西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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妖精郷への迷い込み方はいろいろあれど。 夏。キノコと小鳥の巣を見つけて、魚が泳ぐ小川に足を浸したあと、白い雲を追って丘を駆けていくとフェアリーランドに行ける、とパジェット・フレデリクスが書いている(ような気がします)。牧神の笛の音が聞こえます。『緑の笛』(1929)から。
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妖精さんもお金を使いきって新月になるとしょぼんとなり、反省するのです。無駄遣いはやめようと心に誓うのですが、満月になるとぱっぱらぱーと遊んでしまう。妖精との交渉ではこのあたりのサイクルを計算に入れておけとのこと。みょうに世知辛い伝承は面白うございます。
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伝承。元日に ・煙突掃除をするとラッキー ・家からなにか持ちだすとアンラッキー ・ケーキを食べるとラッキー ・元旦に決意したことはきちんと完遂しないとずっとそのまま ところでお餅は英語で rice cake ですからこれを食しておけばよいのでしょう。最後のやつは結構こわいのであります。
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お酒が苦手な人や未成年は古い茶器で紅茶を淹れ、ソウルケーキを召し上がるとよろしいかと。霊たちにかわって食事を摂るという発想は普遍であります。  二日酔いの幽霊があの世に帰還しそこなうお笑い怪談の類も散見されます。面白や、と。
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ケンタウロスで思い出しました。テッサリアにケンタウロス少年たちのための寄宿学校があるという奇妙な物語が1880年の『セントニコラス』誌に。運動神経抜群のかれらも木登りはダメで、人間の子に負けて反省するというストーリー。挿絵がぎりぎりを狙っているように思えるのは気のせいでしょうか。
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蒸気機関による大量印刷、大量製本の時代が到来しても、魔術的発想はさまざまな形で書物のなかに入り込むのでしょう。「銀の活字」もそのひとつかと。金箔押しの美麗な装丁もまた新時代の魔術的舞台のひとつとなったのであります。
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雑。往年の英国にあっては、暴動が発生すると火に油を注ぐべく「猫を投げ込む」という行動が散見されるのであります。この1717年のマグハウス暴動の絵でも右上に猫が飛んでいます。他国でも行われていたのかもしれませんが、時代の風景としてーー
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サクラの季節、ということで「英訳花咲じじい」を探してみると意外に見つかりません。悪役が主人公の真似をしてひどい目にあうお話は反復モチーフですが、若者が不在という点が敬遠されるのでしょうか。ローダ・チェイスが描くじいさまはなかなかファンキーでよいと思います。メリル読本から。
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季節。タンポポの英名 dandelion の語源は dent de lion 「ライオンの歯」なんだそうです。この時期に夕空に昇ってくるしし座が反映されているという説もあります。夕暮れ時、綿毛を一息ですべて吹き飛ばせたらお母さんが呼んでいるという「タンポポ時計」。ユーイング夫人の作品はのどかなり、と。
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雑。花の擬人化は難しいのでしょう。とりわけ人面花は紙一重で向こう側であります。図は1906年のアルダイン読本の挿絵。少女が妖精さんとともに庭の草花に挨拶してまわるのですが、なかなかの雰囲気になっています。もっともストーリー展開は面白くてーー
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猫のお茶会関連で再掲。子猫たちを集めて社交界デビューの下準備といったところでしょう。大きなリボンがドレスコードと思われます。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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遊戯。「魔女の輪」という鬼ごっこ系の遊びを発見。参加者のうち一名が魔女になり、残りの人数分の輪っかを地面に描く。他の子はそれぞれ木や柱などを自分の「家」と決める。捕まった子は輪に閉じ込められ、他の子からタッチされるまで解放されない。タッチされたら「家」に戻る。缶蹴りに近い?
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時事。FIFAワールドカップにてフランスとイングランドが対戦とのこと。19世紀英国では「フランス人とイギリス人」なる子供の遊びがありました。適当な人数を二分して引っ張りあい、自陣に引き込んだほうが勝ち。負けたほうが「フランス人」になるのであります。幼児教育は大事ということで。
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#縁結びの日 とのことなので。 true lover's knot と言いまして、縁結び系おまじないに多用されるロープワークであります。相手の持ち物に迷惑にならない程度に目立たず結び付けるのがこつとされております。
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雑。イースターの贈り物にもお国柄が出るわけで、ベルギーでは当然チョコレートが飛び交います。写真の品は有名ショコラティエのイースターパッケージ。たまご容器にエッグチョコが9つ入って10ユーロほどという結構なお値段であります。おしゃれなり、と。
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小鳥暦によれば4月15日は英国にツバメが到来する日、というわけでーー ツバメに関する伝承 ・ツバメの巣の中に石を見つけるとラッキー ・窓辺に現れてガラスをノックするとアンラッキー ・一番ツバメを目撃したときに足の下にあるものがラッキーアイテム ・親指姫の報われないアッシーくん
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ハロウィンの雑。1920年代のこの季節、名門女子大生によるゴーストマーチが流行ったようです。おそらくチャリティーの募金などを行ったのでしょう。窓辺のお化けランタンはワルガキ除けか。今年はいろいろあってサイレント・ハロウィンが主流になるのでしょう(なれよ)。温故知新なり、と。
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勢いで桃太郎関連も再掲。ピーチプリンス、ピーチボーイ、ピーチリングといった呼称もあれば、どこで読み違ったのかモノタローになっている版もあります。
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暦。11月11日は第一次世界大戦の停戦記念日。戦時中に出回った絵葉書の類が非常に興味深いのであります。当館では幸運お守り系を集めておりますが、それ以外に目につくのが「子供ミリタリー」とでも称するのか女児に軍服やナース服を着せるジャンル。どのあたりに需要があったのか?
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こちらは1845年にニューヨークで展示された「古代生物」の化石。全長33m超の大物で、あやしげな学名もついていましたが、のちに専門家の鑑定によってつぎはぎの贋物と判明。この種の見世物もシーサーペント人気に拍車をかけていたのであります。ウーデマンス『シーサーペント研究』(1892)から。
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恒例。庭先より一枝いただいて2023年元旦のローズマリーワイン。軽くディップするくらいでよいと思います。冬場のハーブの女王ローズマリーはさまざまな場面で重用されるのであります。
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暦。3月15日は聖ロンギヌス祝祭日。磔刑にされたキリストを槍で刺し、その後いろいろあって改宗したローマの軍人です。かれの槍は当然ながら聖遺物としてあちこちの教会の秘宝となりました。軍人が槍を複数所有していても不思議はないわけで、深く追及しないのが知恵というか礼儀というかーー
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雑。「ジャックと豆の木」に登場する「しゃべる竪琴」。クルックシャンク童話集では飛行機能が備わっていて、ジャックの指示に従いシャラン!と音を鳴らして右に左に投石を躱します。さらに美しいメロディーを奏でて飛んでいきます。かっこいいのであります。おそらくハーピーの親戚かと。
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動物画家ハリソン・ウィア(1924-1906) はカササギがナイフを盗み出して庭先に隠匿する現場に行き合わせたとのこと。秘密の隠し場所ではナイフ6本、ハサミ、指貫などが見つかったと1874年のチャターボックス誌にありました。「妙なところで見つかる妖精の指輪」といった物語の原因かもしれません。
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季節。五月後半から夏至にかけて、子供たちと妖精の接触が増えるようです。キノコの輪に知らずに踏み込んでいる場合もあれば、あやかしの笛に聞き入ってしまうことも。蹄鉄を片手に見守るナニイが必要なのかもしれません。絵はラフェトラ・ラッセル。