西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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さらにイースター。この祝祭のシンボルのひとつがウサギさん。多産と繁栄の象徴としてタマゴとおなじ意味を有するとされていて、なぜか少女とともに描かれること多し。  イースターは移動祝日ゆえに日本ではいまひとつ商業利用が進んでいない感じです。広告代理店よ、奮起せよ(しなくてもいいか)。
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暦。9月2日は1666年のロンドン大火の日。その前々年に巨大な彗星が夜空に出現しておりまして、翌年のロンドン大疫病、翌々年の大火を予兆していた、と後出しジャンケンも猛威を振るいました。コスモスを乱すコメットや流星雨を凶兆と見なす心理は普遍なり、と。絵はずいぶんと後代のトゥルーベロから。
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トレンドにホラー画像とやらが。 そういうものは持ち合わせないので、かわりにハッピー画像を。ワシントン・アーヴィングの『ブレイスリッジホール』から、コールデコット画「農家の庭先にて」。
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雑。石鹸木箱 soapbox を再利用した読書スペースの図。日本ですとミカン箱で勉強するのが貧しいお家の子供の常態ですが、米国的には石鹸箱となるようです。布を張ったり重ねたり。魔法の祭壇もこんな感じで細工することが多いのであります。1887年の女子活動読本から。
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雑。まことにどうでもよい話題ですが、ホーンの暦本によれば1830年代を境にメイドさんや路上販売業の女性たちがはいていたウーステッド織りの黒いストッキング は一気に廃り、かわりにホワイトコットンが市場を席捲したとのこと。これが当時の7月4日の話題であります。アメリカ?なにそれ。
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雑。このところ19世紀後半のハーバーズバザー誌を点検しておるわけですが、ときどき解釈が難しい絵が見つかります。1871年4月1日号にあった「当世風結婚」図。花嫁の父が娘に付き添って教会に向かう光景なのでしょうが、花嫁が象。white elephant には「厄介者、もてあますもの」の意味がーー
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雑。昔、「夢は食事に左右される」との発想があったため、睡眠中に神託を得るには少なくとも一食抜けとされておりました。聖アグネス前夜に「乙女が夕食を摂らずに就寝して将来の伴侶の夢を見る」所以であります。なお「乙女」の定義はクレイモア地雷原なので回避するのが賢明なのであります。
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チャターボックス誌には事件報告もあります。1903年にフェンチャーチストリートで起きた火災の際、火のなかから猫の鳴き声を聞きつけた消防士が周囲の制止を振り切って突入。地下室に取り残されていた猫親子を救出して称賛されたとのこと。住民の避難が終わったあとの一瞬の出来事だったそうです。
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季節。灰色の冬が終わり、森に潜んでいた「青」が空に戻ります。大地から「赤」が開花します、とグレアム・ロバートソンが「願いの井戸」(1907)で描いています。もちろん美少女でキャスティングせよとご覧のようなイラストまで付けて。児童劇に分類される作品ですが、実際は神秘儀式であります。
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結婚月に関する伝承 1月に結婚、いつも貧困 2月、いずれ再婚 3月、相手は大物 4月、釣りあい良好 5月、最後は険悪 6月、みんな羨望 7月、相手は貧乏 8月、時期は尚早 9月、とても裕福 10月、やたら健康 11月、すぐに解消 12月に結婚、キュピドの気まぐれ 1920年代の感覚でしょうか。
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さらにピーチプリンス。三獣士のキジはウィンストン版の画が一番かっこいいと思います。空中からの射撃はなかなか効果的でしょう。なおこのキジさん、物語中では女性というか母親の設定。子供のためにキビダンゴを貰った恩に報いるべく参戦であります。
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人生。 「都会の喧騒は性に合わぬ 広い庭に小さな家、数名の友人と 無数の良書好著に囲まれて、 気の利いたミストレスがいればよい」 などと贅沢を望んでいるのが詩人エイブラハム・カウリー(1618-67)。 もっともそれを絵にするブリックデールはニャンコを推しておるようです。賢者なり、と。
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六月近し。June は愛と結婚の女神ユーノーさまの月として花嫁に味方するのであります。その分、妻子持ちの身でありながらあちこちでふらふらする男どもには地獄を見せるのであります。聖鳥はクジャク。クピドから渡されているのはヴィーナスのガードル。使用法は各方面多岐にわたります。
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もちろん衝撃の事故現場として描かれることもあります。その意味で評価が高いのは、以前にも紹介したマザーグース楽譜集のこの絵であります。なかなかのトラウマもの。
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夏至近し。英国のオカルト関係者にはお庭に石を並べて自家用ストーンヘンジを作っている人も多いと聞きます。きちんと方角を出すのは結構大変なんだそうです。そこまで本格的に攻めずとも、棒を一本立てて、刻刻と移動する影の動きに小石を置いていくのです。夜になれば配置された石がある種のーー
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マザーグースの魅力はいろいろありますが。「めえめえ黒羊さん」という無邪気なライムも、絵のつけかたひとつでホラーと化します。児童ものにおける恐怖の取り扱いは難しく、ブギーマンは予期せぬところに出現するのであります。1877年の版から。
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雑。聖遺物によく見られる聖人の「腕」。実際の遺骨に金属製のカバーを施した豪奢な工芸品として伝来するのであります。その御利益は万病平癒であったり、悪霊退散であったり。いわゆる「栄光の手」もこの範疇というか延長線上で考察してよいのかもしれません。
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今回一番のお宝はこの「聖ヴァンサン・ド・ポールの聖遺骨」。 St Vincent de Paul (1581-1660) は貧しい人々の救済に尽力したフランスの聖人。1737年の列聖の際に遺体が元の墓所から教会内聖堂に移されており、その際に遺骨の一部が聖遺骨として保管され、配布されてきたと推測されるのであります。
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#生命の樹の日 ダビデ王の父エッサイより発してキリストに至る系統樹、いわゆるエッサイの樹。かの有名な呪文「エロイム・エッサイム」は「エッサイが奉じる神」の意とする説もあります。エッサイの子孫が使役した霊たちに対する権限の確認なのでしょう。図版は16世紀初頭の印刷時祷書から。
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――チェリーブロッサムと名乗る少女はワシントン駐在の日本大使の姪で、蛾の姿で伯父に会いにいく途中でペギー・アンの不届きな台詞を聞きつけたとのこと。ともあれアメリカの少女に日本の着物や雛祭りについて知識を与えてから旅を再開します。ディアリング・ムーア「ペギー・アンの冒険」から。
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恒例。クリスマスが近いので巨大典礼書を持ち出すわけですが、大仰な絹製栞にあらためて注目。赤、青、紫は三位一体のトリコロール(人の血の赤、父の空の青、両者を混ぜて紫)。ライオンは聖マルコとして、手に持つ花が今一つ不明。それをあれこれ推測するのが楽しいのであります。
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雑。トマス・フッドが描くクイーン・マブは子供の夢の守護者。良い子には妖精と戯れる楽しい夢を与え、悪い子には血まみれの包丁を持つオーガに追い回される悪夢を見せるとされています。目覚めても暗がりになにかが潜んでいると追撃してくるあたり、結構なブギーマン資質なり、と。絵はポガニー。
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雑。先般紹介した魔法の毛糸玉。あの毛糸であやとりをして「はしご」を作り、形を崩さないように外して窓から垂らす。すると妖精さんがせっせと上ってくるという伝承。ハロウィンの夜に行うと「将来の夫の生霊」が、と例のパターンもあります。毛糸の魔法は面白うございます。
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#StrawberryMoon ストロベリー・ムーンはブルーベリースカイと対句であります。濃紺の夕空にピンクの月が浮かぶのが理想ですが、今日はちょっと曇って暗かったのであります。少しぼんやり。
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さてミツバチの巣別れの季節。分蜂の群れがやってきたお家は名誉にしてアンラッキーなり、というのが英国の伝承にあります。流浪の女王様と忠義の家臣たちをお迎えするのであります。光栄ですがトラブル必至ということでしょう。養蜂文化は異文化接触の面があり、魔術的にも面白うございます。