西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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猫。聖霊降臨祭になると火事を起こす製粉所。そこで青年が前夜に不寝番を申し出ますが、一工夫。床に座ってチョークで周りに円を描き、その外側に主の祈りの文言を記します。夜が更けると無数の猫が出現し、円の周りで狂騒乱舞するのですが円内には入れないのです。『フィヨルド童話集』から。
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ゴブルが挿絵をつけているハリファックス童話集(1913)では「周囲が光に包まれ、歓喜の声がわきあがる」のであります。こちらのベルは王子様を見ても(あんただれ)とそっけなく、ただただ野獣をさがすのです。この展開のほうが素敵です。
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雑。英国では産業革命のおかげで旧来の荘園領主層とは異質の富裕層が出現しておるわけです。図の青年グレアム・ロバートソンの父親は商社の共同経営者として財をなし、7万ポンド近く貯金したところで引退して結婚(当時51歳)、一人息子が18歳のときに他界。当時イートン校に通っていた息子はーー
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雑。子供の遊びには漠然とした不安を感じさせるものが時々ありまして。1903年のスプレイグ読本で紹介された教室ゲーム「日光と影」。クラスの児童を「日光」と「影」に二分し、日光が暴れて影を教室から追い出すというのです。やってて楽しいんだろうか、と。陽気なBGMつきで行うようです。
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雑。ハロウィンで行われる占いは test と称されるものも多いのです。当館で何度も紹介した「栗占い」が代表的。気になる男性の名前を刻んだ栗を火の近くに置いて わたしが好きならはじけてとんで。 きらいだったらそのまま死んで。 と唱えます。あとはなりゆきを見守るのみ。秋の風物詩なり、と。
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衣服に関する伝承 ・赤子服、子供服をすべて他人に譲ると子供ができる ・ペチコートがスカートからはみ出しているとアンラッキー ・靴下を裏返しに履いてしまうとラッキー。ただし故意ではだめ ・故人の衣服は長持ちしない ・クリノリンは決して男子の手に渡してはならない 衣替えの季節であります。
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雑。リンカンシャーのとあるお屋敷に出ると噂の幽霊「グリーンレディー」。ずいぶんと昔の当主がスペインの美女から思いを寄せられるもすでに妻帯の身とこれを拒絶。すると奥様にとさまざまなプレゼントを渡され、そのなかに緑のドレスを着た美女の細密画があったとのことーー
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ブーツと猫に関して再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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暦。1月20日夜は恋占いの特異日「聖アグネス前夜」です。この夜に乙女が夕食抜きで就寝すると将来の夫の夢を見るという伝承をもとに、キーツが同名の詩を書いて現在に至ります。詩のクライマックスは就寝前の乙女の脱衣シーン。髪飾り、首飾り、胴衣と視線移動も完璧な描写はさすがに詩人なり、と。
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#ドラゴンの日 言われないと気づかないドラゴンもいるもので、これはスコットランド伝統の革鞄「スポラン」に見るケルティックドラゴン模様。本来はウェストバッグですがストラップを替えて秋冬用の斜め掛けにしています。スマホとお財布等を入れるのにぴったり。
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雑。乗馬服姿の猫レディー。どの方面の需要なのかわかりませんがとりあえず。ヴィクトリア朝後期は女性が「速度」を発見した時代とのエッセイがあり、しょせん馬任せの乗馬から自身の速度が問われる自転車へ興味が移った点が重要だったとのこと。この猫レディーは旧世代のお嬢様なのでしょう。
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雑。「真夜中、ろうそくの灯りだけで屋根裏部屋にある古い聖書をとってくる」というのが定番の肝試しであります。その家に幽霊がいる場合は出会えるチャンスなのですが、選択権は向こうにあります。デラメアが描くそれは舞踏会に憧れる古風な少女。英国幽霊譚は典雅でよいです。
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暦。かつて厳寒のロンドンでは十年毎にテムズ河が完全氷結しておりまして、氷上に露店がずらっと並んでフロスト・フェアが開かれておったのです。産業革命が進行すると平均気温も上昇し、最後の氷結が1814年1月14日。溶け始めた氷上にて最後まで営業を続けて行方不明になった大道芸人もいたとのこと。
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雑。イースター絵葉書のなかには意図がわかりにくいものもあり、調べるのが楽しゅうございます。われわれが日頃目にする鶏卵は白や赤系が多いのですが、現場では薄緑や薄紫のものもあって、さらに黄色以外のヒヨコも生まれるとのこと。どうもこのカードは「変人にも神の祝福がありますように」とーー
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こちらは18世紀北インドの対のチャームケース。一辺7㎝ほどの宝飾細工の箱で、おそらく花嫁道具か。新郎新婦を守護する精霊が封入されておったのでしょう。箱詰め/瓶詰精霊の類もユニヴァーサルな術式であります。
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季節。イースターと前後してよく登場するのが巨大タマゴ。なにが孵化するのか特に言及されないのも不気味でよいです。どこかに運ばれていくもの、不可思議な儀式を受けるもの、みんな楽しそうです。
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お宝に混ざっていた金属製の魚。胸びれ部分が開いていてしっかり自立できます。材質不明、全長48mm、重量24g。用途がわからんのです。魚はキリストの象徴のひとつですのでその方面かとも思いますが、なんというか荘厳性に欠けるというか。たい焼きみたいですし。ともあれ不思議なアイテムなり、と。
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#ビスケットの日 だそうで。 伝承にある「魔法のビスケット」はたいてい「いくらかじってもなくならない」糧食系で味や風味に言及がありません。美味しさは魔法を使わずとも追求できるからか。図は1920年代のナショナル・ビスケット・カンパニーの広告。略してナビスコか、と自分も今気づきました。
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雑。古いハロウィンのおまじないに「干し草の山のまわりを走って三周する」というのがあります。なにが起きるのかが伝わっていないから困りものというか面白いというか。おそらく時計回り、逆時計回りで結果が違うのでしょう。その場でなにも起きずとも、帰宅して就寝すればいろいろとーー
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術式。「秘蹟のシリング銀貨」sacramental shilling 。 十二人の清らかな乙女から1ペニーずつ恵んでもらい、それを教会の献金日にシリング銀貨に両替してもらう。この銀貨を上着に縫い込んでおくと悪霊が退散する。 この種のおまじないを嫌う牧師様もいて、両替をめぐって諍いもあったそうです。
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雑。かなり昔の習俗ですが、子供同士がケンカしたとき、仲直りの呪文が bread and butter 、さらにケンカしたいときには pepper and salt と唱えていたとのこと。この種の呪文は本来ラテン語だったりするのですが、経年変化によって日常的食品に変貌していることが多いのです。生麦大豆の類なり、と。
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どれどれと捜索いたしますと、1935年のイリノイ州伝承集に同種の記述を発見。肯定的伝承は楽しゅうございます。 twitter.com/honnoinosisi55…
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こちらは「メニー・ハッピー・リターンズ、あなたに幸運が微笑みますように」というお誕生日向き絵葉書。ミツバチは「勤勉がもたらす幸福」「ヴェヌスの力を収穫する者」であり、基本的にラッキーなのです。ミツバチに刺される人は「おまえがわるい」と言われるのが普通であります。
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雑。影から派生する影魔法があるはずなのですが、いまひとつ追跡がむずかしい。  無邪気な子供にも影はつきまとうのであります。自分の影を好きになる子は変わり者なのかもしれませんが、きっと将来大物になると根拠なく思います。
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雑。エドナ・ケリーのハロウィン全書によりますと、この季節の宴席には「パズルジャグ」なる仕掛け徳利(?)がつきものだったとのこと。あちこちに穴が空いた陶製ジョッキみたいもので、紳士たるもの一滴もこぼさずに飲んでみろとの挑戦状つき。難易度別に何種類も用意して盛り上がるのでありますーー