西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

851
参考図像。15世紀初頭のタリスマンデザインと思われますが、確信はなし。検索ベースとしてアップしております。
852
どうやら猫の国へのゲートがある場所に教会を建てようとしていて妨害工作されたというのが一般的な解釈だったようです。猫関係のエピソードは謎を残したまま終わるものが多い気がします。
853
雑。一部地方の昔のハロウィンでは「赤い実」が面白い役割を果たしていた模様。煉獄から一時的に逃げてきた魂たちが追っ手のグールを退ける際に「赤い実」を使うとのことで、ゴーストパレードのしんがりの子が赤い実がついた枝を持つ役をつとめたそうです。細かい設定はたいせつな心得なり、と。
854
雑。以前も紹介しました19世紀の夏場のロンドンの風物詩「バイアブルーム」。フランドルからやってくる箒売りの女性たち。  ナーサリーという聖域で育つ良家の坊ちゃま嬢ちゃまにとって、ガラス窓越しに見る「路上職」の人々は異形にして異能、異世界からの誘惑者としての属性を有していてーー
855
人形魔術。どうもお人形の様子がおかしいとなると、お医者さんの出番であります。「脈がない」。そりゃないでしょう。処方箋としては、銀ボタンをお人形の服に縫いとめるとのこと。人形がからむとなにごとも呪術的になるのは致し方ないのであります。
856
雑。葬儀の際に鳴らされる教会の鐘には死者の魂を狙う悪霊を追い払う効果があるとのこと。ハンドベルのなかにはそれ専用のものがあって、葬送の際に貸し出されるといった記述もありました。音響系の追儺は効果抜群なのですが、近所迷惑でもあり濫用は慎むべきなのでしょう。
857
雑。デヴォンシャーに伝わるローズマリーを使ったディスペル法。「燃える石炭にローズマリーの葉を少しずつくべながら詩篇68歌の最初の二節を唱え、最後に主の祈りを唱えよ。悪しき術は解けるであろう」。写真はうちの庭に咲いていたローズマリーの花。こうしてみるとなかなかきれいです。
858
暦。 「雪のなかを裸足で踊るのはだれ?」 「扉を開いて迎えいれましょう」  ニューイヤーは到来する赤子として描かれますが、これが成長が早くて、12か月で老人となって家から出ていくのです。いろいろ考えさせられる設定です。絵は「カナダ読本」から。
859
追加。男児に女児服を着せて育てる例。ポーズをとっているのはウォルター・クレイン。母親と一緒なのがロバート・ルイス・スチーブンスン。どちらもオフショルダーなのが興味深いところ。この格好で育てるのは4,5歳までで、以降は男児服。11歳からは豆紳士風になるんだそうです。
860
英国の一部で行われた樹木呪術。  トネリコ等の若木を縦に裂いて体の弱い赤子をくぐらせる。それから裂いた若木を釘などで縫合する。若木がその後も順調に成長すれば赤子も健康に育つ。… twitter.com/i/web/status/1…
861
エピファニー「公現祭」に参加したがるベルギーのニャンの写真が届きました。こやつは以前、ビスクを木っ端みじんにした疑惑があり、油断はできません。バルタザールの運命やいかに。
862
暦。3月17日はアイルランドの守護聖人パトリックの祝祭日。何度も書いておりますが、この日は喧嘩祭りになることで有名です。死の床にあったパトリックその人が「悲しむな、むしろ騒げ」と言い残したそうで、以来飲んで騒いで殴り合うのが正しいのだそうです。絵はクルックシャンク。
863
雑。こちらは Alice Ercle Hunt が描くハンプティーダンプティー。かわいいのか不気味なのか、ともかくもいい味を出しておる、と自分などは思うのであります。こんなのが高所からダイブしてくるのですからマザーグース世界は怖いと申せましょうか。
864
雑。民話童話のオカルト的解釈という分野が人気を博した時期もございます。森の奥に住むおばあさんは土星、その途中に出るオオカミが火星、ふらふら遊んでいるお使いの赤ずきんは水星といった見立てです。土星が火星と接近していると危険がいっぱいーー
865
#DollsFestival 開国以降、ろくな輸出品がない明治日本にあって玩具類は主力商品。そのなかでも人形は利益率の高い優等生ですから、日本サイドも積極的に売り込んだ模様。おかげで当時の英米児童文学にも日本人形がよく登場します。図は輸入商社バンタインの1917年版カタログ。
866
犬。魔法資料を求めて児童文学方面を彷徨いますと、よく「フランダースの犬」に遭遇するのであります。そしてパトラッシュがわれわれが知る姿とはかなり異なっているため、報告しておく次第。ミフリン刊『名犬全集』(1924)の挿画、グスタフ・テングレン作。なかなか強面のパトラッシューー
867
雑。グリュエルの魔女の術。小さなケトルを火にかけて、周囲に釘、クルミの殻、白いビー玉、真鍮の鍵、サスペンダーのボタン、そして道端で拾った緑色のガラスの欠片をならべます。さらにケトルに糖蜜カップ1杯、塩ひとつまみ、チューインガム1枚、輪ゴム1個を入れて煮込むと、幸福薬の出来上がりー
868
雑。寒波は北から到来するのが普通ですので、北欧のルーン文字を使って呼ぶという発想があります。氷結と吹雪の魔法というわけで、エディス・メイいわく「私の部屋の窓を揺らす神韻を組む北風は/古代ルーンを吟遊する詩人」とのこと。絵はマクドナルドの「北風」by ヒューズ。
869
暦。3月1日はウェールズの守護聖人デイヴィッドの祝祭日。シンボル植物のネギとラッパスイセンが飛びかう日であります。あるいは黒煙突帽をかぶって赤ケープをまとうウェルシュメイドが練り歩く日。なにやら混乱しておりますが、そういうものだと思って混乱するのが作法のようです。
870
雑。カエルの鳴き声を音楽として捉える作品も。ドレクセル・ビドル『フロッギー・フェアリーブック』(1896)は、いわば「カエルの国のアリス」。カエル楽士とともにカエル国にまよいこんだエルシーがカエル舞踏会に招かれ、そこにガマ王が襲ってきてカエル王子が応戦するという両生類的修羅場ーー
871
ホーンによれば magician 神の名のもとに天使や悪魔を使役する enchanter 悪魔も天使も呼ばず、薬と呪文を用いて不思議をなす エンチャンターが唱える呪文をチャームと呼び、また呪文が封じこまれた物体もチャームと呼ばれる。 ここらへんの定義が結構面倒なのです。絵はコルムのエンチャンター。
872
雑。「パティーと魔法の水瓶」のお話。今度はムーア・バンタ版を発見。絵はデュリン。ストーリーはほぼ同一ですが形容などが現代風。水瓶氏も万能執事として大活躍します。地下牢に閉じ込められたパティーを救出し、追手を大量放水で足止め。とてもかっこいいです。おかげで無能王子に魅力なし。
873
雑。英国では長らく1666年のロンドン大火はカトリックの放火とされていて、荒唐無稽な推測も登場します。大火の翌年に出た小冊子ではイエズス会士がキツネを訓練して放火する模様が描かれました。尻尾に松明をくくりつけたキツネが暗躍するのであります。忍者犬か、と。
874
ウェストミンスターの宿屋には、青いタフタ織のドレスの裾をつまんで階段を上ってくる金髪縦ロール美少女の幽霊が出るとオカルトレヴュー誌の報告。階段を下りる人をすり抜けると、振り返って軽くお辞儀をするそうで、育ちがよいとの評判。英国の幽霊は一味違うのであります。
875
セイヨウナナカマドに関する伝承 ・祝祭日前夜に玄関に小枝を飾ると魔除けになる ・魔法の杖の適材 ・ウェールズの教会墓地に植樹される例多し ・赤い実をぶつけると魔物が逃げる 祝祭日前夜は天使たちが設営準備で忙しいので魔物の跳梁跋扈を許してしまうんだそうです。フェスの運営はどこも大変。