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マスクに関する情報その3。
米国医師会雑誌の論文を、見やすくまとめて下さったもの。一連のスレッドを参照いただければ、N95でなくとも不織布マスクをリークなく装着することで「かなりイイ線」までいくことがわかる。
twitter.com/Hiroshi_Tsuji/…
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2020年11月のOne Earth誌から、不織布の帯電性についての技術的論文。かのCell Pressからこのような雑誌が出るようになったことに多角化の波を感じる。
①図版をみていくだけでも分かりやすいので、眺めるだけでもどうぞ。
cell.com/one-earth/pdf/…
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⑤これを踏まえると、Fig.6cにあるようにneutralもしくは正帯電寄りの綿や絹はウイルス防御という目的においては性能が劣ることになる。
なお、方々で言われているように、ウレタンマスクは感染制御にほぼ無意味であるばかりか、それで会話や密接が許されるという独善を生む害悪のもとであると考える
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⑩ここまでの内容から、ウイルス捕捉目的のマスクには【帯電しやすくかつ細い線維】が最善であることは明らか。
ウレタンや綿は論外。ナイロンやポリエステルでもマイクロファイバー紡績糸は太すぎる。【不織布以外のマスクで満員電車は「経路不明」などではなく立派な感染経路】だと考える。
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補足情報として東大生産技術研究所の成果発表。
N95マスクのPP層の表裏(番号3と4)は負に帯電。それが煮沸などの再生処理で失われるが、ヴァンデグラフ起電機でリチャージできるという話。
バリバリに復活する。使用前の新品マスクの性能向上に使えそう。製品化来るかな?
iis.u-tokyo.ac.jp/ja/news/3444/
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もうひとつ。2週に亘る連ツイの総括として、改めて非帯電のマスクは無力であると主張しておく。使って劣化したものも含めて。
お母さんの手作り、孫からのプレゼント、高機能を謳うスポーツ用品、おしゃれなブランドもの。これらすべて、身を守るという観点からは使い捨ての不織布に劣ると考えます。
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承前)それが長引くようであれば、関西全域について検査数が足りない状況が連休中も続くことになる。大阪は減少分の影響を強く受けて、陽性診断数と実態との乖離がさらに大きくなると予想する。
これは診断の遅延による感染者の再生産を意味する。もはや社会防疫は崩れ去り、院内防疫で精一杯である。
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承前)2021年1月の米国医師会雑誌JAMAに出た疾病対策予防センターCDCからの論文。感染源となるのは、発症前presymptomatic 35%、全経過無症状never symptomatic 24%。逆に、そこまで多いのかと驚かされるほどである。
jamanetwork.com/journals/jaman…
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今なお『無症状者からの感染は起こらない』とおっしゃる方がおられるが、それは誤りであり実態を御存知ない。
寝たきり自宅介護で家を一歩も出ていないおじいちゃんが発熱して新コロ陽性、訪問看護側には異変なし。家族を調べてみたら大学生の孫が陽性で『えっ、俺?』。孫は徹頭徹尾無症状。(続く
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同じスレッドに「下手と馬鹿が使わなければ偽陽性は出ない」と書いた。
当院では累計7-8万件になると思うが、陽性は全例再検、通常の1stepで実施して40サイクル以降の立ち上がりはRNA精製して再検(結構ここから陽性確定が出る)という方針で、最終的に偽陽性と結論づけた事例は現時点ではゼロである twitter.com/kakeashi_ashik…
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パンサーを発注したものの、納入の遅れにしびれを切らして3ヶ月で契約を破棄し、よりによって抗原検査のルミパルスを代替選定したのが熊本市。
外野から批判するのは申し訳ないが、本当に似ても似つかないものに振り替えてしまわれたので、悪びれずに言う。愚かであった。
kumamoto-shigikai.jp/common/UploadF…
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国内で導入の多い全自動大量検査機はコバスとパンサーで、いずれも検体の持ち込み量がほかの手段に比べて大きいことがアドバンテージとなっており、LODが非常に低い。すなわち、ウイルス濃度の低い検体の取りこぼしが少ない。特に、コバスは圧倒的であり、検出能力は現状で世界最高。
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機器の価格差と性能差を強調するのはなぜか。
医者が野良と揶揄する「お商売PCR」のなかに、コバスやパンサーを使うところが出てきて、その「陽性」を手に受診した人を「一般的なPCR」で再検査して取りこぼすことがあるからだ。
偽陽性の烙印まで押すのだが、実は野良のほうが正解ということがある。
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私は、リアルタイムPCRの元技術者として偽陽性が極めて出にくいことを知る、検査拡充論者。今なお無症状者検査の是非が議論されている。なぜ最も基本的なことに立脚した議論をしないのだろう。
【社会防疫の必要条件だが十分条件ではない】
単純にそれだけのことなのに。その先を議論しましょうよ。
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闇雲PCRだけでは社会防疫で完全勝利できない。
相応の実施規模、エリア遮断or行動抑制、隔離施策。これらの輪郭どころか蜃気楼すらも見えない日本で、検査だけを拡充してもダメ。エリア遮断の最大規模にして最小労力ゆえに最優先なのが水際対策だが、日本は「島国アドバンテージ」を活かせなかった。
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>RT
もう2週間も経つのか。第4波を象徴する「地獄の底」の出来事を記憶に留めるためにRTさせていただいた。
動脈血酸素飽和度が静脈血レベルに落ちるまで自宅療養。そんなことが現実に起こったのだ。
我が国の医療の「メッキが剥がれる」ところを見せつけられた。医療者の一員でありながら。
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都の保健所医師は1年で17名退職4名入職。
過重労働だけではないだろう。謝意や達成感という医者冥利を喜びとする者にとって、住民の厳しい言動は心を折るものだったと思う。さらに五輪を控えて、「いいように使われる」ことが見えてきた。多大な自己犠牲とセットで。(続く
www3.nhk.or.jp/news/html/2021…
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検査周辺の報道。名古屋の検査機関でコンタミによるPCR偽陽性が84名/4日。
『それ見ろ、偽陽性は起こるよ』とおっしゃる、特異度100%を認めたくない皆様。実際にハンドリングの御経験があれば、それが極めて初歩的かつ許されないミスだとお分かりになろうもの。(続く
mainichi.jp/articles/20210…
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承前)赤線を引いた「検査機器に付着」は・・
全自動機器内部で検体orプロダクトを飛散させたか。
全自動と人力の両方で最も考えられるのは調製段階のピペッター汚染。外筒に付けたかフィルターチップをケチったか。
いずれも「内視鏡を洗浄消毒せずに使い回す」レベルの話。厳しく責められるべき。
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無症状者に検査をすることを無意味とする方が医療者や科学者にもおいでなるが、そろそろ考えを改めませんか。社会防疫は得意分野ではないが、少し書いてみる。
①一定の割合でnever symptomatic(NS)からの感染が成立することは非常に確からしいと考える。(続く twitter.com/kakeashi_ashik…
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続く)社会防疫に失敗した今の日本では、不顕性感染者が野放しの状態になっている。
NS
↓
NSスプレッダ→クラスタ
↓
NS
竹の地下茎のように見えない蔓延が広がっていて、ところどころで表出する。これを断ち切るためには無症状者に広く検査の網をかけるしかない。さもなくばロックダウンしかない。
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③PCR推進論者を「原理主義」と揶揄する方々の論拠として、前述の防疫的偽陽性があると思う。
『感染していない人まで拾う』→これは診断的偽陽性との錯誤。私が常々書いているように、下手と馬鹿が使わなければ本当の意味での偽陽性は発生しない。(続く
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⑨総括。
・無症状者からの連鎖を断ち切る手段
・組織ではなくむしろ個人に有益
・社会的経済的な救済のためのフラグ
・ワクチン接種回数に影響(特に副反応の出やすい若年者には意義が大きい)
これだけ揃ってきたのに、まだ『無症状者にPCRは無駄』とおっしゃいますか?