西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(いいね順)

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さてお盆近し。 亡くなった家族が里帰りしてくるという発想/情緒はユニヴァーサルなのでしょう。英国では星のきらめきがいつもと違うとか、梢をわたる風の音がだれかの声に似ていたとか、そういった形で感知するお話が多いのです。さりげないほうが美しいのであります。
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#猫の日 2月22日は猫の日とのこと。猫の瞳は潮の満ち引き、あるいは月の満ち欠けと連動すると昔から言われておりますが、瞳が丸いときがかわいい、いや細いときのほうが猫らしくてよいという議論も盛ん。結論が出ないとわかっている話題でえんえんお茶を飲むのも英国人の特技であります。
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雑。「死」を制止する「時」の図。時の老人も死神なのですが、こちらは寿命満期で刈り取りにくるタイプ。一方の槍を持つ骸骨は突発的事故的死なのであります。「いまだ時至らず」と引き留めています。現場の連携が悪いのは上司の「運命」がいまひとついいかげんだからなんだそうです。
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暦。7月22日はハメルンの笛吹きの日です(諸説あり)。子供たちをチャームするにあたり、メインとなるのは音色か旋律かそれともリズムか。このときの様子を絵にする人は多いのですが、曲にするのは難しそうです。絵はグリーナウェイ。
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ナーサリーマジック 老婦人と足のわるい少年が木陰で「かくれんぼ」をしています。ふたりがともに知る場所を決め、片方がこころのなかで「かくれる」。かたほうがそれを当てるのですがチャンスは三回まで。三度外れたら攻守交替。カイラー・バナーの詩「ワン、ツー、スリー」(1887)から。
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さて母の日。 しかしカーネーションの花言葉は19世紀後半の時点ではろくなものがないのです。 真紅=嗚呼、心が痛い  黄色=嫌悪 縞入り=拒絶 20世紀に入って母の日とコラボするようになるととってつけたように「感謝」「母への愛」となります。
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人形魔術。キングズリーの詩「なくした人形」は示唆に富む名作としてさまざまなアンソロジーに収録されています。牧場でなくした世界一かわいいお人形。見つかったときは塗装が剥げて足はちぎれてぼろぼろだったけれど、思い出のなかでは今でも世界一かわいいお人形、と大人が回想しておるのですーー
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雑。そういえば「肝試し」を英語でなんと表記するのか。かつてあほなAIが「肝臓の検査」と訳したのはともかく、現在では test of courage あたりがよく挙がります。ghost game という訳もよろしいかと。ロウソク一本で屋根裏にあがって古い聖書を取ってくるというのが英国風肝試しの基本形であります。
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雑。紅茶はちょっと肌寒い頃に庭先でいただくのが一番美味しい、と昔のエッセイにありました。ミクルマスを過ぎると一気に秋が深まる英国では、この頃から妖精の姿が減り、かわりに鬼火や変化の話が増えていきます。幽霊はシーズンレスで出没中。絵はライト・エンライト。
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ハッシュタグを作って集めてみてもいいかもしれません。 見てるとしあわせになれるのです(一部の人が)。 #ふとりたおした猫
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先ほどカーナビが「今日はオカルトの日です」などと口走りまして。調べてみると昔『エクソシスト』が公開された日なんだそうです。あれから何年たったのか。カーナビに通告されるほうがよほどオカルトでありましょう。 #オカルト記念日
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雑。獣化の呪いが解ける際にどのような手続きを踏むか。それを調べていて妙なものに遭遇。ジェイコブ童話集 (1915) の「美女と野獣」のラストでは獣の背がぱっくり割れて中から王子様が登場。着ぐるみだったのか、と。絵にするといよいよそれ風です。
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猫。猫の王様の名前として今に伝わるのが Doldrum 。この王が暗殺され、後継者の Dildrum にニュースが伝わる模様がいろいろとヴァリエーションを産んだという解釈もあります。葬儀に遭遇した人間が伝える版もあれば、いきなり使者が煙突から降りてくる版も。いずれにせよ猫らしくオープンエンド。
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6月24日は洗礼者ヨハネの祝祭日。少女の願いで首を落とされたという劇的な最期のおかげで聖遺物ももっぱら頭蓋骨。あちこちの教会でいろいろなサイズの「聖ヨハネの頭蓋骨」が尊崇を集めています。  恋しい人を手に入れたいという少女の願いゆえにこの日は恋占いの特異日としても有名。ちょっと怖い。
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雑。子供向けの教訓ストーリーはかなりの割合でホラー化するようです。「わすれてたの国」では日常のいろんな作業を「わすれてた」子供たちが矯正所でひたすら同じ作業を繰りかえすのです。帽子を定位置にかけるのを忘れると図のような目に遭うのであります。終わるまで帰れませんーー
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雑。 お盆 the festival of the dead 迎え火 welcome fire 送り火 farewell fire 精霊馬 spirit horse 精霊流し spirit boat 盆踊り bon-dance だいたいこんな感じの表記であります。「ネクロマンシーの残影」とハーンが評したのは的確なり、と。
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雑。9月14日をもって英国ではコロナ対策として屋外屋内を問わず7人以上の集会を禁止する条例が実施されます。警察には違反集会を解散させる権限が与えられ、違反者には罰金が科せられます。これに困ったのが英国フリーメイソンリー。多数の儀式が七人以上で行われるからですーー
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妖精。さて今宵はミッドサマー・イブ。妖精たちの社交もクライマックスというところ。図はファニー・コーリーが描く「妖精の在宅日」。アットホームに招かれた面々がフェアリー・ティーを楽しんでいます。19世紀初頭から人間たちの紅茶ブームを真似て始まったとの説あり。セントニコラス誌から。
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雑。人工灯火のコストが割高であった頃、自然光による窓辺の読書は常識というか必然というか。モニターばかり凝視している昨今、初夏の夕暮れに涼風のなかでページをめくりたいと思うのであります。書物の内容は読書時の環境によって変容するやもしれず。どこで読むかは重要なり、と。
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雪に関する伝承 ・婚礼の日の雪は大いなる幸福の兆し ・初雪で手を洗うとその年はあかぎれしない ・月夜に犬が吠えると雪を呼ぶ ・初雪を手の甲で受けて溶けるまで眺めるとスノウ・フェアリーの夢を見る 夢のなかの雪妖精は美しいそうです。絵はいつものパジェット・フレデリクス。
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雑。dragonism なる名詞。調べるに「舞踏会などで、若い女性につきそう強面の年長婦人が群がってくる男どもをけん制し、蹴散らす作業」を指す模様。ようするに宝物を守るドラゴンの仕事なのでしょう。19世紀末、自転車が普及するとお姫様がドラゴンを振り切って暴走するようになります。面白や、と。
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季節の話題。幽霊船に関する伝承 ・消えたり現れたりする ・バルト海の幽霊船にはコボルトの海賊が乗っている ・帆船なのに風向きに関係なく航行する ・遭難者の魂を救助している説あり ・だいたいオランダ船籍(と英国が主張) 絵はマリヤットの『幽霊船』(1847)から。
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雑。17世紀中頃、英国でも流行った「つけぼくろ」は突然変異を起こして巨大化したというのであります。星や月はともかく、額を横切る二頭立て馬車は何事か、と。黒絹やベルベットを適当に切って貼りつけてるうちにエスカレートしたのでしょう。人体は小宇宙なのであります。
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10月2日は守護天使の日です。 「天使さま。昼も、夜も、ママが灯りを消したあともぼくをお守りください」  スコット・ゲティーの「子供の祈り」の一節です。これが基本というか、守護天使を「寝ている間の警戒システム」と考えれば納得のゆく部分も多いです。絵はグレアム・ロバートソン。
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雑。一次大戦中、戦闘機パイロットの間で黒猫のお守りやマスコット類が大流行した話が『スーパーナチュラル・ウォー』にありますが、二次大戦中の戦闘機にワイルドキャットとかヘルキャットといった猫系の名前がつくのはこの流れかなあ、と空想しております。ああそうそう、トムキャットも。