西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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#ドラゴンの日 リチャード・ウィルソン「笑うドラゴン」。例によって適当に追い出された第三王子さま、魔法の笑い袋でネコとドラゴンを仲間にし、ドラゴン退治の賞品だったお姫様と王国をゲット。ただしドラゴンはすでに友達なのでみんな一緒に暮らしてハピリーエバーアフターという物語ーー
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暦。魔術的に考えますと、ひなまつりは人形を祭っているのではなく、人形を形代にして家霊の類を慰労しているのでしょう。一年間ありがとうございました、来年もよろしく、と。領主ともなれば地域精霊の宮廷をまるごと接待するため複数段飾りの豪華仕様になるわけです。オベロン様とタイタニア様万歳。
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雑。19世紀中頃の書物に見る女子用体操「ワンド調練」。ワンドは基本的に魔法杖を指しますので、いろいろ妄想が捗ります。魔法学校のカリキュラムによいかもしれません。術以前に打撃重視。
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雑。ときどき面白い会話が流れてきたりするのです。 「作品は大好きだけどそれを書いた作家は嫌いという人に会いまして」 「あー、あるわなあ」 「産みの親が嫌いってどういう心理なんですか?」 「きみ、嫁さんのご両親、好きか?」 「・・・なるほど」
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暦。12月13日はシラクサの殉教聖女ルチアの祝日。お盆に載せた眼球には諸説あって、拷問で失った説もあれば、「きみの瞳が忘れられない」とすがりつく男にこれでも拝んどけとくりぬいて渡したという説も。ともあれ眼球関係全般の守護聖女さまです。眼球系の魔物もこの時期が特異日となりましょう。
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#厳粛な場での不意の一撃 花嫁の父が挨拶のスピーチで緊張のあまり「嫁に出す」の意だったんでしょうが「出荷」と言ってしまい、はたと気づいて「出家」と言いなおしてさらに泥沼化し、笑ってはならぬと出席者一同が下を向いたまま必死でがんばったのこと。 それから10年、今でも語り草だそうです。
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暦。12月6日は聖ニコラス祝祭日。ドイツ方面ではサンタの原型といわれる聖人が良い子にお菓子を配る一方、同行する悪鬼クランプスが悪い子をかごに入れて連れていく日であります。泣き叫ぼうとお構いなし。「なまはげ」は普遍なのであります。
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雑。チェンバースによれば魔犬 spectre-dog は三種類に大別されるとのこと。 ・悪魔が犬に化ける ・悪人の霊が懲罰として犬の姿に変えられている ・悪霊が人間を脅すあるいはからかう目的で猟犬などに化けている  さらに付け加えるなら ・主を失った使い魔 ・主の墓守を続けて幽霊化した犬 なども
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雑。妖精さんを「良き隣人」などと上方修正して呼称するのはよく知られた習わし。ちなみにヒューマンサイドは「汚れた足」「不細工な実」等、ひどい言われようです。妖精さんとの交流はとりあえず罵られてから、という印象であります。絵はメアリー・ハラック。
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ちいさなちいさな男の子 かわいいかわいい女の子 とってもいけない男の子 ほんとにほんとにいけない子 とってもよろしい女の子 ほんとにほんとによろしい子 まいにちふたりで遊んでいると そのうちよい子になりました ほんとによい子になりました    -- ジョセフ・C・シンドラー
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雑。雨(rain) とか、痛み(pain)とか、悪いことはすべてスペインに行け、というのが英国児童の基本教理であります。Rain, rain, go to Spain 。スペインの雨は主に平野で降り続いて不作を招くまでがワンセットです。面白きかな、と。絵はグリーナウェイ。
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暖炉に関する伝承 ・会いたい人の名前を薪に刻んで燃やすと会える ・クリスマスシーズン中は暖炉の灰を手にしてはならない ・暖炉内に蹄鉄を飾ると鷹除けになる ・火かき棒と火ばさみを暖炉の同じ側にぶらさげると友人を失う  お屋敷の暖炉まわりは不思議がいっぱいとのこと。楽しそうです。
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雑。ワルプルギス・ナイト近し。魔女の移動といえば箒飛行の印象が強いのですが、大きなネコなどに乗る話も伝わっています。この時期、魔の山に向かう飛行隊が陽動をつとめる一方、陸路でこっそり国境を越える部隊もいるのでしょう。絵はボルドウィン「赤い街のコンラッド」から。
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過去の例からいうと、日本ーベルギー間の郵送はだいたい10日はかかったのです。世界情勢を意外な線から身近に感じるのも妙な気分であります。
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ガーデンプレイ。花がら摘みで出たペチュニアで作るお人形の類。数がありますので舞踏会を開くのであります。玩具の種類が少なかった時代、想像力の限りを尽くして行う「ごっこ」類は魔法の源泉なり、と。出典はマーサ・ヤング『南部の姉妹と庭遊び』(1919)。
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雑。ファミリー・バイブルといいまして、一家に代々伝わる立派な聖書。誰々がいつ出生して結婚して亡くなったと家系図の役目も果たします。性格の悪い妖精美女などは男をたぶらかすにあたって、この聖書から自分の出生のページを破って持ってこいと要求するとのこと。言われた通りにするとーー
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さて節分。英語圏では 豆投げ祭り Bean Throwing Festival と表記されることが多く、エクソシストがデビルズアウト!ハピネスイン!と叫びつつビーンスローするとされています。討伐対象のオニデビルとして大津絵の鬼念仏が紹介される例も。全体、春を呼ぶ楽しい行事という扱いであります。
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スミレに関する伝承 ・春先、一番咲きのスミレの頭をなでるとラッキー ・家に持ち込むのは基本的にアンラッキー ・お墓のそばのスミレはお祈りしているので摘んでいけない ・スミレ色の瞳の美女はいつまでたっても美女 最後のは妖魔系の特徴のようです。絵はいつものネリー・ベンソン。
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ーー協会所属の靴磨き少年たちのことはロンドン警視庁も目をかけていて、巡査たちがこまめに声をかけたりしていたとのこと。このあたり、警察の「目」として利用されることもあったでしょう。写真はカッセル社編『はたらく英国』(1902)から。
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雑。「人魚に誘惑される船乗り」というモチーフを前提に浦島太郎を描いたのがグレイス『青柳』所載のそれ。操業中の浦島をいきなり海に引きずり込んで関係を迫るドラゴンプリンセス。「子供が待ってるから」となんとかかわそうとする太郎。手に汗握る海底の攻防が面白いです。絵はウォリック・ゴブル。
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雑。英国では幽霊を見かけても基本的に(ああ、いるなあ)で放置するのですが、たまに挙動不審な幽霊がおるわけで、そういうのには教会墓地の土をぶつけるとよいのだそうです。なにか別物が化けている場合は正体が露見するとのこと。図は牧師さんの幽霊。生前より説教が面白いと疑われております。
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#幽霊の日 ディケンズの『クリスマスキャロル』で使われた「幽霊」を表す言葉はー apparition 出現、見えるだけ spectre 死んだ人間の姿が出現 phantom スペクターやアパリションと同義 ghost 死後に出現する魂。 spirit 息、霊。 soul が肉体を離れると ghost になるようです。絵はラッカム。
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雑。フクロウを森の夜警とする伝承。英語では鳴き声が Who, who, who are you? に聞こえるとのことで、闇のなかから何者かと誰何してくるわけです。それにきちんと答える答えないでストーリーが分岐するようです。いずれにせよ行きはよいよい帰りは怖いのであります。
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雑。悪い子が超自然的ペナルティーを受けるという発想は普遍であります。髪をブラシで整えないと獣化が進行して犬になるという教訓画。食べすぎると豚になる、わがままがすぎるとネコになるのであります。1877年のセントニコラス誌から。
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雑。よくわからないモンスター。このカンティルナー犬はローラ・E・リチャーズの詩に登場する「コットンフランネルを投げつけてくる」魔物なのですが、なにがしたいのかよくわからない。レジナルド・バーチの絵がいい感じなのでどこか気になるのであります。初出は1889年。