており、平時のスイーツ暴食を勧めておるわけではないとのこと。図は恒例のダンピーからhットクロスバン配給の図。
83
珍品。マラカイトの卵の用途が判明。これは19世紀前半頃の淑女用ハンドクーラーでした。当時のご令嬢は手が汗ばむのを恥とし、社交的集まりや舞踏会ではこの種の卵で手を冷やしていたとのこと。右はスチューベンが作った近年の置物型ハンドクーラー。
84
雑。クリスマスに幽霊が多いのは、異国の地で亡くなった霊が帰郷するからとのこと。クリスマスまでには戦争が終わる、家に帰れると信じて塹壕にこもった兵隊さんが「帰ってくる」のであります。十字軍の頃から繰り返されるモチーフなんだそうです。絵はアーヴィングの『英国古式クリスマス』から。
85
雑。「帰るの?」「帰りたいの?」「帰れると思ってるの?」でおなじみのフェアリーリングダンス。崖に追いつめるパターンもあるようです。そこで目が覚めて人間界に戻るわけですが、実は完全には戻っておらず、心のどこかは妖精たちと踊り続けているのであります。ええもう、いつまでも。
86
#独身の日 当館でもよく話題にしておりますオールドバチェラー。未婚のまま50歳3カ月3日を過ぎた独身男性に与えられる称号みたいなもので、19世紀英国富裕層の次男三男に多かったのであります。相続から外されるかわりに家族年金をもらうため、とりあえず食うには困らないという気楽な身分ーー
87
#13日の金曜日。毎回申しておりますが、英国特有の13恐怖症(トリスカイデカフォビア)に金曜日を処刑日として忌避する伝統が加わったもので、一次大戦以前は英国以外はほぼ無関心。フランスでは13は長寿のシンボルと見なされ縁起物絵葉書のテーマですらありました。不安伝承の伝播の一例なり、と。
88
雑。冬の朝、行くあてのない子猫にウサギさんが尋ねるのです。 「これからどうしたい?」 「クリスマスプレゼントになりたいの」 「よくわからない。くま先生に聞いてみよう」  1925年版エルソン読本収録の「クリスマスプレゼントになりたかったこねこ」という物語です。刺さる人には刺さりそうな。
89
雑。猫楽譜をもうひとつ。挿絵入り楽譜は珍しいものではありませんが、デザインが五線譜にまで入りこむのは少数派かもしれません。結果として読みにくくなっては本末転倒でしょう。いずれにせよ蓄音機の普及によりシートミュージック市場が縮小したため、遊び心がある楽譜も少なくなった模様。
90
暦。スコットランドでは新年最初に家にやってくる人を first footer と称して吉凶を占ったとのこと。黒髪でお菓子やお酒を持ってくる人が大吉、金髪の男性が大凶とされています。もちろん偶然を待っていられないので、大晦日深夜に黒髪男性を外に追い出してすぐに中に引き入れるのが半ばしきたりーー
91
雑。人を指さしたりじろじろ眺めたりすることが無作法にあたるように、星や月も指差したり凝視したりしてはいけないとされています。指し示すときは掌全体で優雅に、眺める際は扇の隙間からちらりとだけ。山の端より現れる月には恭しくお辞儀するのがスコットランドの良家の子女の心得とのこと。
92
雑。蝶はサナギから出て最初のフライトの際に体内に残る残滓を放出しながら飛ぶそうで、それが往々にして赤いとのこと。多数の蝶が同時に飛び立つとき「血の雨」が降るという伝承が生まれた所以と19世紀の昆虫奇談集にありました。毒の雨を降らすならばちょっとしたホラーでありましょう。
93
猫魔術。ランカシャーのとある村で、丘の上に教会を建てようとして資材を搬入すると、翌朝にはすべて別の場所に移されているという事案が発生。それが数回繰り返されたため関係者が夜中に見張っていると、巨大猫が出現して資材を移動させる模様が目撃されたため、教会建立は中止となりましたーー
94
珍品。借りてきた少女小説を読みたいのに、その前に地理のお勉強をしなければならないペギー・アン。思わず「日本? どうだっていいじゃない。そんな間抜けな国、初めて聞いたわ」と言ってしまいます。するとどこからともなく「それは聞き捨てなりませんわ」と声がして、日本少女の霊が出現ーー
95
雑。鍋島の猫に関して。昭和40年代前半、福岡から佐賀に向かいますと、三瀬峠を越えたあたりから農家の茅葺屋根に不思議な猫耳が生えていたのです。佐賀出身の父の話では、化け猫除けのおまじないの一種で「この家は猫の味方」の意とのこと。本当かどうかはわかりませんがーー
96
雑。分類。 warlock スコットランドの魔法使い wizard ウェールズの魔法使い sorcerer ラテン諸国の魔法使い ただしこれは近世以降の分類であって実態を反映していない可能性も。典拠となるジョンソン博士の辞書の影響力は底知れないのであります。
97
この儀式を行わないとミツバチたちが元気をなくす、よそに行ってしまうと言われておるのです。国家元首がどうこうではなく、家族の慶弔と世間の趨勢を知らせるのが目的であります。 twitter.com/yusai00/status…
98
雑。古今東西、架橋は悪魔の仕事とされていて、世界中にデヴィルズブリッジが存在します。たいてい悪魔が「最初に橋を渡るものの魂」と引き換えに工事をしてくれるのですが、依頼者は餌を使って犬や猫を最初に渡らせるのであります。悪魔はそれを連れていって、意外とちゃんとかわいがるそうです。
99
#どうでもいい報告をする 知りあいの老人73歳がスカイダイビングに挑戦したのは、着陸して「わしは舞い降りた!」と言いたいだけだったと判明。
100
雑。"There is no good mother-in-law but she that wears a green gown" という言い回しがありまして。「善良なる義理の母親は緑のガウンを着る者のみ」。緑のガウンとは「芝生」のことなんだそうで、結構な婉曲表現であります。