西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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雑。一次大戦を境にフィクション上の「魔女」のイメージが変化するというか、少なくとも田舎の老婆を出して怖がってもらえた日々は終わります。たいてい若い美女が登場してバトンタッチしていくわけで、新世代の魔女は若者の魂を奪い、箒のかわりにデューセンバーグを乗り回すのです。よきかな、と。
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猫。グリム童話「粉ひき場の少年と猫」はオーノア夫人「白猫」系の応報譚。徒弟の少年が三毛猫姫に気に入られ、猫の国で七年間過ごしますが、結構こき使われもします。少年の世話をしてくれる召使猫たちが執事服を着込んだみたいで面白いのです。絵はホープ・ダンラップ。
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雑。19世紀後半からファンタジーランドとしての日本が描かれるようになった印象。変なもの、きれいなもの、不思議なものにあふれていて、西洋の常識が通じないのです。アルフレッド・ノイエスにかかると「子供がいけない本を読んでも叱られない国」(意訳)とのこと。絵は『妖精会堂』(1923)から。
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ナーサリーマジック。縄跳び歌には不吉なものがあるのです。 母様、わたしは病気なの いつまで生きていられるか わたしが死んだら弔いに 馬車が何両くるかしら 一両、二両 ・・・ 失敗したときの回数がなんらかの意味を持つわけです。 占いなのか、呪いなのか、判断はむずかしゅうございます。
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雑。「月食。この絵を手に持ち1フィートほど離します。左目を閉じ、右目で天文学者の頭をじっと見ます。それからゆっくりと絵を近づけると、あら不思議、月が消えてしまいます」セントニコラス誌(1898)。盲点を利用した遊びですが、天文学者の衣装がすごいのです。海王星、天王星も入ってます。
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さて11月。冬の使者にして妖精女王の宮廷絵師ジャック・フロストが野山を晩秋色に染め上げ、窓に霜の絵を描きはじめる季節であります。日本でジャックによく似たキャラをさがしますと「北風小僧の寒太郎(コーラス:カンタロー)」が真っ先に思い浮かびました。みんなの歌おそるべし。
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花嫁に関する伝承 ・ヴェイルは挙式前夜まで家族以外の人間に見られてはならない ・ヴェイルをたわむれにかぶる人間は決して結婚できない ・白と青以外の花嫁衣裳はアンラッキー ・結婚式は〇〇時30分から開始しなければならない 最後のは、時計の分針が上昇していくさまがラッキーだからとのこと。
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雑。11月27日は奇人ウィンスタンリーの命日です。この人は機械仕掛けが好きなお金持ちで、趣味でからくり幽霊屋敷を作っていたのですが、あるとき私財を投じてコーンウォール沖の危険なエディストン岩礁に灯台を建設。1703年11月27日の大嵐の日に灯台をメンテナンスしていて灯台ごと行方不明にーー
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雑。ティンカーベルを探すと当然ながら多数のピーターに遭遇します。赤いのはウッドウォード画、黄色いのはルーシー・アトウェル画。ディズニーに慣れすぎた目には実に新鮮でありましょう。なおピーターパンといえばクリスマス後の妖精劇「パントー」の定番ですがーー
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雑。異文化の神様の取り扱いは難しいのであります。1926年の米国児童雑誌『ウィー・ウィスダム』で紹介された「天岩戸」のお話は、ストーリー的には問題ないものの添えられた挿絵が微妙(ですがそれはそれとして魅力的な絵ではあります)。ちなみに教訓は「兄弟げんかはやめましょう」。
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雑。anti-conjurer なる言葉は現在では「奇術のタネをばらす人」「トリックを見破る人」の意で用いられているようですが、もともとは「魔女の呪いを解く」「憑き物をおとす」専門家としてイングランド北部からスコットランド南部の村落で活躍していた人のことだった模様ーー
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雑。ホーンの暦本によれば、時折り教会墓地の土中より小さな砂時計が見つかるそうです。副葬品として棺に納められたもので「汝の時の砂は尽きたり」の意があるとのこと。きっちり死んどけということらしいです。この種の砂時計をコレクションする人もいるとか。小ネタとして。
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雑。ブラシ部を前にする箒飛行でしかも男子というのは極めて珍しいのです。ただし少しわけあり 「ほうきがあれば、乗り方を知っていれば、 ジェインがお茶してるすきに窓から飛び出して ぼくみたいな足の悪い子がいない国へいきたい         松葉杖じゃなくてほうきがほしい」 絵はポガニー。
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暦。サンタクロースが現在の姿形になったのは何時頃か、とよく議論されております。1912年の子供読本のサンタはでっかいバスケットを背負ってなにやらネズミと談合中。暖炉脇の不審人物は1840年の雑誌に見るサンタ(活動日は大晦日)。どうにも怪しげでいけません。
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ハロウィンゲーム「針浮かべ」。参加者が水を張ったお皿に縫い針を浮かべていきます。すぐ沈むやつ、他の人の針にくっつくやつ、挙動不審なやつといろいろあって笑いをとります。必ず沈む針、磁力を帯びた針、うっすらバターを塗って浮力を強くした針などを準備しておくのがコツとのこと。
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#違うんだよ母ちゃん選手権会場 発行年、製作会社、印刷所、紙質、手触り、原画参照元など、ひとつひとつ入手して丁寧に確認するのが研究の第一歩でございます。
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雑。『亡くなった医師の日記』(1834)にある幽霊犬(幻覚犬?)の記述が面白いのであります。巨大な青いニューファンドランドにつきまとわれながら、目の錯覚だ気のせいだと必死で抵抗する常識人の患者さんが医師に相談します。結論は出ないままですが、この時期からサイコホラーの気配あり、と。
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#ドラゴンの日 「ウォントレーのドラゴン」。英国古謡にうたわれるヨークシャーの悪竜。有翼、44本の牙、大きさはトロイの木馬ほど、人畜有害、自然災害なみと喧伝されましたが、刺付き甲冑をまとった泥酔騎士に蹴られて悶絶。かつてはさまざまな作品に登場しましたが最近はあまり見かけません。
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有名な「聖母と奇術師」伝説。ムーア・ヒギンズは主人公を少年にしております。怪我をして一座から見捨てられたジャグラーの少年が修道院に引き取られますが、聖務的にはなんの能もない自分が悔しくて、せめて聖母に芸で楽しんでいただこうと像の前でジャグリングをするお話。やがて奇蹟がーー
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燭台に関する伝承 ・三本の燭台を並べて着火してはならない ・古い燭台は嵐の夜に光る ・燭台を蹴ってはならない ・燭台で人を殴ってはいけない 最後のは、大して威力がないからだそうです。銀の燭台が魔物に有効という話もありますが、銀メッキはどうなのかという議論も。
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雑。服飾史によればマーメイドドレスは1930年代以降の流行とのこと。アイデアはずいぶんと先行していたようです。図は1860年代のハーパーズバザー誌から。鏡と櫛も揃える本格派であります。仮装か正装かは定かならず。
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昨夜は雷雨が凄かったので関連伝承を。 ・結婚式中の雷雨は不吉 ・雷雨中に楽器を演奏するのは危険 ・猫は稲妻を呼ぶ ・落雷に遭った樹木を焚き木にしてはいけない ・羽根布団で寝ているときは落雷に遭わない ・落雷に遭った教会尖塔十字架はとんでもないラッキーアイテム
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お宝、とまでは。今回のお宝群はいろいろなものが箱に入って届きました。これは三位一体を表すフルール・ド・リスの金具に深緑色のリボンのブックマーカー。大切な書物のページに挟むのであります。優雅な読書のお供に。19世紀末あたりの品でしょうか。
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ナーサリーマジック。ユージン・フィールドの詩「シャッフルシューンとアンバーロックス」では老人と子供がともに積み木遊びに興じます。子供は大人になったらお城を建てると言い、老人は自分が建てた城を語るのであります。ともに人ではないようです。絵はマクスフィールド・パリッシューー
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なにやらトレンドにスペイン風邪が。 以前も触れましたが英語圏ではながらく災厄をスペインに押しつけてきた歴史がありますから、謎の疫病もかの国のせいにされたのでは。 Pain, pain, go to Spain いたいのいたいのスペインに飛んでけ 子供のおまじないレベルでこれですから。