西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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雑。1882年刊行『世界の子守歌』から「ロシアの子守歌」。ララバイは魔除け歌の機能を持つものが多いなか、これは「月の光のなかで妖精のお話をしてあげるから眠りなさい」とする珍しいパターン。壁にかかるイコンも面白や。絵はウォルター・サタリー。
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暦。2月2日はキャンドルマス。この日までにツリーやリース等のクリスマス飾りをきちんと始末しておかないとゴブリンになるとの伝承あり。聖なるものも時間とともに劣化し、しまいには妖怪変化となるという発想はユニヴァーサルなのであります。
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暦。12月26日はボクシングデイ。みんなで殴りあう日です。お約束ですので今年も言いました。  ボクシングデイの由来は諸説あって、使用人にプレゼントボックスを渡す日とか、教会の募金箱を開ける日とかいろいろと。とりあえず当館では「魔法を箱に入れる日」と定義しておりますーー
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2023年の #夏至 到来。 英国で夏至 summer solstice というと思い浮かぶのはストーンヘンジ。延々と続く黄昏のなかにぽつんとたたずむ姿がようございます。絵はいわゆる「オクスフォードのターナー」が描いたもの。静寂のなかを目に見えないものたちが歩くのであります。
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雑。旅立ったお猫様の祭壇用、ツナ缶を模したキャンドル。好物で供養するという発想はユニヴァーサルでありますが、キャンドルにするアイデアは秀逸なのかもしれません。副葬品の魔術性という観点からも興味深いのであります。
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暦。8月16日は聖ロクスの祝祭日。犬を連れ、片足を剥きだしにした旅人の姿で描かれるため、タロットの愚者の原型であると当館などは考えております。家族も友人もなく異国の地でひとり病に伏しているとき、食料を持つ犬と薬を持つ天使が助けにやってくるというエピソードが人の心を打つのであります。
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雑。デイヴィスの『日本の神話と伝説』(1912)は言葉使いが面白くてよく参照します。河童がリバー・ゴブリン。なるほど、と。それにイヴリン・ポールのいい感じに変容している挿絵が加わり、絶妙であります。絵はホーイチ・ジ・イヤレス、さらにモモタローとキジの図。
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9月9日は #世界占いの日 とのこと。 この文字列を凝視していると「世界を占う日」のような気がしてきました。各国を擬人化したり、元首の即位日をベースに占ったりすることも多かったのであります。図はグレートブリテンの擬人化。飲んだくれたり、老け込んだり。怪魚に乗るのは御約束のようです。
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雑。勢いで人魚関連を調べるわけですが、やはりアンデルセン関連が豊穣の海であります。原作のおかげで触手に襲われる姫の絵が多いのはともかく、エレメンタルと魂の問題は最後までついてまわるようです。
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#猫の日 猫占い felidomancy ・猫が顔を洗うと雨 ・猫がへそを天井に向けて寝ると雨 ・深夜に猫に尾行されるとアンラッキー ・猫サイドからアプローチされる人は悪人 最後のやつは諸説あり。深夜尾行の件は、そもそも深夜に外出している点でなにしとんのかという話であります。
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季節。満月に関する伝承 ・歯痛予防の願をかける ・満月に種をまくと不作 ・満月の周囲に二重円が見えると雪が降る ・満月の下で採集するハーブは薬効が倍増 歯痛との関係がいまひとつ不明。顔が腫れあがって満月状態にならないよう、ということでしょうか。「満月」限定の伝承は少ない印象です。
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さてハロウィンの季節。リンゴを紐で吊るして手を使わずにかじるという定番ゲーム。未婚の男女の間で行う「きっかけ作り」でありますが、この絵では母が娘に手本を示しています。暖炉にかかる大鍋、足元の黒猫が呪術性を暗示しておるのです。母猫は子猫にネズミの捕まえ方を教えるのであります。
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雑。ティーカップの底に残った茶葉、空の雲や枝にかかる蜘蛛の巣の模様などから意味を読み取る占術。ランダムシェイプ系とでも称しましょうか。これからの季節は雪の上に残る足跡もリーディング対象となるのであります。猪とか熊とかの足跡は危険信号ということで。絵はウォルター・ボベット。
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雑。1853年の『倫敦絵入り新聞』に面白い記述を発見。猫には「客間猫」 parlour cat と「台所猫」kitchen cat の二種類がいて、前者は客を出迎え撫でてもらうことを喜び、後者は人見知りで主に台所で昼寝ばかりしているとのこと。示唆されること多し。絵はアンデルセン「氷の乙女」に登場する客間猫。
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季節。クリスマス名物、炎のなかからレーズンを素早くつまんで食べるゲーム「スナップドラゴン」。シンボリズムを考えますと、燃える皿がドラゴンの口というか地獄の門。そこから魂を救済するということか。クロスバンやソウルケーキに通じるものを感じるのであります。
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金曜日は13と一緒になってはじめて不吉になるのでしょう。13番目のユダ、キリストの処刑日が金曜という組み合わせです。他の伝承たとえば「曜日の子供たち」では「金曜生まれは優しい子」なのであります。前後の木曜の「行ったっきり」土曜の「生きるのに必死」に較べるとかわいいもんです。
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暦。1665年の9月中旬、ロンドン大疫病の猛威はピークに達し、死が市街を駆け巡ったのであります。デフォーの聞き書きに見るその様子はバイオハザードそのもの。都市機能がほぼ麻痺するなか、路上に放置された死体だけが増えていったとのこと。ライダー版の死神像は史実を背景にしている可能性高し。
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雑。壊れた(壊した)人形はナーサリーの一大テーマですが、呪術性の深刻さは言うまでもなく。放置すれば夜中に襲ってきますし、修理しようとすると謎の玩具職人がやってくる。お葬式をして埋葬しても翌朝には泥だらけの姿で玄関先に現れるのであります。おもしろや、と。
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雑。タヌキ。ハーンやセオドラ・オザキ・エイといった有力な日本民話童話紹介者はタヌキを goblin badger と表記していて、他の人々もほぼ badger アナグマを訳語として採用していた模様。自国にいない動物を説明するのは面倒な作業であります。絵はラング童話集の吊るされたタヌキ図。
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雑。ゆえあってザビエルの書簡集(英訳)をチェックしておるのですが、当時のままの地名表記がかっこいいのであります。 鹿児島 Cagoxima 都 Meaco 豊後  Boungo 平戸 Firando なんかで使いたく思うのですが、思いつきません。
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暦。5月16日はアイルランドの航海聖人ブレンダンの祝祭日。この方はさまざまな伝説に包まれた聖人でして、創世記の天地創造を信じなかった罰として世界を彷徨う羽目になったとか、超巨大魚を島と間違えて上陸し、その背中でミサを挙げたとか、シンバッドそこのけのエピソード持ちです。
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雑。付喪神の英訳語がいまひとつ難しいのであります。だいたいの文献は tsukumogami で済ませていて、たまに artifact spirits などが散見される程度。図はニト&ワグネル『日本のユーモア』(1903)にあった「家庭用品の夜宴」。雰囲気はようございます。
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雑。リースを編んで枝にかける術式。意図するところは招待であったり警告であったりするのですが、それがわからない発見者は歓迎されていないわけで、慎重に退去するのが賢明なのであります。作成者は森遊びに興じる子供なのでしょうが、その子の背後に別の力が働いている場合もありましょう。
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雑。ウェールズは古来より魔法使いを輩出する土地とされていて、かのマーリンを筆頭にグレンダウワーと有名どころが勢揃い。それゆえか悪魔もうじゃうじゃいるとイングランド方面が主張しております。図はともに白髭賢者風のマーリン。
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お茶会に関する伝承 ・手渡されたティーカップに浮かぶ泡の数が将来の夫の数 ・ティーケトルをゴトゴトと沸騰させると男が逃げる ・ティータオルがテーブルから落ちると来客の知らせ ・ティーカップを持つ際に小指を曲げる娘は決して結婚できない いろいろ作法があってややこしい領域のようです。