西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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雑。風見鶏を魔術的に考察すると結構たのしいのであります。方角とエレメントの照応、さらに魔術武器の素材とアイデアは豊富。鶏以外のデザインも多く、教会によってはドラゴンになったり聖人になったり。もちろん風見猫は定番。風の吹くまま、気まぐれなり、と。
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七里靴はもともとオーガが履いていたもので、親指トムなどが盗んで逃げていくのです。絵はセントニコラス誌にあったこぐまたちと七里靴。デザイン的にどうなんだろう、と。
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雑。「時を刻むもの」は死の象徴。巨大柱時計も例外ではなく、ゆえに呪術の舞台となりうるのであります。なかに人形を隠したり、わざと故障させてみたり。図は古典的肝試しの様子。八時は午前かもしれません。
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エドワード七世の王妃アレクサンドラが皇太子妃時代に使用されていた品、ということでしょう。当時から「やりすぎ」との評判もあり、戯画が描かれていたように記憶しております。 twitter.com/HirokoMiyamoto…
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さらに毛糸玉の伝承 ・意中の男性に毛糸玉の巻取りを手伝わせると恋仲になれる  これにつきあってくれる時点でおまじないなどいらんだあろうと思うのでありますが。炉端の風物詩といえるのでしょう。
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雑。ベツレヘムのあの夜、他の天使たちとはぐれてしまった迷子の天使が出会う人々に持ち物を与えていく「迷子の天使」ジャネット・フィールド・ヒース作(1929)。竪琴、輪っか、翼を手放し、ただの人となっていきます。「星のターナー」に似ていますが、もっと投げっぱなし。心に残るのであります。
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雑。ジレット・バージェスの現代童話『活気の街リグ』(1899)ではグランドピアノが風車に恋をします。いろいろあって結ばれた二人(?)の間にイオリアンハープと手風琴が生まれてめでたしめでたし。機械に人格を与えて恋愛させる話は結構見受けられますが、楽器と相性がいいような。絵もバージェス。
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雑。ご近所の車にスズメが巣を作った話が伝わってまいりました。古今東西、鳥が妙な場所に営巣するとき、それは吉兆と見なされます。英国海軍の軍艦にコマドリが営巣した話は以前紹介いたしました。新たな生命の誕生はなんだかんだ慶事なのであります。図は江戸時代の根付。
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暦。お盆のような、亡くなった人が現世に舞い戻る日には特定の場所でアパリションを目撃できる可能性が高いいため、「レディーに会いにバンベリークロスへ行こう」となるわけです。見物人がつめかけております。ルート持ちの幽霊もこの範疇といえましょうか。絵はタラント。
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雑。いわゆる「ひとめぼれ」はエンチャントメントの類でトラブルのもととする物語が多いのであります。とある賢王が嫁探しの旅に出て、よりによって性悪の騎虎姫にひとめぼれ。王妃として連れ帰るも妖精関係のもめごとを引き起こして何代もたたる呪いをかけられーーラングの灰色童話集から。
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暦。6月23日夜は聖ヨハネ前夜。今宵、魔女たちが大空を飛びまわるとされておるのですが、その理由がいまひとつ不明なのです。同伴者はどんなアクロバット飛行をしても落下しない黒猫たち。おかげで黒猫グッズは飛行関係ではラッキーアイテムとして大人気であります。
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#怪魚の日 聖書で怪魚といえばヨナを呑み込んだ巨大魚が代表でしょうが、クジラ説も有力。  そういえば「そいつが乗り込むと船が沈む」と噂される不運な船員(しかも本人は助かる)を「ヨナ」と称して忌避する話が『スーパーナチュラル・ウォー』にありました。こういうのは理屈じゃないらしいです。
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季節。帽子を脱いで花を持つ少女のもとに蝶と小鳥がやってきます。蝶は死者の魂、小鳥は生霊ですから、この少女もまた常の人ではないような。イングランドの夏の宵、妖かしもプロムナードを楽しむのであります。  しかし最近はどこも酷暑続きで、涼しい幽霊が出る話も少なくなっています。残念。
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続き。こぐまたちが持っていた「願いがかなう指輪」が発動して夏が到来。雪だるまは溶けてしまいます。ふたたび冬を呼ぶと水たまりが凍ってスケートリンクになりました。めでたしめでたし。セントニコラス誌では流血沙汰はめったに発生しないのであります。
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さて10月。スペンサーによればオクトーバーは恐ろしいサソリに乗り、ワインをかっくらう陽気なおっさんであります。秋の収穫を享受しつつ、来るべき冬のことははまだ考えません。楽しそうです。楽しいのです。
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トレンドに「愚者の棺」なるものが。 タロットの愚者に関していえば、あれは放浪者でもありますので野垂れ死にが基本。屍は崖下で白骨化するか獣に食われるのであります。棺はちゃんとお葬式をあげてもらえた証拠ですので、「愚者の棺」は矛盾ワードなのでしょう。面白や、と。
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「例のおまじない」。暖炉あるいは焚火の近くに男の名名前を刻んだナッツ類を置き 「わたしが好きならはじけてとんで  嫌いだったそのまま死んで」 と唱えます。ぴくりともしないナッツは火中に蹴りとばすのです。複数並べて最初にはじけた男が本命といった占い方もあります。ぴくりとも(以下略)
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猫。読者対象がいまひとつ不明な童話は面白いような迷惑なような。ブラボーン卿の「猫男」(1886)は妖精を怒らせて猫に変身させられた中年男性の苦悩と解放を描く中編。解呪条件もややこしく、年少読者には難解な文体がえんえんと。サンボーンの挿絵も妙にリアルなタッチで不気味なのであります。
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雑。ヴィクトリア朝淑女紳士のウェストサイズに対する執念は、後世のわれわれの目には異常に見えるのですが、当時はどう思われていたのか。レディーたちがちょっとしたショックで失神していたのは当然だったのかもしれません。当時のコルセット、なかなか怖いです。
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雑。呪われた武器でつけられた傷は普通の治療では治らない。その武器の呪いを解く必要があるという発想。いわゆる「武器軟膏」もこの範疇でありましょう。短剣で刺されたら、その短剣に軟膏を塗るのであります。薔薇十字系治療法として記録多し。さすがに各方面から反論され、18世紀には廃れた模様。
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季節。この時期、英国の寄宿学校もクリスマス休暇に入りますので、子供たちが実家に帰省することになりますが、その際に学校から最寄りの駅までファンシーな仮装をするならわしがあったとのこと。思いっきり盛り上げるわけです。カットは『スクルージ』の一場面から。
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雑。英国では名付け親が名付け子の洗礼祝いに「使徒スプーン」を贈る習慣がありました。裕福な名付け親は銀製の十二使徒ワンセットを、そうでない人は名付け子の名前や洗礼を授かる教会にちなむ聖人の一本を贈るのがならわし。いずれにせよ護符的性格が強い品。熔かして銀の弾丸に、などと妄想も。
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雑。学問も擬人化されれば恋をしたり喧嘩をしたりするのだそうです。チェンバースによれば1621年8月26日にオクスフォードで上演された『テクノガミアあるいは諸学芸の婚姻』なる劇では、地理夫が天文子を旅行に誘ったり、算術子が幾何夫と遊んだりします。悪役は魔術夫と占星子ーー
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雑。例のスタンプーのお家の先住ネコ。あるじが犬ばかり撮影しているので対抗意識を燃やしたのか、最近やたらとフォトジェニックを心掛けておるとのこと。ヒーラーとしての犬猫に注目するのも魔法のうちでございましょう。
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季節。暦本によりますと英国では三月六日をもって春の始まりと見なすとのこと。樹木の精霊たちが春休みに入り、草花の妖精たちが活気づくとされています。忘れ去られたお墓のそばに一輪のスミレを見るとき、人のみが友にあらずと思い知るのであります。絵はヒース『屋根の上の家』からドタラー。