西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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雑。空飛ぶ魔女を描くグリーティングカード(1910年頃)。箒を「フライングマシン」と形容する点、さらにブラシ部を前にする飛び方に注目。バレンタインに小鳥になって窓辺に現れる恋心は、ハロウィンには魔女となって襲来するということでしょう。面白い展開であります。
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暦。先ほど撮影した月。満月は意外なほど明るいのでISO100でF8まで絞って125分の1秒でいいと聞いていましたのでその通りに撮影。レンズキットの200㎜ズームでもそれらしく撮れました。あとは模様をウサギさん、マンインザムーン、いろいろとロールシャッハして楽しむのであります。
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雑。オーブリーによれば、英国では特定聖人に献納する教会を建立するとき、その聖人の祝祭日前夜から宮大工たちが予定地で徹夜をして夜明けを迎える習慣があったとのこと。そして太陽が昇るポイントを真東と定めてから作業にとりかかったそうですーー
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ーーあるいは家柄よし外見よしの次男三男は社交界をうろちょろして、身分上昇のきっかけが欲しい豪商のお嬢様のターゲットになるという、こちらは無能紳士。いわゆる「フレディ」であります。面白や、と。
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さて梅雨入り。雨を乞うにせよ晴れを乞うにせよ、天に使者を送って要請するのが筋という呪術的発想があります。そのための生贄代わりに使われるのが専用のお人形。ルーマニアには雨乞い用のお人形(図)があり、葬儀ののちに埋葬して天界に送り出すそうです。ベーザの『ルーマニア異教民俗』から。
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季節。スペンサーによれば「11月は小麦とラードの摂りすぎで肥満した汗だくの中高年」であります。しかもケンタウロスに乗って突進してきます。油断できない相手なのです。とりわけ投げ矢を持つタイプは死神属性がありますので要注意なり、と。
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雑。19世紀前半の暦本にあった「太陽系をロンドンに重ねる」発想。  セントポール大聖堂を太陽とすると、水星はロンドン塔付近にあり、金星がセントジェームズパレス、地球がメリルボン、火星がケンジントン、木星がハンプトンコートで、土星がクリフデンとのこと。なにかのネタに使えそうです。
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雑。メモ。狼男を退治するには銀の弾丸を使うとされているが、「聖ユベール教会で祝福された弾丸」という設定も存在。聖ユベールが狩猟の守護聖人であるためか。なお英国では中世後期に狼が絶滅していて、ゆえに狼男もほとんどいないとのこと。
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雑。私事。なまじ意味が通るために見逃してしまう誤変換が怖いのであります。最近やらかしたのが「殿下の放蕩」「多摩市の叫び」。さいわい世に放たれるまえに捕獲できましたが、自分で始末書を書く気分になります。
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雑。19世紀の暦本によりますと、10月の今頃から秋の夜長が実感として始まるとのこと。炉端でただ退屈するよりはと縫物や編み物に集中する人が増え、結果として不可思議な現象や呪詛を発動させてしまうのだとか。シャツ一枚を縫いあげるのに2万針を要するとの報告もあり。加護を縫いこむのであります。
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大晦日に関する伝承 ・大晦日の真夜中に玄関を見張っていると老人が出ていき子供が入ってくる姿が見える ・大晦日には動物と話ができる ・大晦日の深夜、暗闇の中で聖書を開いて栞をはさみ、そのまま枕の下に入れて寝る。翌朝に該当文章をチェックして一年の指針とする 最後のは手の込んだ書物占い。
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先のキューカンバーサンドイッチに関して。アフタヌーンティーに出すキュウリのサンドイッチは薄ければ薄いほど偉いとのこと。極薄のパンのスライスを作るには、切り出すパン面に先にバターを塗って粘着力を確保するのがコツだとか。分厚いサンドを出すとあとでいろいろ言われる怖い世界であります。
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雑。その昔、チェシャではハロウィン前後からクリスマスにかけて「オールドホブ」と呼ばれる馬の頭蓋骨を使った訪問芸が盛んに行われたとのこと。隣接するウェールズの「マリ・ルイド」とほぼ同じものですが、「オールドホブ」は悪魔の別名とされている点が興味深いのであります。図版はマリ・ルイド。
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季節。ハーヴェイの『クリスマスの書』(1845)によれば「冬の炉端にはカード占いがつきもの」とのこと。占いのみならずカード手品やラウンドゲームが盛んに行われたそうです。この時期、街に買い物に行くメイドはシーズンに備えて新規のカードを購入するのがなかばしきたりという記述もーー
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さてVデー当日。記録によれば英国のVデーのありようも時代とともに変遷してきた模様。17世紀のピープスの日記等に残るそれは朝一に会った異性に贈り物をする日。地方ではくじ引きでカップリングしてぎこちないデートをする日。郵便制度が確立してからは匿名のカードを送りつける日であります。
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雑。教訓説話にもサイコホラーが紛れ込みます。ラウントリー・スミス『そうしてみたい物語』(1920)では、鏡のなかにしか友人がいない孤独な少女が登場。やがて会話が始まり、鏡の世界へ逍遥。「しかめっ面はだめ、ほほえんで」という教訓なのですが、かなり怖いのであります。絵はケイト・ディール。
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雑。就寝時刻に各家庭を巡回して覗いてまわるウィリー・ウィンキー。やはりブギーマンの仲間と見なすべきなのでしょう。夜更かししている悪い子は早く寝ろとおどかします。それでも寝ない子はウィンキーの仲間入りをしてしまう可能性大。寝入りばなの妖かしは怖いのであります。
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雑。庶民にとって糸紡ぎは重要な内職なのでしょうが、公爵夫人や王妃様もたしなむ典雅な趣味でもあります。宮廷内に紡績用具があればこその「スピンドルで怪我して眠る」物語でありましょう。貴婦人の紡ぎ車は考察対象として重要なのです。
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帽子に関する伝承 ・恋人の髪の毛を帽子に忍ばせてかぶると浮気されない ・風邪をひいたときは寝台の柱に帽子をかけて酒を飲むと治る ・帽子を脱いで指先でくるくる回すと悪霊除けになる ・夫の帽子をかぶると雨が降る ・葬儀に出席する人に帽子を貸してはいけない 熱射病対策にパナマやストローを。
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暦。12月5日(6日)は聖ニコラス祝祭日。オランダやフランドルでは聖ニコラスは黒人の従者を伴って到来。良い子には聖人がプレゼントを、悪い子は従者が袋に詰め込んでスペインに連れていくとのこと。クリスマスとなまはげが同時進行しております。グローヴァーの『サンボネットベビーズ』から。
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ナーサリーマジック。やれペストだ生贄だといろいろ怖い解釈がある輪踊り Ring Ring a Roses 。メイポールの小規模版という見解もあるようです。輪舞で発散されるエネルギーがどこに向かうにせよ、いい運動にはちがいありません。スピードアップするとほとんどバーピー。絵はマーガレット・タラント。
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雑。1次大戦後の雑誌広告に見るハロウィンや魔女のイメージ。およそ恐怖の対象とはなっていないようです。悪役としては賞味期限が切れた感じなのであります。もちろん農村部ではカニングフォークたちが現役で活動しているわけで、実態と印象の乖離に注目したく思うのであります。
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雑。妖精砲 fairy gun なる物騒な文言を発見。その正体は海に面した洞窟に波が直撃して発生する轟音。砲声そっくりの音で、海岸線から数十キロ離れた場所にまで到達するとのこと。音響系の怪異もまた興味深いのであります。絵は妖精砲がよく聞こえるというバンドランの絵葉書。
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雑。ヴィクトリア朝の一般家庭を悩ましたものに例の「素早く動くチャバネ色のあれ」がありました。英語ではブラックビートルなのですが、ご婦人たちはそれを口にするのも嫌なのであえてビードル(教会関係の役人)と称していた模様。結果、クルックシャンク描く「ブラックビードル」が爆誕。
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4月15日は2022年の聖金曜日。ヴィクトリア朝の子供たちにとってはホットクロスバン(以下HCB)という甘いパンを貰える日。HCBは多神教時代から季節の区切りに食されていた縁起物という説もあります。十字は四季を表しているわけです。陰干しして保存し、少量削って服用すると万病平癒という話も。