西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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犬。スレッドを改めて一枚。奥に見える妙な円筒状物体は19世紀末のドイツ製陶製暖房器具。現在はなかに電気ストーブを仕込んでいるとのこと。絨毯はもちろんペルシャ。ピアノは年代物のエラール(いまだ現役)。演奏が始まるとワンコはピアノの下で寝っ転がるそうです。全体、優雅であります。
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雑。不用意に「フェアリーブーツ」を履いてしまうと靴底が擦り切れるまで踊り続けるという伝承。ネズミの奸計にはまった猫が踊っております。すべてが夜の庭園日時計の周囲で起きている点にも注目。ロングマン読本から。
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雑。記録の天使という発想があります。睡眠中に接触することもあるそうです。 「なにを書いておられるのか?」 「神を愛する者たちの名前を」 「私の名前はありますか?」 「ありません」 「ならば私は、人を愛する者として記録していただければ」 リー・ハント「ベン・アデル」からーー
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強大なドラゴンが人化するとなぜ女性になるのか。関係者に質問してみたところ「カマキリみたいなものでおおむね雌が強い」との回答をいただきました。そういえば雄ドラゴンにはたいてい姉がいて頭があがらないのであります。面白やおぞましや。
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星空に関する伝承 ・星を百個数えると無くしたものが見つかる ・星を数えながら寝ると寿命を縮める ・星の名前を三つ連続して唱えるとそのうちのひとつの夢を見る ・月の周囲の輪のなかに星がひとつ見えると翌日は晴れ。 星を数えると生命が危ないという話は多いのであります。
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夏至に関する伝承 ・新しい服を川につけたあと、裏返して椅子にかけて乾かす。すると正午あるいは真夜中に将来の伴侶が服を元に戻す姿が見える。  川につける、裏返すというのは魅了消去の形式。それを戻しにくる生霊を観察するという形式でしょう。夏至の頃はこの種の術式が多いのであります。
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小悪魔「しかしご主人さま、犬や猫には魂はないのでは?」 悪魔 「おぼえておけ。魂というものは裏切られたときに生じるのだ。この子にはもう[猫の頭をなでる]立派な魂がある」 よく言われる解釈であります。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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なくした人形に関する伝承 ・新しい人形がきたので家出した ・おもちゃの国に帰った ・月の暗いがわで遊んでいる ・見つかったときは何か別のものが宿っている だいたい怖い話が多いのです。夜中にふと目が覚めるとぼろぼろの人形が足元にいて、じっとこちらを睨んでいたりします。
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雑。フェアリーテールの世界では、小さなキノコは妖精さんの雨傘で、大きなのはテントなんだそうです。突然現れる大きなキノコの下では楽団が演奏したりマーケットが開かれたり。いずれにせよ近づくと不測の事態に陥ちがち。絵はマルグリット・ジョーンズ。
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暦。ジャコランタンはデュラハンよろしく小脇に抱えて練り歩くのが当初のパターンだったようです。暗闇のなか、あれだけが浮遊するとさぞかしよい雰囲気だったでしょう。ソウルケーキを求めてさまようのであります。玄関先で鎮まっているランタンも哀愁を帯びていて、風流なり、と。
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20世紀に入ると「とにかくワニをぶらさげときゃいいんだ」と微妙な位置にくる例も。こうして絵画的約束としての賞味期限も切れていったと思われます。
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季節。ヤドリギの下にいる人にはキスしていいという習わしは英国が発祥の地とのこと。  なおヤドリギを如何に戦略的に配置するかがパーティーの女主人の手腕なんだそうです。むさい中高年どもを酒や葉巻で一か所に集める一方、攻略対象の青少年を動線上に導くのだとか。いろいろ楽しそうです。
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暦。9月14日は「悪魔の木の実集めの日」 Devil's Nutting Day (21日説もあり)。この日に収穫されたナッツ類(殊にヘイゼルナッツ)には魔力が宿るとのこと。それを求めて森に入り、同じ目的の悪魔と遭遇するお話が多いのであります。おおむね早い者勝ちのようです。
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先程、庭先にカササギが出現、撮影。ちょっと手振れしているのが悔しいです。  おしゃべり好きの小鳥がおしゃべりに夢中になってノアの箱舟に乗りそこなったとの伝承。それでむりやり鳩とカラスの間に割り込んでこの姿になった、となんかで読んだような気がします。面白や、と。
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雑。修道院の花暦によりますと2月4日の花はゴルディロックス。昔は春先の黄色い花の総称だったようで、キンポウゲが近いそうです。現代ではゴルディロックスといえば三匹の熊さんの家を荒らした金髪少女を指すのが普通。このお話の教訓は「中庸の美徳と破綻」なんだそうで、逃げ足も大事とのこと。
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雑。夢のなかに登場する扉は往々にして自動式、というかノッカーがこちらの手をつかんで離さなかったりする恐怖仕様。開けた先にはさらなる夢の世界が広がっているのであります。「扉口に潜むもの」との遭遇も不可避なり、と。
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先の関連。ニューイングランドの未婚女性には「独身手当」が支給され、またバカな男に嫁ぐくらいなら独身を貫くという「オールドメイドニズム」もあったとのこと。当時の女性は16歳くらいで結婚していたため、20歳で未婚だと old maid 、25過ぎると上位種 ancient maid にクラスチェンジしていた模様。
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#天使週間 16世紀中頃に英国で鋳造されていた金貨。悪魔を倒す大天使ミカエルという意匠ゆえに通称「エンジェル金貨」といいます。あの当時の戯曲などでよく「天使にはとんと縁がござんせん」などと悪党がほざいたりするのは金貨とのダブルミーニング。縁削り防止のギザが摩耗しているのも生々しや。
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雑。タイプライターの登場以前、達筆ゆえの悲喜劇が多数発生したとのこと。暦本によれば、とある人物が二頭の猿を海外に注文した際、綴り間違いで two を too とやってしまい、さらに文字が乱雑だったため too が 100 と誤読され、半年後に100匹の猿が到着したそうです。図は1822年の肉筆領収書。
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雑。パンドラの箱の描き方もいろいろあって面白いのです。オリーブ・アレンが描くのは好奇心あふれる少女。クララ・M・バードのパンドラは蓋を全体重で押さえ込みにかかります。旅行前の無理な荷造りのようです。出てくる災厄たちはどこかユーモラス。
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暦。毎年恒例、六月の「カニ乗りおやじ」の登場であります。甲羅の上にちょこんと正座するひげもじゃの中年男の謎の微笑みに戦慄せよ。いちいち召喚せずとも勝手にやってくる貴重な存在なのです。最近ファンも増えていると聞いております。よしよし、と。
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季節。枯れた夏の花を集めて燃やすと、煙のなかに妖精さんが見えるというセンチメント。  夏の送り火は秋の迎え火というわけです。昨今は消防法その他の関連で庭先の焚火も難しゅうございますが。絵はライト・エンライト。
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すべての死者の日。思い出してくれる友人がいない人のために、教会ではロウソクを灯したり、鐘を鳴らしたりして孤独な霊を慰めるといいます。11月2日の黄昏時、遠くで鐘の音が聞こえたり、不思議な明かりが見えたときは、ちょっとだけ敬礼するのが心得なんだそうです。
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雑。クリスマスは意外にドラゴンの季節でもあります。先般より紹介しているスナップドラゴンがひとつ、さらにこの時期に演じられる寸劇「聖ジョージとドラゴン」がひとつ。後者はお笑い味が強く、頼りない聖ジョージが姫に助けられたりします。子供用ドラゴンかぶりものもいい味だしてます。
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雑。ハロウィンの幽霊たちは煉獄から仮出所中という設定で話が進むわけです。煉獄の入口はどこにあるのかよくわからないのですが、よく言われるのが大きな樹の下の暗がりであります。樹木崇拝を主とするドルイドの名残でしょうか。絵はローラ・M・ラッセル。