西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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猫。ライムに見るウィギンズ夫人の猫たち。「マダムが向かうマーケット、猫たちが繕うカーペット」。ウィギンズ連作は飼い主不在中に猫たちがなす不可思議あるいは理不尽な行動をユーモラスに解釈した傑作なのですが、同系ワンコものに比較するといまひとつ有名でないような。たまに紹介を。
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「お人形のお名前は?」 「マチルダ・ジェインよ」 「ではこれからはジェインとしか呼べないよ。マチルダは死んだのだから」 それでもマチルダと呼んでしまうと人形が腐りはじめるという、結構なホラーもあります。
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雑。シクラメンをいただきました。その護符効果はプリニウスのお墨付き。いわく「この花の咲くところ、悪しき呪いの効果なし」だそうです。一家に一鉢、家内安全。
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さらに日本民話の海外版。以前も報告しましたが「しっぺい太郎」のお話は海外に出ると化け猫退治ものになるのです。日本犬の特徴があまり知られていない頃は、太郎もレトリバーやボルゾイ風に描かれていて楽しゅうございます。サムライウォリヤーも国籍不明。
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暦。3月13日は天王星が発見された日。1781年のこの日、天文学者ハーシェルがふたご座付近を観測していて奇妙な動きをする天体を感知。一か月ほどの観測を経て観測結果を王立協会に報告。他の天文学者たちがよってたかって観測と計算を行い、新惑星と確認されたのであります。写真は月食時の天王星。
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暦。1月6日のエピファニーは東方の三博士の礼拝を祈念する祝日とされています。三博士の名前と贈り物とその意味はーー メルキオール 黄金 王権 ガスパール  乳香 神性 バルタザール 没薬 悲しみ となるそうです。「悲しみ」は人の罪を背負う運命を表すとのこと。絵は当館のホートンから。
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イースター。19世紀中頃まで、航海中にイースターを迎えてしまった船では船員たちがジャガイモ袋その他でイスカリオテのユダの人形(副長に似ていたりする)を作ってマストからぶらさげ、ナイフを投げたり銃で撃ったりして楽しんだとのこと。ストレスの多い船旅では重要な行事だったようです。
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暦。七夕近し。ハーンの『銀河のロマンス』(1905)がこの行事のスタンダードな紹介なのでしょうが、自分はリンダー『日本昔話』(1895)にある「ド派手な織女と対岸のモブ」が大好きです。彦星/牽牛の扱いはだいたいこの程度であります。
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雑。魔法の杖のなかには、実は別用途の物品であったものも存在します。図は17世紀頃のスクラッチバック、ようするに「まごのて」。ドレスアップした貴婦人の背中がかゆくなれば他の手段がありましょうか。全長12から15インチ、ひっかき部分は象牙製。それほど数は残っていないそうです。
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伝承。知らないうちに椅子がサークル状に並んでしまったら、最初に円内に足を踏み入れる人間はアンラッキーなことになるとのこと。何者かの話し合いを邪魔してしまうからでしょう。椅子が多数ないと不可能な状況ですが、夕暮れの教室なんかではよくありがちなーー
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雑。マザーグースに登場するゴッサムの三賢者。やはり天文博士を想定している例が多く、月星印の円錐帽をかぶっています。円錐帽は夜間の天体観察の際にかぶるもので、頭部を冷感から保護する一方、望遠鏡を覗きやすいようにつばがありません。星は読めても常識はわからない博士たちの図であります。
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雑。ラッキーアイテムとしての古靴はあちこちに伝承があります。結婚式の際に花婿に(思いっきり)ぶつけるとか、軍艦から異動する将校のブーツをカタパルトで飛ばすとか。それに子猫がからむといよいよ神秘的パワーが付与されるのでしょう。図は20世紀初頭の絵葉書。
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#猫の日 なので再掲。イタリア版長靴猫のキュートさは筆舌に尽くしがたし。王も家臣もメロメロであります。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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雑。魔法武器を捜索していて面白い鉱脈に遭遇。19世紀末の煙草のおまけカード「世界の武器」シリーズ。マシンガン、日本刀はいいとして、アイルランドのブラックソーンの杖「シレイラ」が完全に武器扱いされています。携帯鈍器としては世界最優秀の類なのでしょう。なかなか。
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雑の雑。クリスマス・ストーリーといえば『フランダースの犬』。各種挿絵に見るパトラッシュはなかなか戦闘力が高そうです。ネロも「やんのか、ああ?」と目つきが悪い(印象)。ペアで召喚すればそこそこ戦ってくれるかもです。
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暦。3月5日は #珊瑚の日 。西洋では ・雷雨と雹を寄せつけない ・邪眼や魅了を防ぐ ・着用者が病気になると色が褪せる ・乳児によい歯が生える などなど伝承されております。日本では珊瑚は産後を護るお宝として代々母から娘へ引き継がれたとのこと。語呂合わせの影響力は計り知れないのであります。
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暦。5月30日はジャンヌ・ダルクの命日。しかしチェンバースによれば火刑に処せられたのは身代わりの女囚であってジャンヌは生きているとの説が当時からささやかれていて、またジャンヌを名乗る詐欺師が跋扈していたとのこと。ヒロインの不死身を信じたい人も多かったのでしょう。
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季節。エイモス・ウェルズによれば、初雪のなかにたたずむ人は心の風景を周囲に映し出すとのこと。白い息と雪のかけらがいろいろな形に見えるのでしょう。お空の雲を観照する要領だそうです。wishing snow 願い雪と称されています。絵はいつもの雪の妖精の図。ただ眺めるだけ、触ると消えます。
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雑。英国製の陶器ポーマンダー。中には防虫剤を入れております。年二回、日を決めて補充していくのが賢いのであります。虫よけと魔除けは似たようなもの。もうすぐ季節もデビルズアウト・ハピネスイン。
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祝。ロンドンのオカルト古書店「アトランティス・ブックショップ」創業99周年とのこと。おめでとうございます。古来より古書店は魔界の入口なり、と。1984年に撮影した同店の写真も添えて。 twitter.com/AtlantisShop/s…
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雑。「ヘンゼルとグレーテル」に登場する魔女。子供たちをおびき寄せる手段としてジンジャーブレッドのヒトガタを使うという解釈もあり、興味深いのであります。グリムが採集した魔女のなかでも一番の変わり種かもしれません。
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雑。どうでもよい話題なんですが、昔の本にあるモモンガの挿絵が「なんかちがう」。1768年刊行『世界不思議図鑑』のそれは空飛ぶ変態中高年みたいで趣があるのであります。この種の博物学的驚異は神の御業の玄妙さを示すものとして19世紀児童文学に影響を及ぼしていきます。面白や、と。
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補足。英国ではながらく布袋様を「ラッキーブッダ」と称してマスコット化しておりました。よくわからない東洋系神仏はみんなラッキーブッダですませていたという印象であります。日本サイドも明治以降にマスコット類を大量輸出していたようです。
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雑。久々「天井ワニ」を発見。1896年のカッセルマガジンから。この不可思議な物品は、以前は魔法使いの部屋によく飾られていたのですが最近はとんと見かけなくなりました。黒猫、鏡、髑髏、砂時計などはいまでも現役。ともあれ時代考証の手がかりにはなりそうです。
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雑。読書の際は光源を左後方に配置せよ、とアメリカの小学生向け健康読本 (1934) から。目に光が入らないようにし、また小さい活字を凝視しないように。姿勢正しく、本との適切な距離を保つべし、と。ここを基本に各人が守破離していくのでしょうが、ベイシックは頭の片隅に置いておいてもよいような。