西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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雑。シスルトン・ダイアによればヴェネティアン・グラスは毒物に触れると割れるとの伝承があったとのこと。ゆえに同素材を用いた酒杯などが貴族の間で重宝されたそうです。ガラスの表面に金銀をあしらうのも毒物による変色を想定しているのでしょう。優雅な殺意の時代であります。
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悪霊の類は籠の目あるいは篩や網の目を数える習性があり、数えているうちに本来の使命を忘れたり夜明けになったりするとのこと。ゆえに籠や篩は魔除けとして使えるとの伝承があちこちに。興味深いのであります。
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暦。#ミツバチの日  魔術的宇宙観では金星の力が大気を通過してハニーとなり、花にたまります。それを採取して精製するミツバチは宇宙の情報の取材者と見なされ、勤勉の規範として尊重されるのがしきたり。引退した英国紳士の養蜂趣味は、ノブリス・オブリージにして情報活動の比喩なのであります。
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仮装舞踏会。このロングドミノは馬車から降りてトワレに入るまでの必需品。黒装束の下にどれほどファンシーなドレスが隠されているのか、それをほのめかすのも前哨戦。トワレで最終チェックをしてから大広間に突撃。貴婦人はみなさま喧嘩上等なのであります。
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ーー「こんなものを目にできるとはなんという幸運か」。こういった一連の変成を術式化して儀式に組み込む作業を19世紀のオカルティストたちは好んで行っておりましたので、後続の者たちも民話童話の類を渉猟するのであります。絵はラッカム。
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雑。メモがわり。 wreath 花輪 植物で作る輪。儀式的。 garland 花冠 花や植物で作る紐状装飾。 festoon 花紐 紐状。主に壁飾りに使用。 nosegay 花束 歓迎用の小さな花束。 呪術ではリースが主流のようです。ガーランドは冠だけでなく紐状のまま肩にかけたりします。
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#天使週間 天使の剣はフランベルジュというトピックがありましたが、あれはもっぱら対人用のようです。悪魔相手になると槍や片手剣を描く例が多く、使い分けがされているのであります。聖書の記述と絵画制作上の約束事は両立するのか。興味深いのであります。
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暦。11月29日の吸血鬼シーズンインを前に、関連話題を。  英語圏で見かける vampire cat という魅力的なモンスター、その正体は鍋島の化け猫。ミットフォードの『日本昔話』(1871)で紹介されたものが各所で再話され、微妙に変容する様子が面白いのであります。絵はミットフォードからーー
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雑。緑茶にミルクや砂糖を加える飲み方は結構ポピュラーだったとみえ、1913年の擬人化絵本でもこの通り。「日本からやってきた緑茶さん、しわだらけの小男です。うちのお茶は上質です。シュガー、ミルク、アイス、どれになさいます?」。緑茶ファンタジーは興味深い領域なのでちょっと追求してみたく。
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雑。夏至の日の夜明けをエルフィン・ドーンと称するとのこと。妖精たちが楽器を手に集まり、日の出に合わせて音楽を奏でるとされていますが、もちろんそれを耳にできる人は限られておるわけです。フィッツジェラルド『ザンキワンクとブレザウィッチ』(1896)から、絵はラッカム。
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雑。フランスの女児の遊び「鳥かご」hen coop 。まず右回りでしばらくスピンして突然停止。その際に少し膝を曲げ、また両手を広げてバランスをとります。すると風をはらんだスカートが鳥かごのような形になるとのこと。そのまましばらく停止したのち、今度は左回りで同様のアクションーー
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#ドラゴンの日 さて今年もまた4月23日すなわち「ドラゴンの日」が近づいてまいりました。一般には聖ジョージ祝祭日だったりしますが、そこはそれ。大多数のドラゴンは書物のなかに棲息していますから、書物の日でもある23日にみなさんのお気に入りのドラゴンを紹介してください。図は当館の守護龍。
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ザクロに関する伝承 ・玄関の敷石に押しつけて潰し、飛び出た種の数がその後の半年の幸運の数 ・多産の象徴として婚礼に登場すること多し ・人身御供の代用品としての伝承あり ・魔物に投げつけて退散させることが可能 近所のザクロが熟してまいりました。最後のは天然榴弾ということで。
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暦。5月28日は「図書室に出現する霊的美少女の日」。1583年のこの日、英国の大学者ジョン・ディー博士の図書室に不思議な美少女の霊が現れ、他愛ないおしゃべりをしながら飛び回りました。英国魔術史上もっとも魅力的な瞬間と称されています。
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付与。篩や籠の目に霊たちがとりつくのは知られた話。ゆえに魑魅魍魎が地のおもてを歩むハロウィンの夜の編み物には霊力が宿ることが多いとされています。着用する人を守ったり魅了したりするのです。
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雑。一本の樹に生るリンゴのうち、一番早く熟した実は妖精女王への献上品として夜明け前に消えてしまうというお話。さらに数個、妖精侍女たちが役得で持っていくそうで、残りが人間用に回されるのであります。フェアリーロジスティクスにも中抜きがあるという世知辛いお話。絵はフロレンス・チョート。
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虹に関する伝承 ・虹を見たときに付近の石を裏返すと将来の伴侶の髪の色が見える :虹の端が降りた家からは死人が出る ・虹の端には金貨の壺が埋まっている ・虹を見て不吉なものを感じたら地面に木の枝で十字を作って四個の小石を置かねばならない。 最後のは「※」のようです。
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イースターに関する伝承 ・お墓のまわりに花を植えるのによい日 ・黄色のガーターをつけると年内に婚約が決まる ・イースターの朝にフェアリーリングの周囲を走って二周すると妖精が出現してついてくる ついてきて何をするかは伝わっていないのであります。
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暦。伝説は語り継がれるうちに設定が細かくなっていきます。ジェイムズ・グレイスの『青柳』(1910)にある七夕伝説の織女は身なりにかまわずひたすら作業に没頭する娘。髪の毛ぼさぼさで地味な服を着て、いつも締め切りに追われているのですーー
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さて今年もまた4月23日すなわち「ドラゴンの日」が近づいてまいりました。一般には聖ジョージ祝祭日だったりしますが、そこはそれ。大多数のドラゴンは書物のなかに棲息していますから、書物の日でもある23日にみなさんのお気に入りのドラゴンを紹介してください。 #ドラゴンの日
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・空のゆりかごを揺らすとなにかがやってくる 夫にも子供にも先立たれて身寄りのないおばあさん。屋根裏でほこりをかぶっていたゆりかごを見つけて、ひさしぶりに揺らしてみました。それから二週間ほどたった頃、屋根裏から妙な音が聞こえてきます。覗いてみるとゆりかごのなかに子猫たちがーー
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雑。神学議論はいろいろと面白いものがあって退屈しません。「アダムがエデンの園に滞在した期間はどのくらいか?」。解答は諸説ありますが、最短で12時間くらいのようです。6時間目にイブが創られ、10時間目で堕落、さらに2時間で楽園追放とのこと。結構なジェットコースターなり、と。
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猫の雑。和名ガマ、水辺などに生えているモコモコの植物であります。英名を cattail 猫のしっぽといいますので、こういった絵がよく描かれるのであります。さらにtail は tale に通ずるため、複数のしっぽを持つ妖猫と見せかけてネコ話を連発するのもお約束。とりあえずの心得なり、と。
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雑。マザー・グースはガチョウに乗ったおばさんなのか、ガチョウのおばさんなのか。英国では乗ったおばさん説が有力で、おばさんがガチョウに乗って冒険する連作があるわけです。ガチョウ変身説もございます。なおマザーは役職名であって実体は美しいお姉さんという解釈もあります。ややこしいのです。
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靴の聖人祝祭日が近いのでーー ・靴ひもが解けるのは誰かに想われている兆し ・左右を間違えて履くとバッドラック ・古靴をテーブル上に載せると幸運が舞い込む ・靴を視線よりも高い棚に置くとバッドラック ・旅立つ人に投げつけて幸運を祈る ・新婚カップルには特に気合を入れて投げつける