西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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季節。2023年、2月22日から4月6日まで続く四旬節(レント)の期間は肉食が禁じられ、かわりに魚料理が推奨されるのであります。英国にあってとりわけ王侯貴族に人気があったのがヤツメウナギ(食感が肉に似ているとか)。乱獲された恨みなのか、巨大モンスター化して人を襲う伝説もありますーー
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時計に関する伝承 ・時計の針が上昇するときに結婚式を挙げると花婿が出世する(午前中○○時30分から開始せよの意) ・屋内で死人が出たときは時計をとめないとさらに死人が増える ・停止していた時計が不意に動き出すと不吉 ・柱時計にねずみが棲みつくと不吉 時計は不吉な話が多いです。
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The Old Shepherd’s Chief Mourner 「老羊飼いの死を悼む喪主」、では少し違うか。身寄りのない羊飼いが亡くなり、お通夜をしてくれるのは犬だけ、と。 twitter.com/bijutsufan/sta…
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季節。土地によっては四月になってもジャック・フロストが居残っていて、春の妖精「エイプリル・シャワー」にぼこぼこに打擲されて消え失せるという物語。イースターラビットに付き添われた少年が世界の仕組みを観測しています。説明系の神秘体験の典型といえましょうかーー
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雑。魔法の指輪の製造法にも一応の決まりがあったらしいです。まず装着する宝石の効能をメインとするか、金銀のカマボコリングに刻む文言を重視するか、両方か。刻印する文言の選び方はおおむね聖人伝基準のようです。爆発耐性の指輪なら聖バルバラ伝から引用して内側に入れるわけです。面白や、と。
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雑。ティンカーベルの画像を探すもディズニー以外のものとなると意外と見つからないのであります。舞台上では光の明滅で表現されるため、具体的な姿を与えないほうがよいとの判断があったのかもしれません。図は1911年のウッドウォードによるティンカーベル。ちゃんと鐘を修理しております。
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暦。節分は冬と春の分岐点ですので、この日にデビルズアウト儀式を行うのは当然というか、大晦日に鐘を鳴らしたり花火をあげるのと一緒であります。個人的には豆をまく際の音が春雷と雨を模倣するのではと考えています。やがて雷神さまの景気のよいドラムが聞こえてくるわけです。
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珍品。『アラディア』でおなじみのリーランドが1877年に発表した『ジョニキンとゴブリンたち』。少年が童話世界に入り込む定番展開ながら、登場する変化たちがなかなか魅力的。猫娘のシャスメは人の顔のときは猫ボディー、人ボディーのときは猫顔になります。需要ありそうです。絵もリーランド。
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これは男の子の可能性がありますね。当時、男児に女児服を着せて育てる習慣があったのです。とりわけこのオフショルダーの服はそういった場合によく見るのであります。 twitter.com/wikivictorian/…
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雑。庭園と自然のあいだにはなんらかの垣根が存在するわけで、また人間が手を入れてこその庭園でもありましょう。魔法における Garden の意義をずっと考えておるのですが、結論など簡単に出るわけもなく。絵はミロ・ウィンター。
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雑。ハロウィンの定番仮装のひとつが「スケルトン」。黒装束に白地で骸骨を描いたり、縫いつけたりします。10人くらい集まって墓場で踊るといい雰囲気になるそうです。悪の組織の戦闘員の原型でしょうか。
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雑。ピクシーやブラウニーのなかには通いで家事手伝いをする者たちもいて、かれらのための小さな通用門を設置するコテージがあるとディッチフィールドが書いております。サマセットなどのカントリーサイドに多いとのこと。どうもそれなりの様式があるらしく、猫ゲートとは違うようです。
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訃報。イアン・ホルム死去。役どころとして「指輪」のビルボ・バギンズ、「炎のランナー」のムサビーニなどを挙げる方が多いでしょう。ここはひとひねりして「ドリームチャイルド」のドジスン先生=ルイス・キャロルを。
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雑。魔法武器を調べていて遭遇。英国のハルバードは君主が変わるたびにデザインも変更されてきたとのこと。時代考証の醍醐味というところでしょうか。魔法の儀式に使うにはちょっとかさばりすぎるのが残念なところ。図はプランシュの衣装事典から。
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暦。#独身の日  ヴィクトリア朝のいいとこのお嬢様方も当然ながら家族年金持ちであります。ただし往々にして「結婚後は夫の扶養下に入るもの」として年金が打ち切られたりします。それを知らずに求婚し事情を知って逃げていく男、真実の愛に気づく娘、というのがお約束のロマンス展開ーー
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雑。年頭の占いの一種。 ・ロウソクにピンを刺して火をともす。ピンが落ちたら未来の恋人の姿が見える。 なかには異常なねばりで落下を拒否するピンもありますので、結構面白い。パーティージョークの一種として人気があったとのこと。笑いがとれれば凶運は逃げるのであります。
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雑。「夏の宵、薔薇と働く蜂」と題される絵葉書(c1900)。お客様に庭先のビーハイブに棲む蜂たちを紹介しているのでしょう。蜂は家族の一員として遇されるのであります。アフタヌーンティーの際に蜂たちが集めたハニーでスコーンをいただくのがお洒落かと。つきあわされるネコは迷惑そうです。
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雑。英国古謡によく登場する「悪魔がくれる無限財布」。常に一定額が入っていますが、支払いを後回しにしているだけなのです。なお家族がいない人には渡さないという条件付き。いかなる教訓を引き出すのも各人の自由であります。
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#猫の日 とのこと。 意外な作家が猫文学に寄与していることも多いのであります。長崎を舞台とする『お菊さん』で有名なピエール・ロティは『二匹の猫の生涯』で愛猫の話をえんえんと。図は1900年の英訳版から。
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雑。訪問先などで初めてのお部屋に泊まるとき、寝台の4本の柱に福音書記の名前をつけて守護をお願いするおまじないがあります。ゴシック式寝台を前提とした優雅な伝承です。庶民用の似たようなおまじないとしては、脱いだ衣服を部屋の四隅に配置して名前をつけるというものも。就寝は神秘の入口。
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この夜、シャンパンの開栓時のぽん音としゅわしゅわ音、封を切ったばかりのウィスキーをグラスに注ぐ際のとくとく音が幽霊を引き寄せるそうです。それが好きな幽霊が集まるわけですから、おそらくおっさん幽霊ばかりかと。あえて禁酒して早寝というのもありかもしれません。
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雑。ゴブリンという言葉が具体的な種族を表すようになるのは比較的近年で、以前は「お化け」程度の意味で使われておったようです。このゴブリンポニーは夜に外出する子供を片端から乗せては海や川に飛び込み溺死させるというブギーマン系。満月の晩に薬草を摘もうとすると出現するとのこと。
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雑。悪い子を連れていくブギーマン bogeyman。その語源は不明なのですが、ダドリー・コステロ『ホブゴブリン休暇』(1861) にフランスの魔女狩り判事アンリ・ボゲ Henri Boguet を示唆する記述を発見。信憑性はともかく着眼点は面白く思うのであります。
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雑。撮影に必要な照明機材をそこそこ揃えますと、ついやりたくなるのが影絵遊び。レヴィの有名な図版と児童雑誌にある影絵手本を比較したくなるのです。もっとも古いファンタジー系エンタメであろう影絵は、きわめて深い部分で魔法と結びついていると確信しております。
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雑。妙なものを見つけて読みふけってしまうのは悪い癖。コンウェイの短編「球根とケラ」(1880)では、春先に花咲くことを夢見て土中で眠る球根のもとにおケラの牧師がやってきて、逆さに植えられたら芽は地獄に伸びていく、悔い改めよと示唆。そして根っこを齧るのです。挿絵もなかなかの雰囲気。