西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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お宝。エナメル細工の十字架。100x63x4㎜、75g。中央に描かれるのはいわゆる「聖心」。左右に伸びる緑の穂、上下に描かれるのは葡萄か。全体的印象としてはオリエンタリズムであります。女性の持ち物にしてはずっしりと重く、聖職者の装具にしては意匠が派手すぎる印象ーー
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5月12日はフローレンス・ナイチンゲールの誕生日。 没後に神格化が進むなか、少女時代に犬の看護をしたというエピソードが小学読本などで宣伝されていくわけです。「なにをなすにも予算と人員」をモットーにあらゆる手段を弄する辣腕ぶりこそ紹介すべきかと。図は第三カナダ読本の挿絵から。
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猫伝承。おばあさんが引っ越しをした際、飼い猫を置き忘れてしまったのです。そこで迎えにいくと昔の家から人声が聞こえてきます。おばあさんがドアをノックすると中から二本足で立った元飼い猫が出てきて、おばあさんを一瞥するとミルクの入った皿を玄関先に置き、扉をピシャリと閉めてしまいました。
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暦。クリスマスの飾りつけの様子がまた届きました。玄関先の盾持ちライオンはわかりやすい魔除け。常緑のリースは悪しきを弾き、善きものを通すのであります。ロックダウン中でもクリスマス準備は粛々と進行しているようです。
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暦。バレンタインデイ近し。もとは小鳥が伴侶を選ぶ日とされ、そこから恋心が小鳥となっていとしい人の窓辺に現れる日、とロマンチックな解釈が出現。よりわかりやすく小鳥の絵葉書を送りつけるのもありでしょう。花言葉、小鳥言葉と恋の暗号が飛び交う季節の到来であります。
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シャドウ。影絵の魔術性は万人の知るところ。戸口にマクラカバーやシーツを張って後方に光源を配置するスクリーン型影絵ならば複雑なストーリーも展開できるのであります。細い棒を使ったネコの造形が面白うございます。図版は『少年少女の本棚』(1955)から。
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猫魔術。マザーグース世界のネコが奏でる楽器はヴァイオリンかバグパイプ。とりわけこの「フィドル・カム・フィー」しか歌えないというバグパイプ猫は謎めいてよろしゅうございます。「ネズミとバンブルビーが結婚するとき」という一節は時期的条件を表しているのか、素材なのか。絵はベネット。
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雑。童話における王子様はだいたい無個性チャーミング青年ですが、ごくたまに美少年系も。絵は「豆粒の上に寝た王女」から、ヘドヴィグ・コリンが描いた王子様。ほとんどストーリーにからまないため画家が好みを優先した結果であろうかと。そのぶん、夢のなかに登場したときは要注意かもしれません。
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雑。犬の名前「ポチ」は Spotty の音写という説。なんでも日本での初出は明治19年刊行の小学読本とのことで、ならばと見てみると挿絵に西洋の読本の影響が濃いのは瞭然。同時期のアメリカの読本にも Spot なる犬が登場していて、この説はかなり説得力があるような気がします。
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伝承。ロンドン塔のオオガラスが話題になっているので ・葬儀の際にハトがやってくると被葬者は善人。オオガラスがくると悪人 ・屋根のうえでオオガラスが鳴くとその家から死人が出る ・一羽だけのオオガラスに会うと不吉。二羽なら吉祥 ・オオガラスはアルファベットの大文字が読める
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雷が鳴っているので関係伝承を ・ネギが生える藁屋根には雷は落ちない ・トネリコは雷を引き寄せる ・火打石を左の肩越しに西に向かって放ると雷を呼べる ・教会の鐘を鳴らすと雷が退散する ・雷雨の際に鏡を見ると不吉 ・カミツキガメは雷が鳴るまで噛みつく 図は西洋で紹介された東洋の雷神さま。
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雑。子供と人形がお揃いの服を着ている状況。呪術的には災厄を人形が身代わりしてくれるとの発想ですが、人形のほうが強ければ子供が身代わりになる可能性もあるわけで一考の余地がありそうです。おさがりの洗礼服などを人形に着せるのはよくある工夫。
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#違うんだよ母ちゃん選手権会場 母「あれが飲みたいの。燃えてどんちゃん」 姉「・・・モエ・エ・シャンドン?」 母「それそれ、燃えてどんちゃん」 実際にあった会話です。
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油断。銀器を三か月放置するとこの始末。1時間かけて磨き上げてやりました。その間の心理が心地よいのであります。以前も記しましたが、銀器磨きは伝統的な気分転換法としてフォークロアのひとつと化しておるのです。磨くためのワンセットといってもいいかもしれません。ビフォアアフター。
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雑。4月28日は通称「世界二周山羊」の命日。この雌山羊はミルク供給担当として「ドルフィン」号に乗り組んで世界を一周し、さらにキャプテン・クックの「エンデバー」号で二周目を果たし、その功績を認められて海軍本部より年金を貰って余生を送っていたとのこと。1772年にグリニッジにて死去。
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さて八月近し。「八月は乙女の手を引いてやってくる」とスペンサーが歌っております。妙齢のお嬢様方をエスコートしたがる暑苦しい中高年の図であります。なお乙女は地上に不正義がはびこるさまに絶望して星空に去った女神さま。手にする刃物で魂の収穫を開始します。
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雑。小さな蜘蛛の巣に朝露がかかった状態を「妖精花嫁のヴェイル」と称し、フェアリーウェディングの兆しとするのであります。見かけた際はポケットのなかのコインを裏返すおまじないをして、帽子をちょっとあげて挨拶をするというしきたり。さりげない礼儀作法は転ばぬ先の杖なり、と。
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雑。獰猛な野獣も聖人のまえでは友好的になるという伝承。いろいろと伝わっておりますが絵になるのはやはり聖ブリジットでしょうか。オオカミ好きの王様のもとに息のかかったオオカミを送り込むあたり、したたかなり、と。ブラウン『聖人と友好的な獣の書』(1900)から、絵はファニー・コーリー。
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雑。チェンジリングでこの世にやってきた妖精の赤子のなかには、物静かなタイプもいるとのこと。虚空を見つめてなにか回想しているような。ラスロップの絵を見るかぎり、ゆりかごに刻まれた魔除けの十字も役に立たなかったのであります。デラメア『ダンダンデリーの書』から。
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花。ペリウィンクルは春先の魔力の強い花として有名で、別名を「妖術師のスミレ」 sorcerer's violet。土地によっては花輪にして魔除けや魔封じに使われたりします。絵はいつものネリー・ベンソン。
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今週は #愛鳥週間 とのこと うちの近所にフクロウが棲んでいるのですが、姿は見たことがないのです。深夜にホ、ホホゥと鳴いていて、ときおりウホホホホと短く発します。ブランドの英国故事本によりますと、フクロウは羽根の生えたネコの一種なんだそうです。わかるようなわからないような。
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雑。エドナ・ケリーによれば古代ドルイドは吹きガラスの技術を持っていて、自ら吹いたガラス玉を紋章として持ち歩いたとのこと。想像するに魔物や魔力を封じたガラス容器なども存在したのでしょう。吹きガラスの技術自体は古代エジプトやフェニキアの頃から存在しています。いろいろと興味深いです。
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#今年も残りわずかなので今年一番伸びた絵を貼る 自分が見つけた絵という意味なら、このが楽譜クマでしたねえ。
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暦。こう暑いと海に飛び込みたくなるわけですが、それはカエルも同じということで。19世紀中頃から英国では海水浴が流行し、とりわけ男女がともに水着で遊ぶという mixed bathing が注目の的。いろんな混浴が描かれています。
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暦。10月4日は日本限定の #天使の日 とのこと。 19世紀に入ると angel の従者として the angelical なるものが文芸作品等に登場するようになります。天使よりも人間に近いのですが、それほど詳しく定義されていない感じです。図はニューマン『ゲロンティアスの夢』(1865)のローズ挿絵版。